ベーゼンドルファー徹底解説:歴史・音色の魅力・プロが選ぶ理由とは?
目次
はじめに
本記事の目的
本記事は、ピアノ愛好家や演奏家の方々を対象に、世界三大ピアノの一つであるベーゼンドルファーの魅力を深く掘り下げていきます。単なる楽器としてだけでなく、その歴史、音色の秘密、そして多くのプロフェッショナルから選ばれる理由を解説することで、読者の皆様がベーゼンドルファーの「最高の音」に触れ、興味を持っていただけるきっかけにつながっていければ嬉しく思います。
ベーゼンドルファーとはどんなピアノか
ベーゼンドルファーは1828年にオーストリア・ウィーンで創業された、約200年近い歴史を持つ老舗のピアノ製造会社です。スタインウェイ、ベヒシュタインと並び「世界三大ピアノ」と称され、その中でも特に「ウィンナートーン」と呼ばれる、深く温かみのある音色と豊かな響きが特徴です。年間約300台という限られた生産台数からもわかる通り、熟練の職人による手作業にこだわり、一台一台が芸術品として生み出されています。
歴史と伝統:ウィーン発・名門ブランドの歩み
ピアノ界との関わりと歴史的エピソード
ベーゼンドルファーは、創業からわずか2年後の1830年にはオーストリア皇帝フランツ1世から「宮廷及び会議所ご用達のピアノ製造技師」の称号を授与され、その品質は国の最高峰として認められました。19世紀を通じて、鉄製の補強や交差弦、フェルトハンマーの導入など、ピアノ製造技術の進化に積極的に取り組みながらも、ウィーン式フォルテピアノの設計思想を色濃く残す独自の胴体設計を特徴としています。
フランツ・リストなど著名演奏家との関係
ベーゼンドルファーの名声を世界に知らしめた最大のきっかけは、伝説のピアニスト、フランツ・リストとの出会いです。リストは激しい演奏スタイルで知られ、当時の多くのピアノを演奏不能にしていましたが、友人の勧めでベーゼンドルファーのピアノを使用したところ、その強靭な作りに耐え抜き、演奏会を成功させました。リストはこのピアノを「完璧なまでの期待に応えてくれた」と絶賛し、以来、ベーゼンドルファーとリストの間には長年にわたる親交が育まれました。
ベーゼンドルファーを特に愛用したピアニストとしては、鍵盤上の獅子王と呼ばれたヴィルヘルム・バックハウスが有名で、彼は旧西ドイツでのコンサート以外ではベーゼンドルファーしか弾かなかったとも言われています。ジャズ界ではオスカー・ピーターソンが「ベーゼン弾き」として知られ、最近のピアニストではアンドラーシュ・シフもベーゼンドルファーを好んで用いています。スヴャトスラフ・リヒテルもいくつかの録音を残しており、ベートーヴェンのピアノソナタを演奏する際にはフリードリヒ・グルダ、パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デームス、ギャリック・オールソン、ヴァレンティーナ・リシッツァといった多くの名ピアニストがベーゼンドルファーを愛用しています。
ベーゼンドルファーの音色を生み出す緻密な設計
独自設計と製法の特徴
ベーゼンドルファーのピアノは、創業以来、熟練した職人による手作業にこだわり続けています。年間生産台数約300台という希少性は、一台一台に注ぎ込まれる時間と情熱の証です。一台のピアノが完成するまでに約62週間、さらに調律・整音などの最終調整に約8週間を要し、材料の選定から含水率の調整まで、約100年の歳月を経てピアノが完成します。
響板・ケース・支柱の響きの一体化
ベーゼンドルファーは響板だけでなく、ケースや支柱といったピアノ全体の85%以上を、響板と同じスプルース材(音を伝えることに優れる比較的柔らかい木材)で構成し、楽器全体を一つの共鳴体として機能させるという独自の工法を採用しています。多くのメーカーが硬い木材や合板でケースや支柱の強度を高めるのに対し、ベーゼンドルファーはスプルース材を用いることで、楽器全体が一体となって豊かに響き渡る「音の包容力」を生み出しています。
厳選された木材と余韻の美学
ベーゼンドルファーに使用される木材は、南チロルのフィエメ渓谷、海抜800メートルの北側斜面に生育した樹齢約90年のドイツトウヒ(スプルース)などから、全体の20%程度という厳選されたAクラス材のみが選ばれます。伐採後、約5~6年間もの天然乾燥と、さらに3ヶ月から1年間の屋内乾燥を経て、最適な含水率に調整されます。
また、ベーゼンドルファーのもう一つの特徴は、その「余韻と静寂」へのこだわりです。ダンパーが機能した際、音が瞬時に止まるのではなく、適度な余韻をもって音が消えるよう、ダンパーフェルトを柔らかく設計しています。これにより、歌うような音と静寂が滑らかに繋がり、音楽に深い情感と豊かな表現力を与えるのです。
他ブランドとの違い・ベーゼンドルファーだからこその特徴
スタインウェイや他社との音色・プレイフィール比較
世界三大ピアノとして名高いベーゼンドルファー、スタインウェイ、ベヒシュタインはそれぞれ異なる個性を持ちます。
- スタインウェイ: 力強く華やかで、明確な音の立ち上がりが特徴です。高音域の繊細さと豊かさ、中低音域の幅広いダイナミックレンジが魅力です。
- ベヒシュタイン: 繊細で色彩豊かな音色が特徴で、柔らかく純粋な響きを持ちます。奏者のデリケートなタッチに瞬時に反応するため、ドビュッシーのような印象派の楽曲に適していると言われています。
- ベーゼンドルファー: その音色は「ウィーンの至宝」とも称される「ウィンナートーン」であり、高貴で深みがあり、柔らかく温かい持続音が特徴です。低音の豊かさと音のまとまりは、楽器全体が一体となって響きを作り出しているように感じさせます。ピアニッシモは至福の美しさで、フォルティッシモでも色彩や感情のゆらめきを豊かに表現できる点が、多くのプロ演奏家から高く評価されています。
プロがベーゼンドルファーを選ぶ理由
プロのピアニストがベーゼンドルファーを選ぶ理由は、その独特な音色と表現力の幅広さにあります。スタインウェイが明瞭でパワフルな音色で聴衆を圧倒するのに対し、ベーゼンドルファーは「音で空間を包み込む」ような、より内省的で繊細な表現を可能にします。特に、繊細なピアニッシモから重厚なフォルティッシモまで、あらゆる音量と音域において、豊かで多彩な音色を奏でられることは、演奏家の表現力を最大限に引き出します。
また、標準的な88鍵に加え、低音域を拡張した92鍵(モデル225)や97鍵(モデル290 インペリアル)のピアノを製造していることも、ベーゼンドルファーならではの特徴です。この拡張された鍵盤は、フェルッチョ・ブゾーニの要望に応えてJ.S.バッハのオルガン曲をピアノで再現するために生まれたと言われており、弦の響板面積が広がることで、中低音の響きがより豊かになります。これにより、オーケストラのような壮大なサウンドスケープをピアノ一台で実現できるのです。
展示モデル・主要ラインナップの紹介
グランドギャラリーに展示されているベーゼンドルファーのピアノは現在”6台”ございます。
愛知県岡崎市にある本社ショールーム、東京日本橋のショールームにそれぞれ”3台ずつ”展示されておりますので、今回はこの6台をご紹介いたします。
※いずれも展示1台限りです。お早めにお問い合わせください。
愛知県岡崎市 本社ショールーム展示
東京都日本橋ショールーム展示
試弾可能な環境とおすすめポイント
グランドギャラリーでは、ベーゼンドルファーのみならず、多彩なブランドのピアノのラインナップを実際に試弾できる環境をご用意しております。専門のピアノ技術者が日々メンテナンスを行い、最適な状態でピアノの音色をご体験いただけます。ご試弾は予約制となっておりますので、ご来店前に店舗へお問い合わせください。
電話:0120-25-9939
購入・試弾ガイド
試弾体験・比較試弾の流れ
グランドギャラリーでのご試弾は、お客様に最高の体験をしていただくために、丁寧なご案内を心がけております。
- 試弾の予約: 事前に電話またはお問い合わせフォームからご予約ください。ご希望の機種やサイズ、ご希望などを詳しくお伝えいただくとスムーズです。
- 試弾時のポイント:
- 複数の機種を弾き比べることで、それぞれの音色の違いやタッチ感をより深く理解できます。
- 小さな音(ピアニッシモ)を中心に弾いてみてください。ベーゼンドルファーの「至福のピアニッシモ」の魅力を存分に感じられます。
- 響きの余韻がどこまで長く、どのように空間に広がるか、耳を澄ませて感じ取ってください。
- 専門スタッフによるサポート: 試弾中も、専門のスタッフがお客様の疑問にお答えし、ピアノ選びのサポートをさせていただきます。ご試弾はこちら⇒
アフターサポート
購入の際には、お客様に安心してご契約いただけるよう、アフターサポートを充実させています。
- アフターサポート: 定期的な調律や調整は、当社指定の技術者が担当し、長く安心してピアノをお使いいただけるようサポートいたします。保証期間内は無償でアフターサービスを実施します。
分割払い・支払い・納品・配送のご案内
- 支払い方法:
- 分割払い: 最大120回までのショッピングクレジットをご利用いただけます。
- 銀行振込: ご契約時に振込日を確定し、期日までに指定口座へお振込みください。
- 納品・配送: ご契約成立後、配送日をご相談の上、お届けいたします。配送料金はピアノの種類や設置場所によって異なりますので、別途お見積りいたします。
問い合わせと来店予約方法
ベーゼンドルファーの試弾・購入に関するお問い合わせや来店予約は、お電話またはウェブサイトのお問い合わせフォームより承っております。
- 電話: 0120-25-9939(水曜店休)
- ウェブサイト: グランドギャラリー公式ウェブサイトよりお問い合わせフォームをご利用ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
有名な演奏家とベーゼンドルファー名録
世界的ピアニストによる名演奏
ベーゼンドルファーは、その独特な音色と表現力で多くの世界的ピアニストを魅了してきました。フランツ・リストを筆頭に、以下のような著名なピアニストたちがベーゼンドルファーを愛用しています。
- ヴィルヘルム・バックハウス: 「鍵盤の獅子王」と称され、ベートーヴェンの大家として知られる。ベーゼンドルファーリングを受賞し、旧西ドイツでのコンサート以外ではベーゼンドルファーを愛用したと言われています。
- オスカー・ピーターソン: ジャズ界の巨匠。「ベーゼン弾き」として有名です。
- アンドラーシュ・シフ: 現代を代表するピアニストの一人。東京オペラシティに納入されたインペリアルは彼の選定によるものです。
- パウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デームス、フリードリヒ・グルダ、ギャリック・オールソン、ヴァレンティーナ・リシッツァ: いずれもベーゼンドルファーを好んで用いるピアニストとして知られています。
- スヴャトスラフ・リヒテル: 数多くの録音を残しています。
まとめ
ベーゼンドルファーで味わう“最高の音”
ベーゼンドルファーは、単なるピアノではありません。1828年の創業以来、ウィーンの豊かな音楽文化の中で育まれ、熟練の職人による徹底した手作業と独自の設計思想によって生み出される「芸術品」です。その「ウィンナートーン」と呼ばれる深く、温かく、そして無限の色彩を持つ音色は、演奏者の感情を余すことなく表現し、聴く者の心に深く響き渡ります。スタインウェイのような力強さとは異なる、包容力と繊細さを兼ね備えたベーゼンドルファーの音は、まさに「最高の音」として多くのピアノ愛好家や演奏家から支持され続けています。
ピアノ愛好家・演奏家へのメッセージ
もしあなたが今、ピアノの音色に物足りなさを感じたり、表現の限界に直面しているのなら、それはあなたの感性が次のステージを求めているサインかもしれません。ベーゼンドルファーのピアノに触れることは、技術の向上だけでなく、音楽との向き合い方、そして「音」に対する価値観そのものを変える、貴重な体験となるでしょう。その深く豊かな響きは、あなたの音楽的な探求心をさらに刺激し、ピアノを弾く喜びを再認識させてくれるはずです。
試弾・購入・問い合わせ
この機会に、ぜひベーゼンドルファーの「最高の音」を体験してください。
- 試弾: グランドギャラリーでは、人気のグランドピアノやアップライトピアノを多数展示しております。実際に鍵盤に触れ、その温かく豊かな響きを全身で感じてみてください。試弾は予約制となっておりますので、事前にご連絡をお願いいたします。
- 購入: 各モデルの詳細や価格、支払い方法、保証、アフターサポートなど、ご不明な点がございましたら、専門のスタッフが丁寧にご説明いたします。
- お問い合わせ: 試弾予約やご質問など、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。
グランドギャラリー 電話: 0120-25-9939
あなたの音楽の旅路において、ベーゼンドルファーがかけがえのないパートナーとなることを願っております。
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