スタッフレビュー

ピアノの情報ブログの使命は、あらゆるピアノの情報を共有し、皆様の素晴らしいピアノライフを応援することです。

 

ショパンが愛した響きを、今。🎁限定プライスダウン🎁

「ピアノは音を奏でるだけでなく、歴史を紡ぐ楽器。」
ショパンがこよなく愛した《プレイエル》のピアノ。

ショパンも愛したフランスの名門、プレイエル。

プレイエルの中でも一際人気の高いモデルが『P115CP』です。

フランスの香りを感じる流麗なチッペンデール(猫脚)と可憐な響き。

 

その柔らかく繊細な音色に感じる“ぬくもり”は、職人のハンドクラフト製造ならではの魅力です。

 

今なら展示入替につき、11万円OFF でのご案内‼️

.11万円といえば、ちょっと贅沢な旅にも行けちゃいますね…✈.

 

この機会に、ショパンに愛された音色と感触をご堪能ください。

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📍 グランドギャラリー岡崎本社ショールーム
🎥 音と映像でご紹介:動画を見る
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国内最大級のピアノショールーム「グランドギャラリー岡崎」では「合計140台以上」のピアノを展示しています♪
初めてのピアノにもオススメなアップライトピアノ“約80台”!
より繊細な表現を叶えてくれるグランドピアノ“約60台”!
ヤマハ・カワイなどの国産ピアノをはじめ、輸入ブランドまで幅広く取り揃えており、あなたのお好みの1台をご紹介いたします!

当社は20年以上の実績、累計150,000台以上の販売実績を誇り、年間10,000台以上の買取・販売(国内外)を行っております。
総在庫は4,000台を超えており、そのうち2,000台は自社管理の在庫として保有しています。

ピアノショールームにて、選び抜かれたピアノを全国のお客様にご提案しています。
ぜひ、圧巻のショールームで「あなただけの1台」をお選びください♪

 

はじめに

ロマン派時代のピアノとその進化

19世紀のヨーロッパは、ロマン主義の精神が文学、美術、そして音楽に大きな影響を与えた時代でした。この時代、ピアノは飛躍的な進化を遂げ、作曲家やピアニストたちはその新たな可能性を追求し、個性豊かな作品を生み出しました。特にフレデリック・ショパンフランツ・リストは、この時代のピアノ音楽を牽引した二大巨匠として知られています。彼らは、それぞれの演奏スタイルや音楽的表現に最適なピアノを選び、その楽器の特性を最大限に引き出すことで、後世に残る数々の名曲を世に送り出しました。

現代のピアノとは異なる構造や音色を持つ当時のピアノは、作曲家たちの創造性に大きな影響を与え、彼らの音楽に独自の色彩を与えています。本記事では、ショパンが愛したプレイエル、そしてリストが追求したベーゼンドルファーベヒシュタインという、伝説のピアノたちの魅力に迫ります。

ショパンが愛したピアノ:プレイエル

プレイエルの特徴とショパンとの関係

プレイエルは1807年にフランス・パリで設立されたピアノメーカーです。創業者のイグナツ・プレイエルは作曲家としても知られ、演奏家や作曲家の視点からピアノ製作に取り組みました。その繊細な音色と美しい響きは、19世紀の多くの音楽家を魅了しました。

ショパンはプレイエル社のピアノを「完全無欠」と評し、生涯にわたって愛用しました。彼はプレイエルのピアノを最も理想的な楽器と考えており、その作品の多くがプレイエルの音色を前提に作曲されたと言われています。ショパンがパリで行った公式コンサートは全てプレイエルサロンで行われ、彼とプレイエル社の2代目カミーユ・プレイエルは個人的にも深い親交を保っていました。

プレイエル・ピアノの音色と奏法


プレイエルのピアノは、現代のピアノとは異なる独特の音色とタッチを持っています。

  • 透明感のある繊細な音色: 響きが柔らかく、倍音が控えめでクリアな音を奏でます。大音量で響かせる現代のピアノとは異なり、サロンや小規模な空間での演奏に適していました。ショパンのノクターンやワルツ、プレリュードのような詩的な作品では、音の輪郭が美しく際立ちます。
  • 軽い鍵盤タッチ: タッチが軽く、指先の細かなニュアンスを表現しやすいのが特徴です。ショパンは鍵盤を深く押し込むような奏法ではなく、指の柔らかな動きで音を作るスタイルだったため、この軽いタッチが彼の演奏スタイルに合っていました。
  • シングル・エスケープメント: プレイエルのアクション機構は「シングル・エスケープメント」にこだわっていたと言われています。この機構は、キーを完全に押し戻さないと次の打鍵ができないため、速い連打には不向きでしたが、「弦に直接触れるかのような繊細なタッチ」を可能にし、ショパンの求めた表現に貢献しました。

ショパンは体調が良い時やインスピレーションが湧く時にプレイエルを選び、自身の内なる声を音にしたいと願いました。このピアノは、彼の繊細な感性や詩的な表現を忠実に再現する、まさに「分身」とも言える存在だったのです。

グランドギャラリー展示ピアノの紹介

    • PLEYEL(プレイエル)P115CP: 優雅なチッペンデールと明るく可憐な響きが魅力的です。

    • PLEYEL(プレイエル)P115CP: 艶有の艶やかな色彩と“シンギング・トーン”といわれる歌うような音色に弾きこまれる一台です。

    • PLEYEL(プレイエル)P118: 象嵌模様が誂えられたあたたかな外装と広がる響きが奏者に伝わってきます。

リストが追求した響き:ベーゼンドルファーとベヒシュタイン

リストとベーゼンドルファーの伝説


フランツ・リストは「ピアノの魔術師」と称され、その超絶技巧と華麗な演奏スタイルでヨーロッパ中を熱狂させました。リストはピアノに並々ならぬ要求をしましたが、彼の激しい演奏に耐え抜いたことで名声を得たのが、オーストリアのベーゼンドルファーです。1828年にウィーンで創業されたベーゼンドルファーは、数多くの音楽家からの助言を受けて改良を重ね、「ウィンナートーン」と呼ばれる美しい音色を創り上げました。

リストの圧倒的な演奏に耐えうる唯一のピアノとして、ベーゼンドルファーの名声は一気に高まりました。特に、鍵盤数を拡張した「モデル290 インペリアル」は、標準の88鍵の下にさらに4〜9組の弦が張られ、最低音を通常よりも長6度低いハ音とした97鍵盤を持つことで知られています。この拡張された音域は、弦の響板を広げ、共鳴する弦を増やすことで、豊かな中低音の響きを生み出しました。ベーゼンドルファーのピアノは、1年以上の月日をかけて全工程を手作業で作られ、その「至福の音色」は世界中のピアニストから愛されています。

ベヒシュタインとリストの縁


世界三大ピアノの一つに数えられるベヒシュタインは、1853年にカール・ベヒシュタインによってドイツ・ベルリンで誕生しました。創業当時から多くの音楽家に愛され、リストもまたベヒシュタインを高く評価していました。「28年間ベヒシュタインのピアノを弾き続けてきたが、いつでも最高の楽器だった」というリストの言葉は、このピアノへの信頼と愛情を物語っています。

ベヒシュタインのピアノは、繊細で色彩豊かな音色が特徴です。柔らかく純粋で温もりのある音は、多声部のバランスを操りやすく、ピアノの個性の主張よりも奏者の個性が前面に出る傾向があります。タッチに瞬時に反応し、音の立ち上がりが速いため、奏者の意図が伝わりやすいのも特徴です。音の減衰も速く、音が混じり合いながら消えてゆく時の美しい色彩感を表現できます。

各ブランドの音色・メカニズムの比較

      • ベーゼンドルファー:
        • 音色: 高貴で深みがあり、豊かな弦の共鳴と倍音を持つ「ウィンナートーン」。安定感や重厚感のある落ち着いた音色。
        • メカニズム: 全音域にわたる音のまとまりが良く、楽器全体が一体となって響きを作り出す。独自の鍵盤拡張(92鍵、97鍵)が特徴的で、豊かな低音の響きに貢献。
        • 特徴: 手作業による丁寧な製造プロセス。リストの激しい演奏に耐えうる堅牢性。
      • ベヒシュタイン:
        • 音色: 繊細で色彩豊か、柔らかく純粋でぬくもりのある音。透明感のある響きが特徴。
        • メカニズム: 奏者のタッチに瞬時に反応し、音の立ち上がりが速い。多声部のバランスを操りやすく、表現力が高い。独自のカットオフバーなどが弦振動の効率を最大化。
        • 特徴: 表現力を求める楽曲で真価を発揮。ドビュッシーなど印象派の作曲家にも愛された。

グランドギャラリー展示ピアノの紹介

      • C.BECHSTEIN(C.ベヒシュタイン)Millenium116K: 色彩豊かな表現力と透明度の高い響きがうっとりとさせてくれます。

      • BOSENDORFER(ベーゼンドルファー)200: 深みのある暖かな音色が空間全体にしっとりと響き渡ります。

      • BOSENDORFER(ベーゼンドルファー)225: 奥行225㎝から奏でられる豊かな響きと拡張鍵盤が可能にした表現力が曲に広がりを見せてくれます。

ショパン&リストの演奏スタイルとピアノの関係

二人の演奏美学とピアノ選び

ショパンとリストは同時代にパリで活躍しましたが、その演奏美学は対照的でした。ショパンは内向的で繊細な表現を好み、少人数の聴衆が集まるサロンでの演奏会を主としました。彼の音楽は詩的な叙情性を持ち味とし、プレイエルのような柔らかく、微細なタッチに反応するピアノがその表現に不可欠でした。プレイエルの軽い鍵盤と透明感のある音色は、ショパンの指先のニュアンスをダイレクトに音に反映させ、彼の音楽に独特の浮遊感と繊細な色彩を与えました。

一方、リストは華やかな超絶技巧と情熱的な表現で大衆を熱狂させる「ピアノの魔術師」でした。彼は大ホールでのコンサートを好み、その圧倒的な音量と技巧に対応できる堅牢なピアノを求めました。ベーゼンドルファーやベヒシュタインといったピアノは、リストの力強く、交響楽的な演奏に耐えうる設計と、豊かな響きを提供しました。リストは、彼らのピアノを通じて、 自身の求めるダイナミックな表現を可能にしたのです。

ピアノがもたらした表現の拡張

ショパンとリストは、それぞれのピアノの個性を理解し、それを自らの音楽的表現の一部として昇華させました。ピアノという楽器は、彼らの手によって単なる演奏道具以上の存在となり、その可能性を大きく広げました。ショパンはプレイエルによって 「ピアノの詩人」としての繊細な世界を確立し、リストはベーゼンドルファーやベヒシュタインによって 「ピアノの魔術師」としての圧倒的な世界を築き上げました。

伝説のピアノを体験できるグランドギャラリー

ショールームでの体験・購入情報

グランドギャラリーでは、ショパンやリストが愛した歴史的なピアノブランドの魅力を現代に伝えるため、世界三大ピアノと呼ばれるスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインをはじめ、国内外の数多くのピアノを取り扱っています。常時4,000台以上(自社保有2,000台)の豊富な在庫の中から、お客様一人ひとりに最適な一台をご提案します。

        • 幅広いラインナップ: ヤマハ、カワイなどの国産ピアノから、スタインウェイ&サンズ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインなどの輸入ピアノまで、幅広いブランドのピアノを比較試弾できます。
        • 非日常空間でのピアノ選び: 愛知県岡崎市の本社ショールームと東京日本橋のショールームは、高級感溢れる空間で、最新映像や音響を融合した非日常的なピアノ選びを体験できます。
        • 経験豊富なコンシェルジュ: 豊富な知識と経験を持つピアノコンシェルジュが、お客様のピアノ選びをサポートします。オンラインでのご相談(FaceTime, Zoom, LINEビデオ通話など)も可能です。
        • プロフェッショナルによる整備: 本社併設の自社工場では、キャリア50年を超えるベテラン技術者を始め、塗装、クリーニング、整調・整音・調律など、ピアノを熟知したプロフェッショナルがあらゆる整備を行い、最高のコンディションでお届けします。

ピアノ購入・相談の流れ


グランドギャラリーでは、お客様に安心してピアノを選んでいただけるよう、様々な購入サポート体制を整えています。

        1. 来店またはオンラインでのピアノ探し: まずはショールームへご来店いただくか、ウェブサイトで気になるピアノをお探しください。オンライン相談サービスもご利用いただけます。
        2. 専任スペシャリストによるサポート: お客様のニーズやご希望をお伺いし、経験豊富なピアノコンシェルジュが最適なピアノをご提案します。
        3. 試弾: 実際にピアノに触れて、その音色やタッチをお確かめください。調律済みの良い状態で試弾できるため、購入後のイメージを明確に描けます。
        4. 購入・契約: 納得のいく一台が見つかったら、購入手続きへ進みます。分割払いなど、様々な支払い方法に対応しています。
        5. 配送・納品: 全国へ配送・納品いたします。(※離島を除く)納品後の定期調律やトラブル対応もお任せください。

まとめ

ショパンとリスト、伝説のピアノを現代で味わう


フレデリック・ショパンとフランツ・リストは、19世紀のロマン派音楽において、ピアノの表現力を極限まで高めた二大巨匠です。ショパンはプレイエルの繊細で透明感のある音色と軽やかなタッチを愛し、詩的な感情表現を追求しました。一方、リストはベーゼンドルファーやベヒシュタインの持つ堅牢な構造と豊かな響きを活かし、超絶技巧と情熱的な演奏で大衆を魅了しました。

彼らが活躍した時代のピアノは、現代のピアノとは異なる個性を持っており、その楽器の特性が彼らの音楽に深く刻まれています。当時のピアノを体験することは、ショパンやリストの音楽をより深く理解し、彼らが作品に込めた思いを感じるための重要な手がかりとなるでしょう。

さらなる鑑賞・体験へのご案内

グランドギャラリーでは、ショパンやリストが実際に演奏した当時のピアノに近い音色やタッチを持つヴィンテージピアノから、現代の最新モデルまで、幅広いラインナップのピアノを取り揃えています。クラシック音楽愛好家の方、趣味でピアノを弾かれる方、そしてこれからピアノを始めたい方まで、すべてのお客様にぴったりの一台との出会いをサポートいたします。

ぜひグランドギャラリーのショールームへお越しいただき、伝説のピアニストたちが愛したピアノの音色を、ご自身の耳と肌で体験してください。オンラインでのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

はじめに

ヤマハのピアノは、その品質の高さと安定性で世界的に評価されています。しかし、「同じヤマハのピアノでも、1台ごとに音が違う」という話を聞いたことはないでしょうか。本記事では、この個体差の真相に迫り、実際に複数台のヤマハアコースティックピアノを比較検証することで、その音の違いを体験してみたいと思います。

なぜ「ヤマハのピアノは1台ごとに音が違う」のか


ピアノは多くの部品からなる複雑な楽器であり、木材などの自然素材が多く使われています。そのため、製造過程での微細な違い、使われている部品の個体差、そして長年の使用による「エイジング(熟成)」などが積み重なり、一台一台に独自の個性をもたらします。特にアコースティックピアノは、弦の振動が響板全体を震わせて音を作り出すため、これらの要素が音色に直接影響を与えます。

比較対象となるヤマハアコースティックピアノの概要

今回の検証では、年代の異なるアップライトピアノや、高さの異なるアップライトピアノ、グランドピアノを比較対象とします。具体的には、音色の明るさ倍音の響きクリアさといった観点から、それぞれのピアノが持つ独自の音の個性を深掘りしていきます。

ヤマハピアノの個体差とは?

個体差が生まれるポイント

個体差が生まれる主なポイントは以下の通りです。

    • 製造年代: 製造された時期によって、設計思想や使用される素材に違いがあるため、音色にも変化が生じます。

 

    • 調律・セッティング: ピアノの性能を最大限に引き出すためには、定期的な調律や適切なセッティングが不可欠です。これらのメンテナンス履歴も個体差を生む大きな要因となります。

 

    • 部品の個体差: ピアノの主要部品であるハンマーや弦、響板などは、天然素材を多く含むため、一つ一つに微細な違いがあります。

 

    • 使い込まれ方(エイジング): ピアノは弾き込むほどに音が変化し、熟成されていきます。これを「エイジング」と呼び、前の所有者の使用状況が音色に独特の深みやキャラクターを与えます。

 

 

音色・倍音・クリアさへの影響

これらの個体差は、特に以下の音響特性に影響を与えます。

    • 音色の明るさ: 明るく華やかな音色、あるいは落ち着いた温かみのある音色など、個体によって様々です。

 

    • 倍音の響き: 倍音の豊かさは音色に奥行きと広がりを与えます。特にグランドピアノは、弦の振動だけでなく、88個全ての鍵盤の音が共鳴することで、奥深い音色を生み出します。

 

    • クリアさ: 音の輪郭がはっきりしているか、あるいは柔らかく響くかなど、クリアさの感じ方も個体によって異なります。

 

 

高さ・年代・モデルごとの違い

    • 高さ別:
        • 背丈高め(131cm前後): 長い弦が張られているため、低音が豊かに響き、ゆったりとした音の印象を与えます。

       

        • 背丈低め(110~121cm前後): コンパクトながらもバランスの取れた音色を持ち、活発で快活な性格のピアノが多いです。

       

    • 年代別: 製造年代によって、ヤマハピアノの音色は変化しています。かつてのヤマハピアノは明るく華やかな音色が特徴でしたが、近年ではより柔らかい音を目指す傾向も見られます。

 

    • モデルごと: YUシリーズやYUSシリーズなど、モデルによってハンマーフェルトや弦、響板の設計などにこだわりがあり、それぞれ異なる音色特性を持っています。例えば、YUSシリーズはコンサートグランドピアノCFXと同等のハンマーフェルトを使用し、感動の音づくりを目指したシリーズです。

 

 

音の違いを生む主な要素


ピアノの音色は、単に機種の特性だけでなく、様々な要因によって形成されます。ここでは、特に重要な要素について掘り下げていきます。

製造年代による違い

ヤマハピアノは、製造された年代によって音色やタッチの傾向が異なります。

一口に「ヤマハ」と言っても、製造時期によってずいぶんと違った個性を持つため、新旧のピアノを弾き比べてみることをおすすめします。

調律・セッティング・部品の個体差

ピアノは「イージーオーダーの楽器」と言われるほど、調律やセッティング、そして部品の調整によって音色やタッチが大きく変化します。

    • 調律:調律師の腕によって、音の伸びや広がりを考慮し、意図的に微妙なズレを持たせることもあります。

 

    • 整調・整音: 音色調整の「整音」やタッチ調整の「整調」は、ピアノが持つ本来の響きや表現力を引き出すために不可欠です。例えば、音がこもっているピアノは、高次倍音が出ていないことが原因であるため、整音によって「こもり」を取り除くことで、クリアで輝きのある豊かな響きになります。

 

    • 部品の個体差: ハンマーの摩耗内部の部品の状態も音質に直接影響を与えます。特に中古ピアノの場合、試弾によってこれらの隠れた違いを発見することが重要です。

 

 

ピアノの使い込まれ方(エイジング)の影響

ピアノは、使い込まれることで「エイジング(熟成)」が進み、音色が変化します。

    • ハンマーの熟成: 弾き込まれることでハンマーのフェルトが圧縮され、音色が変化します。適度なエイジングは音に深みと丸みを与えますが、過度に弾き込まれた場合はハンマーが硬くなり、音が金属的になることもあります。その場合は調律師による「整音」作業でハンマーに弾力性を取り戻すことができます。

 

    • 響板の熟成: 長年弾き込まれることで、響板も徐々に熟成し、より豊かな響きを生み出すことがあります。しかし、湿度や温度の影響を受けて木材が割れたり膨張したりすると、ピアノ全体の健全性に悪影響を及ぼす可能性もあるため、ピアノの状態をしっかりと確認しましょう。

 

これらの要素が複雑に絡み合い、一台一台のヤマハピアノにユニークな音の個性を生み出しています。

体験!複数台で弾き比べ演奏動画


ヤマハのアコースティックピアノの個体差をより具体的に理解するために、複数台のピアノを同じ条件で演奏し、その音の違いを聴き比べます。

アップライトピアノ高さ別での弾き比べ

    • ◤ YAMAHA bシリーズ ◢ 〈 b121・b113 〉の2台を弾き比べました!💖

グランドピアノシリーズ・年代別での弾き比べ

      • 必見!!YAMAHA C3を弾き比べ♪ 最新モデルから限定モデルまで🎹/グランドギャラリー岡崎

購入・試弾を考えている方へ


今回の検証を通して、ヤマハピアノ一台一台が持つ奥深い魅力と個体差を感じていただけたでしょうか。ピアノは決して安い買い物ではありません。だからこそ、後悔のない一台と出会うために、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

ピアノ選びで知っておきたい「一台ごとの魅力」

        • 「好み」の重要性: ピアノは「楽器」であり、最終的には演奏者自身が「心地良い」と感じる音色やタッチを選ぶことが最も重要です。ヤマハは「明るく華やか」な音色と「軽快なタッチ」が特徴とされますが、年代やモデル、個体によってその印象は大きく異なります。

 

        • エイジングの魅力: 中古ピアノの場合、長年使い込まれることで独特の深みやキャラクターが生まれていることがあります。これを「エイジング」と呼び、新品にはない魅力となることもあります。

 

        • 品質の安定性: ヤマハピアノは工業製品としての品質が極めて安定しており、将来的なメンテナンスにおいても部品の供給や修理がしやすいという強みがあります。

 

 

店舗での試弾・問い合わせのポイント

        • 試弾する: ピアノ選びにおいて最も重要なのは、実際に自分で鍵盤に触れ、音を出すことです。
            • タッチと反応性: 鍵盤の重さや反応性が自分の手の感覚に合うか、すべての鍵盤が均等に反応するかを確認しましょう。

           

            • 音の質と一貫性: 低音から高音まで音色や音量が均一か、異常な音やノイズがないかを確認します。ペダルを使用したときの音も重要です。

           

            • 自身の演奏スタイルとのマッチング: 普段弾いている曲を演奏してみて、そのピアノが自分の表現したい音楽に合っているかを見極めましょう。

           

           

 

        • 複数のピアノを比較する: 可能であれば、同じモデルや異なるモデル、新品と中古など、複数のピアノを弾き比べてみましょう。その場で好みの音のピアノが見つからなくても、スタッフに具体的なリクエストを伝えることで、最適な一台に出会える可能性が高まります。

 

        • 専門知識を持つスタッフに相談する: ピアノに関する疑問や不安があれば、遠慮なく店員や調律師に質問しましょう。製造年代による音の違いや、メンテナンス履歴、設置場所に関するアドバイスなど、専門家からの情報は非常に参考になります。

 

        • アフターサービス体制の確認: 購入後の調律や修理、その他サポート体制が充実しているかを確認することも大切です。

 

 

プロ・趣味・初めての方それぞれへのアドバイス

        • プロ奏者・音大生: 表現力の幅が広く、繊細なニュアンスを伝えられるグランドピアノが必須となるでしょう。特に、レペティションレバーやシフトペダルの機能は、高度な演奏表現には欠かせません。

 

        • 趣味のユーザー: グランドピアノ・アップライトピアノどちらでも設置の環境やご希望によって選択いただけます。グランドピアノの方が響き、表現力は圧倒的に優れていますが、省スペースでの設置をご希望の際や大きすぎる響きは求めていない方にはアップライトピアノも良い選択肢です。予算や設置スペースに合わせて、音色やタッチが気に入る一台を選びましょう。グランドピアノに響きをできるだけ近づけた高グレードピアノや、消音機能付きのモデルなども検討の価値があります。

 

        • 初めての方・ビギナー: まずは「弾いて楽しい」「心地よい」と感じるピアノを選ぶことが大切です。特に幼少期のお子様には、本物のピアノの豊かな響きを体験させてあげることが、感性豊かな成長に繋がります。価格だけでなく、長く愛用できる品質と、信頼できる販売店選びを心がけましょう。

 

 

まとめ


本記事では、「ヤマハのピアノは1台ごとに音が違う」という個体差の真相に迫り、その要因や具体的な音の違いについて検証しました。製造年代、調律・セッティング、部品の個体差、そして使い込まれ方(エイジング)が複雑に絡み合い、一台一台に独自の個性をもたらしていることが明らかになりました。

検証結果から見えたヤマハピアノの奥深さ

ヤマハピアノは、その高い品質と安定性だけでなく、一台一台が持つ「音の個性」が大きな魅力です。明るく華やかな音色から、落ち着いた深みのある音色まで、多岐にわたる表現力を持ち、演奏者の個性を引き出すパートナーとなり得ます。また、長年の使用によって熟成される音色や、調律師の調整によって変化する響きなど、生きた楽器としての奥深さを再認識できました。

読者へのメッセージ

ピアノ選びは、単に楽器を選ぶだけでなく、未来の音楽生活を豊かにするパートナーを選ぶ大切なプロセスです。プロの演奏家を目指す方、趣味でピアノを楽しむ方、そして初めてピアノに触れるお子様まで、それぞれのニーズに合った「最高の1台」は必ず見つかります。

今回の検証で得られた知見が、皆様のピアノ選びの一助となれば幸いです。ぜひ、実際に店舗に足を運び、たくさんのヤマハピアノに触れ、ご自身の耳と肌でその音の個性を感じ取ってください。そして、信頼できる専門家の意見を参考にしながら、あなたにとっての理想の一台を見つけて、豊かな音楽のある生活を楽しんでください。

 

Grand Piano SALE — 10選


YAMAHA S400B

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はじめに

KAWAI RXシリーズとは?

KAWAI RXシリーズは、1995年にカワイが発表したグランドピアノシリーズです。カワイのフルコンサートグランドピアノ「EX」の技術を基に、家庭や教育現場でも手に取りやすいモデルとして設計されました。その優れた演奏性能と美しい音色は国内外で高く評価されています。2013年から後継のGX BLAKシリーズが登場しましたが、中古市場では現在も多くの支持を集めています。

RXシリーズの歴史と特徴

1995年の登場からGXシリーズへの移行

KAWAI RXシリーズは1995年に登場し、フルコンサートグランドピアノ「EX」の技術を一般向けモデルに取り入れることを目的として開発されました。その結果、高い演奏性能と豊かな表現力を持ち、国内外で多くの評価を得ました。

2004年には、ABS樹脂とカーボンファイバーを組み合わせた新素材が採用され、新たな飛躍を遂げました。これにより、アクションの強度が向上し、操作感や繊細な表現力が格段に改善されています。2013年には後継モデルとなるGX シリーズも登場していますが、RXシリーズは中古市場でも依然として人気を誇ります。

RXシリーズの主要モデル

  • RX-2 (奥行き178cm):音の広がりと響きが特徴で、家庭用や教育施設でも人気のモデルです。
  • RX-3 (奥行き186cm):さらに豊かな音響特性と高い汎用性を備えたモデルで、演奏の多様なシーンに対応します。

これらのモデルは、その時代ごとに改良を重ね、進化を遂げてきました。デザインや外装もその都度ブラッシュアップされ、高級感が追求されています。

RXシリーズが選ばれる理由

機能や外見だけでなく、音色や演奏性能でも一歩抜きんでた存在としてRXシリーズは評価されています。柔らかく深みのある音色、手応えの良いタッチ、そしてデザインの美しさが、多くの演奏者から支持されています。

 

購入のポイント

KAWAI RXシリーズを検討する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 試弾:ピアノのタッチや音色を実際に感じることが重要です。
  • メンテナンスの履歴:適切なケアがなされているかを確認しましょう。
  • 信頼できる販売店を選ぶ:保証やアフターサポートが優れたところを選択しましょう。

厳選モデル紹介

KAWAI(カワイ) RX2A-EU ※プライスダウン中 ← クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ) RX2-CLE ← クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ)RX2G-EU ← クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ)RX2-NEO-PM ←※プライスダウン中 クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ)RX2H ← クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ)RX3A ←※プライスダウン中 クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ)RX3-IT ← クリックで商品ページに飛びます

KAWAI(カワイ)RXA ← クリックで商品ページに飛びます

まとめ

KAWAI RXシリーズは、優れた品質、画期的な技術、そして美しい音色を兼ね備えた一台と言えるでしょう。中古市場でもその人気は根強く、長い間愛され続けているその理由をぜひ体感してみてください。自身に合う一台を見つけることで、音楽とともにさらに豊かな日々が訪れることでしょう。


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ヤマハ・カワイなどの国産ピアノをはじめ、輸入ブランドまで幅広く取り揃えており、あなたのお好みの1台をご紹介いたします!

当社は20年以上の実績、累計150,000台以上の販売実績を誇り、年間10,000台以上の買取・販売(国内外)を行っております。
総在庫は4,000台を超え、常時豊富なラインナップの中からお選びいただけます。

ピアノショールームでは、選び抜かれたピアノを全国のお客様にご提案しています。
ぜひ、圧巻のショールームで「あなただけの1台」をお選びください♪

 

はじめに

なぜ今中古ピアノが選ばれているのか

中古ピアノは、新品に比べて手頃な価格で購入できる点が大きな魅力です。特に、ピアノを習い始めるお子様や、趣味でピアノを楽しみたい大人の方にとって、手の届きやすい価格は大きなメリットとなります。また、中古市場には質の良い年代のモデルや希少価値の高いピアノも多く出回っており、適切なメンテナンスが施されていれば、高い性能を発揮し、長く楽しめる一台を見つけることも可能です。

中古ピアノでよくある後悔エピソード

想像と違った音色だった

中古ピアノの購入でよくある後悔の一つが、「想像と違った音色だった」というケースです。ピアノは一台ごとに音色やタッチが異なり、前オーナーの使用状況や保管環境によっても状態が大きく変わります。インターネット通販などで試弾せずに購入すると、届いてから「弾きたかった曲の仕上がりが全然変わってしまった」「響きが悪く、ハンマーが劣化しているのかもしれない」といった後悔に繋がることがあります。ピアノは木材を多く使用しているため、年数を経ることで音の響きが安定するというメリットもありますが、整音がされていない劣化が進んだ場合は音色が硬くなることもあります。

設置スペースが合わなかった

「設置スペースが合わなかった」という後悔も少なくありません。特にアップライトピアノの場合、高さ121cm、幅150cm、奥行き60cm程度のものが一般的ですが、グランドピアノとなると奥行きが1.5m以上になることもあります。購入前に設置場所だけでなく、玄関やエレベーター、廊下などの搬入経路を事前に確認することが非常に重要です。「気に入ったピアノを見つけたのに、入らずもう一度選び直しになった!」といったトラブルを避けるためにも、事前にサイズを測っておきましょう。

またグランドギャラリーではご契約者様は通常3,300円(※地域により変動がございます。予めご了承ください。)のお下見料が無料でお下見可能となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

維持費・メンテナンス費用が思ったよりかかった

中古ピアノは購入費用を抑えられる一方で、「維持費やメンテナンス費用が思ったよりかかった」という声も聞かれます。中古ピアノは消耗部品が劣化している可能性があり、購入後にハンマーや弦、フェルトなどの交換や修理が必要になることがあります。これらの修理費用は高額になることもあり、「購入費用を抑えたはずがかえって割高になった」と後悔するケースもあります。また、ピアノはデリケートな楽器のため、年に一度の調律も欠かせません。

グランドギャラリーでは、併設している工房にて基準値以下の消耗品パーツについては交換を行い、状態のいいパーツについては丁寧に整備・調整を行うことで皆様にご安心いただける品質を保っております。

消耗品パーツの基準値については下記をご覧ください。

すぐに壊れてしまった・保証に不満があった

中古ピアノの購入で「すぐに壊れてしまった」「保証に不満があった」という失敗談もあります。特にネットオークションやフリマアプリで購入した場合、保証やアフターサービスがついていないことが多く、トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。ピアノは専門知識が必要な楽器であり、適切なメンテナンスがされていない状態で販売されていることもあります。購入後に故障が見つかっても、保証がないために高額な修理費用を自己負担しなければならない事態も起こり得ます。

安心して選べる中古ピアノ店選びを心掛けることでこのリスクを大幅に減らせるため、きちんと相談できる中古ピアノ店を選びましょう。

中古ピアノ選びのチェックポイント

気に入る音色かを確認する

中古ピアノを選ぶ上で最も大切なのは、自分が気に入る音色かどうかを実際に確認することです。同じ機種のピアノでも一台ごとに音色やタッチが異なるため、必ず試弾をして、様々な雰囲気の曲を弾いてみましょう。強い打鍵と繊細な打鍵を比べて、音の伸びや響き、雑音の有無などを確認してください。

サイズ・設置場所・搬入経路を事前にチェック

ピアノの購入を決める前に、設置場所と搬入経路を事前に確認しましょう。設置場所のスペースを測り、搬入経路(玄関、廊下、エレベーターなど)の幅も確認し、ピアノのサイズが問題なく搬入できるかシミュレーションしておくと安心です。

試弾のコツ(曲やタッチのバリエーションで確かめる)

試弾をする際は、単音だけでなく和音や、様々な雰囲気の曲を弾いてみることが重要です。フォルテッシモ(ff)とピアニッシモ(pp)の限界で弾いたときの反応や、鍵盤のタッチが重すぎないか、連打がスムーズにできるかなども確認しましょう。これにより、ピアノの表現力や弾き心地を総合的に評価できます。

メンテナンス性確認

購入後のトラブルを避けるためにも、メンテナンス、保証が充実している販売店を選ぶことが大切です。

またメンテナンスのしやすさで選ぶ場合は、国産ピアノの方がおすすめです。国産ピアノと輸入ピアノでは、部品の取り寄せや適している湿温度などの扱いやすさが異なるため、メンテナンスの仕方についても確認しておきましょう。
ただし輸入ピアノはこだわって作られたハンドクラフトモデルが多いため、上質で豊かな響きや音色を奏でるピアノが多く存在します。お好みの音色やタッチなどと相談して検討してみてください。

お好みの音色・タッチがどのピアノかを踏まえたうえで、お迎え後のイメージもしておくと安心です。

価格とコストのリアル

安さだけで選ぶリスク

安すぎる中古ピアノには注意が必要です。あまりに安価なピアノは、内部の調整や消耗部品の交換が省略されている可能性が高く、購入後に思わぬ不具合や高額な修理費用が発生することがあります。例えば、製造から50年以上経過したピアノは、状態によっては大きな修理が必要になることもあります。価格の安さだけで判断せず、そのピアノの状態やメンテナンス履歴を含めた総合的な価値で安心できるピアノなのかどうか検討しましょう。

メンテナンスや調律など、継続費用の注意点

ピアノは購入後も定期的なメンテナンスが必要です。調律は年に一度が目安とされており、費用がかかります。また、湿度や温度の変化に敏感な楽器のため、適切な環境管理も重要です。エアコンの風が直接当たったり、床暖房のある場所は避け、夏は35~65%、冬は40~70%の湿度を保つことが理想です。これらの継続費用や環境管理の手間も考慮し、長期的な視点でコストを把握しておくことが重要です。

良い中古ピアノ販売店の選び方

専門スタッフがいる店舗を選ぼう

中古ピアノ販売店を選ぶ際は、ピアノの専門知識を持ったスタッフが常駐している店舗を選びましょう。特に、修理ができる職人や経験豊富な調律師がいる店舗は信頼できます。彼らはピアノの中身をすべて把握しており、良いピアノと悪いピアノを正しく判断してくれます。ピアノの状態や修理内容、今後のメンテナンスについて疑問があれば、遠慮なく質問し、納得のいく説明が得られるかを確認しましょう。

試弾・弾き比べができるショールームが安心

多くのピアノを実際に試弾し、弾き比べができるショールームがある店舗がおすすめです。中古ピアノは一台ごとに個性があるため、実際に触れて音色やタッチの違いを確認することが非常に重要です。たとえピアノが弾けなくても、スタッフに弾いてもらい、音色の違いを聞き比べることで、好みのピアノを見つけやすくなります。展示台数が100台以上あるような店舗であれば、豊富な選択肢の中から自分に合った一台を探せるでしょう。

失敗しない!中古ピアノの選び方実践ガイド

外装・内部の状態、製造番号・整備履歴の確認方法

購入するピアノの外装に大きな傷や凹み、塗装の剥がれがないか、多角的に確認しましょう。内部については、蓋を開けて響板にひび割れや駒の沈下がないか、ガタつきがないか、ペダルに違和感がないかなどをチェックします。弦や金属部分のサビ、フェルトやクロスの摩耗・虫食いなども確認し、疑問点があれば必ず販売店のスタッフに質問しましょう。

具体的な購入ステップとポイント

  1. 販売店選び: 専門スタッフがいて試弾・弾き比べができるショールームがある、信頼できる販売店をいくつか選びます。
  2. 実物確認と試弾: 実際に店舗へ足を運び、複数のピアノを試弾して音色やタッチを比較します。この際、外装・内部の状態、製造番号等、気になる点は全て質問しましょう。
  3. アフターサービスの確認: 保証期間、調律や修理などのアフターサービスの内容、対応範囲(出張費など)を明確に確認します。
  4. 契約・購入: 納得できる一台が見つかったら、契約内容を十分に理解した上で購入します。

実際の体験談・ケーススタディ

後悔しないためのリアルな失敗談とその対策

  • 失敗談1: 見た目だけで選んだら内部が劣化していた「外装が綺麗だったので内部も問題ないだろうと思い購入。しかし、後で調律師に見てもらうとフェルトが薄く鍵盤の重さがバラバラで、修理に高額な費用がかかった。」

    • 対策: 外見だけでなく、内部の状態を詳しく説明してくれる販売店を選び、必要であれば分解して確認させてもらいましょう。修理・調整の専門技術があるかどうかも重要です。

  • 失敗談2: 設置場所に合わず搬入に苦労した「ピアノのサイズを測ったものの、搬入経路の幅を考慮していなかったため、クレーンで搬入ができず、ピアノの選び直しになった。」

    • 対策:  ピアノ本体のサイズだけでなく、設置予定の部屋までの玄関、廊下、階段、エレベーターなどの搬入経路の幅や高さを事前に正確に測定し、販売店にも相談しましょう。
  • 失敗談3: 維持費が予想以上にかかった「中古ピアノは安く買えたが、年間の調律費用や突然の修理費用が予想以上にかかり、結局新品と変わらないくらいの出費になった。」

    • 対策:  購入前に維持費やメンテナンスの頻度、おおよその費用について販売店に確認しましょう。長期保証や初回調律無料などのアフターサービスが充実度合や、購入時のピアノの状態が保証できるような中古ピアノの修理工房が充実している店舗を選ぶことも重要です。

成功例に学ぶ、理想の一台と出会うコツ

  • 成功例1: 時間をかけて試弾し、運命の一台に出会った「ブランド・価格帯など様々な条件のピアノをたくさん弾き比べた。予算は少しオーバーしたが、心から気に入った音色とタッチのピアノに出会え、毎日の練習が楽しい。」

    • コツ:  焦らず時間をかけて多くのピアノを試弾し、自分の好みやフィーリングに合う一台を探すことが大切です。多少予算オーバーでも、長期的に見て満足できるかどうかが重要です。
  • 成功例2: 専門家のアドバイスを受け、安心して購入できた「ピアノの知識がなかったので、信頼できるピアノ販売スタッフがいる販売店を選び、徹底的に相談した。内部の状態やメンテナンス計画、保証内容まで詳しく説明してくれたので、安心して購入できた。」

    • コツ: 専門知識を持ったスタッフがいる販売店を選び、疑問点は全て解消するまで質問しましょう。購入後のサポート体制も重視することで、長く安心してピアノを楽しめます。

まとめ

よくある後悔を防ぐために覚えておきたいこと

中古ピアノの購入で後悔しないためには、以下のポイントを心に留めておきましょう。

  • 試弾は必須: 実際に弾いて音色やタッチを確認することが何よりも重要です。
  • サイズと搬入経路の確認: 設置場所だけでなく、家の中への搬入経路を事前に測っておきましょう。
  • 品質とメンテナンス履歴の確認: 外見だけでなく、内部の状態や過去の整備履歴を詳しく確認し、不明な点は専門スタッフに質問しましょう。
  • 保証とアフターサービスの充実: 購入後の調律や修理など、長期的なサポート体制が整っている販売店を選びましょう。
  • 価格だけで判断しない: 安さだけでなく、ピアノの状態を含めた総合的な価値を判断することが重要です。

初心者やお子様がピアノを始めた親御さん、大人こそ「納得の一台」を選ぼう

初心者やお子様がピアノを始めた親御さん、趣味目的でピアノを始める大人の方にとって、中古ピアノは魅力的な選択肢です。しかし、新品とは異なるリスクも存在します。だからこそ、価格だけでなく、気に入った音色、設置場所の適合性、そして購入後のメンテナンスのしやすさを重視し、「納得の一台」を選ぶことが大切です。信頼できる販売店と出会い、十分な情報収集と確認を行うことで、後悔のない素晴らしいピアノライフを送ることができるでしょう。

 

はじめに

“音の透明感”とは何か


ピアノの音色を形容する言葉は数多くありますが、中でも「透明感」という表現は、多くのピアノ愛好家や演奏家が求める理想的な響きの一つです。この「音の透明感」とは一体どのような状態を指すのでしょうか。

透明感のある音とは、一つ一つの音がクリアに聞こえ、和音が濁らず、まるでクリスタルグラスを叩いたかのような澄んだ響きを持つ音色を指します。演奏者が意図した音色が聴き手にも明確に伝わることでもあり、高い集中力と繊細な表現が求められるピアノ演奏において非常に重要な要素です。

ピアノの構造と音の伝わり方

弦・響板・ハンマー基本構造の紹介

ピアノは鍵盤を弾くことで音を出す複雑なメカニズムを持っています。その中でも「弦」「響板」「ハンマー」は音を生むための重要な部品です。

鍵盤を押すと、ハンマーが弦を叩き、弦が振動して音が生まれます。この小さな振動を増幅し、空間に響かせるのが「響板」の役割です。弦の振動は響板に伝えられ、響板全体が共振することで私たちが耳にする豊かなピアノの音となります。

透明感の正体―響板・弦・ハンマーの科学

音の透明感を生む響板の働き


ピアノの音の透明感は響板に深く関わっています。木製の響板は、弦から伝わるノイズ成分を適度に取り除き、美しい倍音成分を増幅します。「クラウン」と呼ばれるわずかな曲面が響板に弾力をもたらし、豊かな共鳴を生み出します。

また、響棒が響板の木目と直角になるように取り付けられており、この配置によって共鳴効果と構造的な耐久性が向上しています。

弦と音色の関係


ピアノの弦は音色に大きな影響を与えます。高音域では細い弦、低音域では太く長い弦が使われ、低音域弦は銅線を巻いた構造になっています。この構造により幅広い音域と豊かな響きが実現します。

弦による総張力は約20トンにも及び、全体のバランスが音の安定性や色彩に大きく寄与します。

ハンマーの役割


ハンマーの形状やフェルトの硬度は、音のニュアンスに影響を与えます。フェルトが柔らかい部分で弦を叩くと柔らかい音が生まれ、硬い部分で叩くと鋭い音になります。

熟練した調律師によるフェルトの調整(整音)は、音色全体のバランスを整え、表現力を高める上で重要です。

透明感が表現される音響的特徴

評価基準

「音の透明感」という要素は主観的ではあるものの、以下の特徴で説明できます。

  • ・明瞭な一音一音の粒立ち。
  • ・混濁のない和音。
  • ・豊かな倍音を含む奥行きのある響き。

これらはピアノの構造や調律、演奏者のタッチの複合的な要因によって生み出されます。

タッチ・奏法と音の透明感

タッチ(押し方・弾き方)が与える影響


演奏者のタッチはピアノの音に大きな影響を与えます。鍵盤の押し方がハンマーの動きを変え、それが倍音成分に影響を及ぼすのです。

  • 柔らかいタッチではハンマーの柔らかい部分が弦に触れ、優しく温かみのある音色を生み出します。
  • 鋭いタッチでは倍音豊かな明瞭な音を生み出します。

プロのピアニストはこれを熟知し、場面に応じたタッチを駆使して多彩な音色表現を行っています。

調律師からのアドバイス

メンテナンスの重要性

日常のメンテナンスと調律はピアノの音の透明感を保つための鍵です。定期的な調律により音程を正し、音色を維持することができます。

湿度管理など適切な環境設定も、ピアノの状態と寿命に直結します。響板の割れや響棒の剥がれを防ぎ、長期間にわたって安定した音色を提供します。

調律作業のポイント

調律には「整調」「整音」が含まれ、これらによって鍵盤のタッチ感や音色の均一性が整えられます。特に小型ピアノでは調律師の技量がその性能を大きく左右します。

ピアノの寿命と音色

適切なメンテナンスが行われればピアノは80年以上の寿命を持つこともあります。長年使用することで音色が熟成され、より魅力的な響きを得られる場合があります。

まとめ

調律師視点で“音の透明感”を考える

ピアノの「音の透明感」は、響板、弦、ハンマーといった部品が巧みに組み合わさって生まれるものです。それを引き出すのは、調律師の技術と感性が大きな役割を担います。

演奏者のタッチや奏法は音をさらに磨き上げ、聴き手に感動を与える音色を届けます。

ピアノをもっと楽しむために

  • ・ピアノの構造を理解することでより深い関係を築けます。
  • ・定期的な調律と適切な環境設定により性能を維持しましょう。
  • ・自分らしい音色を見つけるため、タッチや奏法を試してみましょう。
  • ・信頼できる調律師との関係を築くことも大切です。

ピアノの「音の透明感」は偶然に生まれるものではなく、多くの努力と感性が結びついて実現します。これらを通じて、あなたのピアノライフがさらに豊かなものになることを願っています。

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はじめに

本記事の目的

ピアノの購入を検討している方の中には、価格を理由に中古ピアノを視野に入れているものの、その品質や寿命に対して不安を感じている方も少なくありません。本記事では、30年前のヤマハやカワイの中古ピアノが現在でも使用可能であるか、そして「長持ちするピアノ」を見極めるための条件について、専門家の視点から詳しく解説します。中古ピアノ購入における心理的なハードルを下げ、安心して長く使える一台を見つけるための情報を提供することを目的としています。

30年前のヤマハ&カワイ中古ピアノの“寿命”と特徴

アップライトピアノ/グランドピアノとは


ピアノには大きく分けて、壁際に設置する縦型の「アップライトピアノ」と、弦が水平に張られた「グランドピアノ」の2種類があります。アップライトピアノは省スペースで設置しやすく、一般家庭で広く普及しています。一方、グランドピアノは弦が長く響板も広いため、より豊かな音量と多彩な表現力を持ち、コンサートホールや専門家によく選ばれます。

ピアノの寿命を左右する主な要素

ピアノの寿命は、一般的に30年から100年以上とされており、「半永久的に使える楽器」とも言われます。しかし、これは適切なメンテナンスと良好な使用環境が保たれている場合です。ピアノの寿命を左右する主な要素は以下の通りです。

    • 製造メーカーと品質: 信頼できる大手メーカー製であるか、使用されている材料の品質が高いか。

 

    • 使用環境: 湿度や温度の変化が激しい場所、直射日光が当たる場所は木材の劣化や金属のサビを引き起こし、寿命を縮める原因となります。

 

    • 使用頻度: 毎日長時間演奏するピアノと、年に数回しか弾かないピアノでは、部品の消耗度が大きく異なります。

 

    • メンテナンス状況: 定期的な調律や修理、部品交換が行われているかどうかは、ピアノの寿命を大きく左右します。

 

ヤマハ・カワイ中古ピアノの特徴

ヤマハとカワイは、日本が世界に誇る2大ピアノメーカーであり、どちらも高い品質を誇ります。

    • ヤマハピアノ: 全般的に明るく煌びやかな音色と軽快なタッチが特徴です。特に昭和30年代から50年代のアップライトピアノは、現行の新品よりも良い音やタッチを持つものが多いと評価されています。

    • カワイピアノ: 落ち着いたまろやかな音色と重めのタッチが特徴です。早くからアクションにプラスチック素材を取り入れていますが、スティック(アクションの動きが悪くなる症状)の発生には湿度管理が重要になります。

 

30年前のヤマハ・カワイのピアノも、適切な手入れがされていれば現役で十分使えるものが多いのが実情です。

使用状況と置かれていた環境がもたらす影響

使用頻度による消耗度の違い


ピアノの部品は使用すればするほど消耗します。特にハンマーやフェルト、弦といった部分は、演奏頻度と強さに比例して劣化が進みます。

例:小学生が1日1時間練習した場合

例えば、小学生が1日1時間程度ピアノを練習するような家庭での使用頻度であれば、消耗の度合いは比較的緩やかです。しかし、同じ1年でも音大生が毎日数時間、高度な練習で激しく弾き込む場合とは、部品の消耗度が大きく異なります。調律師によれば、毎日5時間練習を5年間続ければ、何らかの不具合が出てくる可能性があるとのことです。長期間使用する中で、ハンマーのフェルトが硬くなったり、弦に溝が深く入ったりすることで音色が悪くなることがあります。その際は調律師へご相談いただき、部品の調整や交換を行っていただきます。

設置環境(湿度・温度・直射日光など)の重要性

ピアノは木材、フェルト、金属など多様な天然素材で構成されているため、湿度や温度の変化に非常に敏感な楽器です。

    • 湿度: 理想的な湿度は40〜60%程度。湿気が高すぎると木材やフェルトが膨張し、鍵盤の動きが悪くなったり、金属部分にサビが発生したりします。カビの発生原因にもなります。逆に乾燥しすぎると、木材が収縮してひび割れや部品のゆるみが生じ、雑音の原因となることがあります。

 

    • 温度: 理想的な温度は15〜25℃程度。急激な温度変化はピアノに大きな負担をかけ、音程の狂いや部品の劣化につながります。

 

    • 直射日光: 直射日光が当たる場所に設置すると、外装の変色や木材の反り、ひび割れの原因となります。

 

    • 空調の風: エアコンや暖房器具の風が直接当たる場所も、乾燥や結露の原因となるため避けるべきです。

 

人が快適と感じる環境が、ピアノにとっても最適な環境と言えるでしょう。設置場所は直射日光が当たらず、風通しが良く、湿度・温度が一定に保たれる場所を選ぶことが重要です。

中古ピアノの「長持ち」の条件

長持ちするピアノ選びのポイント

長持ちする中古ピアノを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。

    • 信頼できる販売店を選ぶ: 中古ピアノは個体差が大きいため、しっかりとしたメンテナンスを行う技術者が在籍し、アフターフォローが充実している販売店を選ぶことが最も重要です。修理工房を併設している店舗であれば、より安心です。

 

    • 響板とフレームのチェック: 音を響かせる重要な「響板」にひび割れや駒の沈下がないか、また「フレーム(金属プレート)」に折れやひび割れがないかは、楽器として致命的な欠陥となるため、必ず確認しましょう。

 

    • 鍵盤のチェック: 鍵盤の高さが揃っているか、横揺れがないか、スムーズに動くかを確かめます。

 

    • ペダルのチェック: ペダルを踏んだ時にガタつきがないか、適切に機能するかを確認します。

 

    • 音色とタッチ感の確認: 実際に試弾してみて、自分好みの音色と弾き心地であるかを確認することが大切です。弾けない場合はスタッフに弾いてもらいましょう。

 

調律・オーバーホール・部品交換の実例

ピアノは適切に手入れをすれば100年以上使えると言われる丈夫な楽器です。しかし、ハンマーや弦、フェルト類などの消耗部品は耐用年数がくれば交換が必要です。

    • 調律: ピアノの弦は約230本あり、それぞれ約90kgの張力で張られています。この張力は時間とともに緩むため、少なくとも年に1回は調律が必要です。調律は音程を合わせるだけでなく、ピアノの健康診断としての役割も果たします。

 

    • 部品交換: ヤマハのアップライトピアノでは、フレンジコードやブライドルテープといった部品が経年劣化で切れたりひび割れたりすることがあります。カワイのアップライトピアノでは、バットスキンやキャッチャースキンといった人工皮革部品が劣化しやすく、質の良い本革への交換が推奨されます。これらの部品は、交換することでタッチ感や音色を改善し、演奏性を高めます。

 

    • オーバーホール: ピン(弦を巻く部品)が緩んで調律不能になった場合や、ハンマーの劣化が著しい場合などには、ピンや弦、ハンマー、フェルト類などの主要部品を全て交換するオーバーホールが必要になります。これにより、新品に近い状態に回復させることが可能です。費用はアップライトピアノで50万円から60万円以上が目安となります。

 

メンテナンスの実際と専門家現場のこだわり

1年に1回の調律や消耗パーツ交換の必要性


ピアノを最適な状態で維持するためには、1年に1回の調律が基本です。演奏頻度が高い場合や、湿度・温度の変化が激しい環境では、年2回以上の調律が推奨されます。調律は、単に音程を合わせるだけでなく、「整調(アクションメカニズムの調整)」と「整音(ハンマーの音色調整)」という、ピアノの性能を最大限に引き出すための重要な作業を含んでいます。これらの作業を怠ると、音色やタッチが悪くなり、演奏の質が低下するだけでなく、部品の劣化を早めることにもつながります。消耗パーツは、基準値に満たないものは交換することで、快適な演奏性を保てます。

グランドギャラリーの整備基準について


グランドギャラリーでは、すべての中古ピアノを自社工房でメーカー品質のメンテナンスを行っています。厳しい基準のもと検品を行い、状態の良いピアノを選別し、修理・調整・展示しています。基準値以下の部品は交換し、基準に満ちているものはオリジナルパーツを大切に使用することで、ピアノ本来の個性や魅力を引き出すことにこだわっています。

調律師や修理現場のエピソード

多くの調律師は、昔の日本のピアノ、特に昭和時代に製造されたヤマハやカワイのアップライトピアノは、現在の新品よりも良い音やタッチを持つものが多いと感じています。当時は良質な木材が使われており、熟練工による手作業の要素が大きかったため、ピアノそのものの作りがしっかりしているという見方があります。しかし、経年による部品の劣化は避けられないため、適切な修理と調整が不可欠です。

例えば、ヤマハの古いアップライトピアノに特有のフレンジコードの劣化は、多くの調律師が交換を推奨する箇所です。また、カワイのプラスチックアクションにおけるスティック現象は、湿度管理が不十分な環境で発生しやすい問題です。調律師は、これらの個々のピアノが抱える問題点を見極め、それぞれのピアノのポテンシャルを最大限に引き出すために日々努力しています。

中古ピアノ購入前に知っておきたい注意点と安心材料

新品・中古の比較と選び方

  • 新品ピアノのメリット・デメリット:
      • メリット: 部品が全て新しいため故障のリスクが低く、長持ちします。メーカー保証がつき、購入後の安心感があります。デザインのバリエーションも豊富です。また、弾き込むことで自分好みの音色に育てる楽しみがあります。

     

      • デメリット: 中古に比べて価格が高くなります。音質が安定するまでに1〜3年程度の弾き込みが必要な場合があります。

     

  • 中古ピアノのメリット・デメリット:
      • メリット: 新品より低価格で購入できるため、予算を抑えられます。高品質な材料を使った年代のモデルや希少価値の高いピアノに出会える可能性があります。すでに木材が熟成され、安定した音色を楽しめることが多いです。

     

      • デメリット: 部品が損傷・劣化している可能性があり、購入後に高額な修理費用がかかるリスクがあります。購入前にきちんとピアノの状態をみて確認しておきましょう。また前のオーナーの弾き癖が残っていることがあります。

     

どちらを選ぶかは、予算、重視するポイント(音色、タッチ、デザイン、保証など)、そして何よりも「実際に弾いてみて、自分にしっくりくるかどうか」で判断することが大切です。

買い替え判断や修理費用の目安

    • 修理の判断基準: 音が出ない、鍵盤の戻りが悪い、異音がするなどの不具合がある場合、調整・修理が必要です。特に、響板やフレームに致命的な欠陥がない限り、どんなに古いピアノでも修理不能なケースはほとんどありません。

 

    • 修理費用の目安:
        • 軽度な修理・調律: 毎日弾いているピアノの調律費用は年間1万円以上が目安です。長期間放置されていたピアノの調律は、放置年数に応じて基本料金が設定され、部品交換などが必要な場合は追加費用がかかります。

       

        • オーバーホール: 弦やハンマー、フェルト類など主要部品の全交換を含む大規模な修理は、数十万円(アップライトで50〜60万円以上、グランドで120万円以上)かかることがあります。

       

        • 部分的な修理: 例えば、ヤマハのフレンジコードやカワイの人工皮革部品の交換など、特定の消耗部品の交換であれば、数万円から十数万円程度で済むことが多いです。

       

    • 買い替えのタイミング: 電子ピアノと異なり、アコースティックピアノは適切にメンテナンスすれば長く使えるため、「何年で買い替えるべき」という明確な基準はありません。しかし、大幅な修理費用がかかる場合や、現在のピアノの状態に不満がある場合は、買い替えを検討する良い機会となるでしょう。

 

中古でも安心できる理由

    • 専門家による整備: 信頼できる中古ピアノ販売店では、ピアノの専門家(修理職人やベテラン調律師)が1台1台丁寧に点検し、必要な修理や調整を行ってから販売しています。これにより、見た目はもちろん、内部の状態も安心できるレベルに引き上げられています。

 

    • メンテナンス履歴の開示: 整備の履歴を明確に提示している販売店であれば、どのような作業が行われたかを知ることができ、透明性が高いです。

 

    • 充実したアフターサービス: 購入後の保証期間や調律、修理への対応など、アフターサービスが充実している販売店を選ぶことで、長期的に安心してピアノを使用できます。

 

まとめ・安心して中古ピアノを選ぶために

専門家からのアドバイス

30年前のヤマハやカワイの中古ピアノでも、適切なメンテナンスが施されていれば十分に長く使える「良いピアノ」です。特に、昭和の時代に作られた国産ピアノは、良質な木材が使われており、楽器としてのポテンシャルが高いものが多いと評価されています。

中古ピアノ選びで最も大切なのは、「信頼できる販売店」を選ぶことです。豊富な在庫の中から、経験豊富な技術者が丁寧に整備・調整したピアノを選び、購入後のアフターサービスまで含めて相談できる場所を見つけることが成功の鍵となります。

読者へのメッセージ

中古ピアノの購入は、新品にはない「熟成された音色」や「コストパフォーマンスの高さ」といった魅力があります。不安を感じるかもしれませんが、本記事で解説した「長持ちするピアノの条件」や「チェックポイント」を参考に、ご自身の耳と感性を信じて、じっくりと納得のいく一台を探してみてください。

ピアノは、弾き込むほどに自分だけの音色を奏で、愛着が湧いてくる特別な楽器です。適切な手入れをすれば、あなただけでなく、次世代へと受け継ぐこともできるでしょう。中古ピアノでも安心して、素晴らしいピアノライフを送ってください。

 

はじめに

アップライトピアノを家庭用で選ぶ理由


アップライトピアノは、そのコンパクトさから家庭での設置に適しており、電子ピアノでは得られない豊かな音色と繊細なタッチが魅力です。ご家庭で演奏を楽しむ上で、生きた音の響きと伸びを実感できるのがアップライトピアノの大きな利点です。日常の中で美しい音色を奏でたいと考える方に特に最適です。

ヤマハU/UXシリーズの魅力とは

ヤマハのUシリーズとUXシリーズは、中古ピアノ市場で非常に高い人気を誇るアップライトピアノです。これらのシリーズは、その優れた音質、安定した品質、そしてコストパフォーマンスの良さから、多くのピアノ愛好家や専門家から支持されています。特に、後述する設計上の特徴が、その豊かな響きと耐久性を生み出しています。

ヤマハUシリーズ・UXシリーズの基本と設計の違い

Uシリーズ概要と設計の特徴

Uシリーズは、1954年から1997年までの長きにわたり製造され、ヤマハのアップライトピアノの中で最も売れたシリーズの一つと言われています。U3Hといった3型では高さが131cmと大型であり、その大きな響鳴板と長い弦によって、低音部の豊かな伸びと重厚な響きに定評があります。また、アンダーフェルト入りハンマーを搭載しているモデルが多く、小さな音から大きな音まで表現豊かな演奏が可能です。

アルファベットによる年代・モデルの違い

U3シリーズの機種名には、U3H、U3M、U3Aのように、数字の後にアルファベットが続く規則性があります。このアルファベットは製造年代を示しており、初期のモデルからU3a、U3B、U3C、U3D、U3E、U3F、U3G、U3H、U3M、そして後期のU3A、U30Bl、U30A、U300と変遷していきました。特にU3Aは初期と後期で2回登場しており、初期のU3aは2本ペダル、後期のU3Aは3本ペダルで区別できます。

UXシリーズ概要と設計の特徴

UXシリーズは、1975年から1997年にかけて製造されたヤマハの高級アップライトピアノです。このシリーズの最大の特徴は、U3A、U30Bl、U30A、U300背面構造に採用されたX型の支柱「X支柱」です。X支柱は、ピアノの弦が張る約20トンもの張力を強固に支え、ピアノ全体の安定性を高めることで、輝きのある音色を長く維持することを可能にしています。

X支柱構造がもたらす効果

X支柱は、通常の縦方向に張られた4〜5本の支柱とは異なり、交差するように設計されています。これにより、弦の張力と響板のクラウン(響板の反り)をより強力に支え、ピアノの耐久性を向上させます。結果として、無理のない艶やかな音色が生まれ、音量が大きくなり、安定した豊かな響きを実現します。

代表的なUXシリーズ機種・年代・バリエーション

UXシリーズも年代によって様々なモデルが存在します。

UXシリーズは、UX30や3といった数字が3の機種は高さが131㎝、UX10やUX1といった数字が1の機種は高さが120㎝と分類されます。

またUX50やUX5といった5の数字の機種は、そのシリーズの中で最も高グレードで、主にソステヌートペダルや総アグラフ仕様が追加されていることが多いです。

今回は特に中古市場に登場するピアノをピックアップして紹介します。

    • UX3:UXの後継モデルとして登場し、X支柱による安定性と豊かな響きが特徴です。

 

    • UX30Bl:1988年代に製造されたモデルで、高さ131cmと小柄ながらダイナミックな音量を奏で、繊細な表現力も持ち合わせています。

 

    • UX30A:1990年から製造されたモデルで、このシリーズから「交叉状X支柱」という、従来のX支柱に縦支柱も追加された支柱が採用されるようになり、より芯のあるクリアな音色が実現されました。

 

    • UX300:UXシリーズの末期(1990年代後半)のモデルで、アグラフやオーバーハング式長駒、大型譜面台などを継承し、伸びのある美しい音色を約束します。UX300Wnのような木目調のバリエーションも存在しました。

 

 

音質の違いと「音の伸び」に注目

響きの重厚感や明るさの違い

U3シリーズは、その大きな響板と長い弦からくる、低音の重厚な響きと全体的な明るい音色が特徴です。一方、UXシリーズは、X支柱による高い安定性が、倍音豊かな深みのある響きと輝かしい音色をもたらします。X支柱は音の広がり感にも寄与し、より重厚感のある響きを感じられるでしょう。

家庭用で楽しむ「音の伸び」と響き

ご家庭でピアノを演奏する上で重要な「音の伸び」において、U3シリーズは131cmの高さと広い響板により、自然で豊かな響きと持続性を実現します。UXシリーズはX支柱による安定性と、トーンエスケープ機構(上前板の隙間から音が抜ける仕組み)などにより、演奏者にとって音がクリアに聞こえ、より伸びやかでまとまりのある音色を楽しむことができます。これは、限られた家庭の空間で最高の演奏体験を求める方に適しています。

一般的な演奏用途での優劣比較

一般的な家庭での演奏やレッスン用途であれば、U3シリーズ、UXシリーズともに十分な性能を持っています。U3シリーズはバランスの取れた音色とタッチで、初心者から上級者まで幅広く対応できる「ど定番」のモデルで、比較的安価にお求めいただけます。UXシリーズは、X支柱やトーンエスケープ、上位機種ではアグラフやソステヌートペダルといったグランドピアノに近い仕様が採用されており、より表現力豊かな演奏を求める方に特におすすめです。

中古U3・UXシリーズ選びのポイント

状態・年代による違い

中古ピアノを選ぶ上で、最も重要なのはピアノの状態です。製造年代が古いほど部品の劣化が進んでいる可能性があるため、信頼できる販売店でしっかりと整備されたものを選ぶことが肝要です。U3HやUXシリーズは製造年代が古いものが多いですが、適切なメンテナンスが施されていれば長く愛用できます。

アグラフやソステヌートペダルなど上位機種の特徴

UXシリーズの一部機種(UX5、UX50BL、UX30A、UX50A、WX3A、UX300、UX500など)には、グランドピアノに採用されるアグラフが中低音部に搭載されており、弦の振動を効率良く伝え、音の粒立ちを均一にする効果があります。また、UX5、UX50BL、UX50A、WX5、UX500には、グランドピアノと同じソステヌートペダルが搭載されており、特定の音だけを長く伸ばす表現が可能です。これらの特徴は、より高度な演奏表現を求める方にとって魅力的なポイントとなるでしょう。

メンテナンス性・耐久性と設置場所の注意点

X支柱を持つUXシリーズは、その堅牢な構造により耐久性が高いと評価されています。しかし、どんなピアノも定期的な調律とメンテナンスは不可欠です。設置場所については、直射日光が当たる場所や極端な温度・湿度の変化がある場所は避け、ピアノのコンディションを保つことが大切です。特に木目調のピアノは日焼けしやすいので注意が必要です。

U3・UXで選ぶおすすめ人気モデル紹介

U3シリーズオススメモデル

U3シリーズは長期間にわたり製造されてきたため、多岐にわたるモデルが存在しますが、その中でも後期に登場したU3Hが特におすすめです。

U3H

    • 1972年〜1980年まで製造されたロングセラーモデルで、低音から高音までバランスの取れた響きと優れたコストパフォーマンスで非常に人気があります。

 

 

UXシリーズのオススメモデル

UXシリーズはX支柱による高い品質で知られています。木材を多く使用する複雑な仕様のため、当時から人気を博し、惜しまれつつもなくなったシリーズの一つです。

グランドピアノを目指した高グレードのピアノまで登場しており、スペース的にグランドピアノが置けない方にもオススメできるモデルです。

UX30Bl、UX50A・UX300等

    • UX30Bl:高さ131㎝、大型譜面台、トーンエスケープ付きと、申し分ない響きを出してくれます。この仕組みが採用されてすぐのモデルのため、このグレードながらも中古市場では比較的お手軽にお求めいただけることも魅力の一つです。

 

 

    • UX50A:1990年代にベストセラーとなった当時のハイグレードモデルです。特にグランドピアノを目指したモデルで、大型譜面台、ソステヌートペダルや総アグラフ仕様などが追加されることでより重厚感あふれる響きを実現しました。

 

 

    • UX300:UXシリーズ末期のモデルで「交叉状X支柱」も最終形態に改良されているモデルです。音の響きやクリアで伸びの良い音色は今でも高い人気を誇っています。またUX300Wnのような木目調モデルも登場しており、インテリアにも合わせやすいラインナップのピアノです。

 

 

特におすすめの中古モデル例とその理由

家庭用として、初めてのピアノ購入やレッスン用にとお考えの方に特におすすめなのは、U3HとUX3です。

    • U3H:長年の製造実績と安定した品質、バランスの取れた音色、そして中古市場での比較的手頃な価格から、幅広い層に支持されています。また現在展示されているのはホワイト塗装が施されているため、インテリアにもあわせやすい1台となっています。

 

    • UX3:X支柱による優れた耐久性と重厚で伸びやかな音色、トーンエスケープ機構によるクリアな響きは、長くピアノを楽しむ上で満足度の高い選択肢となるでしょう。

 

 

購入ガイド&サポート体制

納得できる購入相談・リモート試弾サービス

ピアノは実際に音を聴いて、触れて選ぶのが理想的です。多くの販売店では、ピアノ専門のスタッフがお客様のニーズに合わせた購入相談に応じています。遠方の方や来店が難しい方のために、リモートでの試弾サービスやビデオ通話を通じたピアノの状態確認なども提供されている場合があります。ご不明な点は遠慮なく相談し、納得のいく一台を見つけましょう。

保証・配送・メンテナンスの充実

中古ピアノは、購入後の保証やメンテナンス体制が重要です。信頼できる販売店では、1年程度の品質保証を設け、調律や修理などのアフターサービスも充実しています。配送はピアノ専門の運送業者が担当し、設置場所に応じた費用やクレーン作業の有無なども事前に確認しておくことが大切です。また、初回調律サービスや定期的な調律案内など、長く安心してピアノを使うためのサポートが提供されています。

お客様の声・Q&A

実際に購入されたお客様の声や、よくある質問(Q&A)も参考にしましょう。ご購入された方がピアノ選びの際に気になったことや懸念点、お気に入りポイントなどをお話しされているため、事前に目を通しておくことで実際のご試弾やピアノのお迎えがイメージしやすくなります。また、電子ピアノとアコースティックピアノの違いや、お子様への影響など、購入前に知っておきたい情報もブログに掲載されているため、合わせてお読みいただくとご安心いただけます。

まとめ

ピアノ教室の生徒さん・ご家族・にも安心しておすすめできる理由

これらのシリーズは、初めてピアノに触れるお子さんから、日々のレッスンに励む生徒さんまで、あらゆるレベルの弾き手に満足いただける品質を持っています。安定した音色とタッチは上達をサポートし、豊かな響きは音楽的な感性を育むことでしょう。信頼できる販売店による丁寧なメンテナンスと充実したサポート体制が、購入後の安心を約束します。

お問い合わせ・ご試弾はこちら

U3シリーズやUXシリーズの中古ピアノにご興味をお持ちいただけた方は、ぜひ一度、グランドギャラリーへお問い合わせください。実際にピアノを試弾し、その音色とタッチを体験することで、ご自身にぴったりの一台を見つけることができるはずです。専任のスタッフが、お客様一人ひとりに合わせた最適なピアノ選びをサポートいたします。

 

はじめに

ショパンコンクールとカワイピアノの関係


ショパン国際ピアノコンクールは、世界中の若きピアニストがその技を競い合う、最も権威ある音楽コンクールの一つです。この舞台でピアニストが選ぶピアノは、彼らの音楽表現を最大限に引き出すための重要なパートナーとなります。近年、カワイのグランドピアノ、特にShigeru Kawai『SK-EX』がこの国際舞台で注目を集めています。SK-EXに搭載されている『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』は、その卓越した技術力でピアニストたちの繊細な表現に応え、多くのファイナリストや入賞者に選ばれる理由となっています。

今回はそんな『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』の魅力に迫っていきます。

ショパン国際ピアノコンクールと使用ピアノの選択

コンクールでの公式使用ピアノの内訳


ショパン国際ピアノコンクールのような国際的な舞台では、出場ピアニストが使用するピアノは限られたメーカーの中から選ばれます。カワイのShigeru Kawaiグランドピアノは、その優れた品質と表現力により、数多くの国際ピアノコンクールで公式ピアノとして採用され、多くのコンテスタントに選ばれています。

特に今回の2025年ショパンコンクールでは、3次予選通過率の一番高かったピアノとなり、その通過率はなんと驚異の”54%”だったのです!

スタインウェイすらも凌ぐ結果となっており、様々なピアニストからも高い関心が寄せられていることは間違いありません。

調律師・ピアニストが選ぶ理由

ピアニストたちは、ピアノのタッチ、音色、そして自身の音楽表現をどれだけ忠実に再現できるかを基準にピアノを選びます。Shigeru Kawaiのピアノは、繊細で伸びやかなピアニシモから力強く輪郭のはっきりした響きまで、幅広い表現力を持つと評価されています。あるピアニストはShigeru Kawaiについて「信頼できるピアノであり、その音色の甘美さが自分の性格や演奏にマッチしている」と語っています。また、調律師の丁寧な調整と整音によって、ピアノの性能が大幅に向上することも、選ばれる大きな理由となっています。

Shigeru Kawai『SK-EX』がもたらす音楽表現

SK-EXの特徴とコンクール進出の背景


Shigeru Kawai『SK-EX』は、カワイが「世界一のピアノづくり」を目指して2001年に発表したフルコンサートピアノのフラッグシップモデルです。厳選された響板材料と伝統的な手作り工程に加え、革新的な『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』が採用されており、高い連打性と安定したタッチ感を提供します。その優れた表現力と品質が国際的な評価を得て、数多くのコンクールで選ばれるようになりました。

実際の演奏傾向と評価

SK-EXは、ピアニストに「多彩な音色が出せるピアノ」「自分の表現の引き出しが増える、表現の幅が広がる感覚を得られるピアノ」と評されています。繊細なピアニシモから力強いフォルテシモまで、幅広いダイナミクスをコントロールできるため、ロマン派の情感豊かな作品から近現代の技巧的な作品まで、多様なレパートリーに対応できることが、演奏家からの高い評価に繋がっています。

ウルトラレスポンシブアクションⅡの技術力

メカニズムと他社ピアノとの違い

カワイの現行モデルに採用されている『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』の最大の特徴は、その素材にあります。従来、ピアノのアクションには木材とフェルトが一般的に使用されていましたが、カワイは何年もの研究を経て、音色に干渉しない部分に「ABS樹脂」という新素材を採用しました。さらに、このABS樹脂には航空機にも使用される「炭素繊維」が追加され、軽量化と高剛性を両立しています。これにより、高い連打性と安定したタッチ感が実現されています。

タッチや音色に現れる技術的優位性


この革新的な素材の採用により、『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』は、以下の技術的優位性をピアニストに提供します。

  • 軽量化による軽いタッチ感: 演奏時の負担を軽減し、長時間の演奏でも疲労を感じにくい。
  • 木製では得られない精度、強度、耐久性、均質性: 部品の安定性が向上し、常に高いパフォーマンスを維持。
  • 高い連打性と弱音コントロール性の向上: ピアニストの意図を正確に音に変換し、繊細な表現を可能にする。
  • ダイナミックレンジの拡大: ピアニシモからフォルテシモまで、幅広い音量での表現が可能になる。

これらの特性は、ピアニストが思い描く多様な音色や表現を、より忠実にピアノから引き出すことを可能にしています。

専門家・ユーザーの声

『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』は、専門家からもユーザーからも高い評価を受けています。「鍵盤の軽さがとても弾きやすい」「ホールで演奏したときの響きが素晴らしい」といった具体的な声が寄せられており、特に、演奏者がピアノの表現力の可能性を最大限に引き出せる点が強調されています。あるピアニストは、カワイのピアノについて「演奏者の頭や心に描いているものを、そのまま表現し、形にしてくれる」と語り、その色彩豊かな音色とわずかなニュアンスも逃さず表現する能力を絶賛しています。

他社との比較から見るカワイの独自性

スタインウェイ、ヤマハ、ファツィオリとの対比

世界三大ピアノメーカーとして知られるスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン、そして国産のヤマハとカワイは、それぞれ異なる音色と特徴を持っています。スタインウェイは明るく華やかな音色と圧倒的な音量、ヤマハは安定した品質と幅広い表現力、ベーゼンドルファーは高貴で深みのある音色、ファツィオリは艶やかでふくよかな音色を持ちます。

カワイのピアノは、かつて「行儀が良く、丸い音」と評されることが多かったですが、近年では「少しずつ輝かしさも備えてきている」と評価されており、その音色はヤマハやスタインウェイと対をなす独自の魅力を確立しています。特にShigeru Kawaiシリーズは、繊細で優しく、清流のように澄み切った音色が特徴で、タッチも浅く軽やかであると評されています。

コンクールにおけるメーカーごとの傾向と選ばれ方

国際ピアノコンクールでは、各メーカーのピアノが持つ独自の特性がピアニストの演奏スタイルや課題曲との相性によって選ばれます。スタインウェイは多くのコンサートホールでスタンダードとして使われ、その圧倒的な表現力で知られています。ヤマハは安定した品質と幅広い表現力で支持を集め、カワイは繊細で美しい音色と、ピアニストの細やかなニュアンスを捉えるアクションが評価され、特にショパンの作品など、歌心と繊細な表現が求められる場面で選ばれる傾向が見られます。コンクールによっては、特定のメーカーのピアノのみが使用されることもあり、Shigeru Kawai国際ピアノコンクールのように、自社ブランドのピアノを前面に押し出すことで、その技術力と品質をアピールする場ともなっています。

ショパンコンクールを支える人・技術

MPA(マスターピアノアーティザン)の存在


Shigeru Kawaiのピアノは、高度な技術と感性を求められる熟練技術者、MPA(Master Piano Artisan)と呼ばれる特別な調律技術者の手によって、その音の美意識が与えられ、魂を吹き込まれます。彼らは一台のShigeru Kawaiピアノを専任として責任を持って見守り続け、高品質をより永く保つための「かかりつけの名医」のような存在です。

舞台裏の調律・メンテナンスのドラマ

国際コンクールの舞台裏では、MPAのような調律師たちがピアニストの最高のパフォーマンスを支えるため、細心の注意を払ってピアノの調整とメンテナンスを行っています。コンサート前の調律だけでなく、年に一度数日かけて調整作業を行うことで、ピアノの性能は格段に向上します。このような舞台裏の努力が、ピアニールが最高の音色とタッチで演奏できる環境を整えています。

ピアノメーカーとしての情熱とブランド哲学

カワイは、「世界一のピアノづくり」という究極の目標に向けて、創業以来97年間受け継がれてきた「カワイイズム」を胸に、常に高い理想に挑戦し続けています。Shigeru Kawaiグランドピアノは、二代目社長である故・河合滋氏がピアノ作りの集大成として、カワイが持てる最高の素材、技術、感性を投入して完成させたプレスティージ・モデルであり、その背景には「ピアノは本来、一台一台丹念に作り込んでゆくもの。人の心に響く音は人の手でしかつくれない」という強い信念があります。この伝統と革新の融合こそが、カワイのブランド哲学であり、多くのピアニストに愛される理由となっています。

カワイ現行モデルの魅力と選び方

ウルトラレスポンシブアクションⅡ搭載機種の一覧と特長


現在、カワイの多くのグランドピアノモデルに『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』が搭載されています。これにより、幅広い価格帯のモデルで、その優れたタッチ感と表現力を体験することが可能です。例えば、Shigeru Kawaiシリーズのフルコンサートピアノ『SK-EX』はもちろん、それ以外のグランドピアノシリーズでも、この革新的なアクションが演奏の喜びを深めてくれます。

SKを含むハイグレードモデルの魅力

Shigeru Kawaiのハイグレードモデル、特にSK-EXは、そのハイグレードの名に見合う最高の音楽体験を提供します。熟練技術者による手作り工程、厳選された素材、そして『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』の組み合わせが、繊細かつ力強い、他に類を見ない音色を生み出します。SK-2からSK-7までのコンパクトなモデルも、同様の哲学と技術が注ぎ込まれており、家庭環境でも最高の響きを楽しむことができます。

実際に触れて知る価値 – 試弾・購入/相談のご案内

ピアノは、実際にその音色とタッチに触れることで、その真価を理解できる楽器です。カワイのピアノ、特に『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』搭載機種の魅力を最大限に感じるためには、ぜひショールームでのご試弾をおすすめします。展示されているピアノの中には、『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』のアクション模型もございますので、その精密なメカニズムを間近でご覧いただけます。

ご自身の演奏スタイルや求める音色に合う一台を見つけるためにも、専門スタッフにご相談いただき、じっくりとピアノを選んでみてはいかがでしょうか。グランドギャラリーをはじめ、お近くのカワイピアノ取扱店にて、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

まとめ

ショパンコンクールとカワイピアノの未来


カワイのピアノ、特にShigeru Kawai『SK-EX』とその核心技術である『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』は、ショパン国際ピアノコンクールをはじめとする国際舞台でその存在感を確立しています。ピアニストの繊細な音楽表現に応える技術力と、それを支える職人たちの情熱が、カワイピアノの未来を切り開いています。

ピアノ選びへのヒントとおすすめアクション

ピアノ選びは、一生ものとなる大切な選択です。カワイの『ウルトラレスポンシブアクションⅡ』は、軽いタッチ感、高い連打性、そして幅広い表現力を提供し、カワイのピアノを検討する上で非常に魅力的な要素となるでしょう。新品ピアノや高年式ピアノ、あるいはShigeru Kawaiのような高グレードモデルをお探しの方には、ぜひこの革新的なアクションを搭載したカワイのピアノを試弾し、ご自身の感性でその価値を確かめてみてください。

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お客様の声

                   

我が家に新しい響きをもたらしてくれました。

留学時代の恩師も、来日の際に弾きにいらして下さり、お墨付きを頂きました。グランドギャラリーでの出会いを大切にしていきたいです。

                       

東京都 スタインウェイ B211

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専任スペシャリストがサポートします。リモート相談、ライブでピアノの音色と映像を確認できます。

グランドギャラリーの専任スペシャリストがピアノに関するお悩み事の解決をサポート。カテゴリー別でピアノ選びもカンタン。ご自宅に居ながら、ビデオ通話や動画を通じて、ピアノの状態や音色をご確認頂けます。

その他、技術、物流、税務など各部門のスぺシャリストがサポートします。

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