U1H・U1Aは何が違う?ヤマハU1ピアノの進化と人気モデルを比較
はじめに
ヤマハのU1シリーズが気になっている方、そしてすでにU1をお持ちの方に向けて、U1HやU1Aといったモデルごとの違い、年代ごとの特徴、そして古いU1を選ぶときのメリットや気をつけたいポイントを、分かりやすくお話ししていきますね。
「結局どのU1を選べばいいの?」という疑問がスッキリ解消できるよう、ポイントを押さえて丁寧にご紹介します。
ご自身にぴったりのU1を見つけるための参考にしていただけたら嬉しいです。
ヤマハU1シリーズとは
ヤマハU1シリーズは、ヤマハが世界的なピアノメーカーとしての地位を確立する中で生まれたアップライトピアノのシリーズです。1970年代から1980年代初頭にかけて生産されたモデルは特に人気が高く、国内外で多くの人に求められています。コンパクトなサイズながらも高品質な響きを持ち、多くのピアノ愛好家に選ばれてきたベストセラーモデルです。
U1Aは初期と後継で2回登場しており、後のモデルでは「U10Bl」「U10A」「U100」のように数字とアルファベットが組み合わさる形になります。
型番・製造番号で見る年代の見分け方
ヤマハピアノの製造番号は、通常、アップライトピアノの場合、一番上の屋根を開けた中のフレーム(金属部分)の右側または中央に7桁の数字で刻印されています。この製造番号から、おおよその製造年を特定することができます。
各年代のU1モデルの仕様・特徴
初期型から現代までの技術的進化
ヤマハU1シリーズは、その長い歴史の中で様々な技術的進化を遂げてきました。
- 初期モデル(#100、U1A、U1B、U1C): 第二次世界大戦後のヤマハのピアノ製造再開時に誕生したモデルで、コンパクトなサイズと高品質な響きが特徴です。特に#100は現存数が少なく希少です。
- U1D: 1950年代後半からの製造工程の見直しにより、音色の深みと伸びが改良されました。
- U1E: 1965年以降のモデルで、ペダルが3本になり、弱音装置が搭載されました。しっかりした低音とキレのある高音が特徴です。
- U1F、U1G: 高度経済成長期に製造されたモデルで、良質な材木が使用され、今でもハイグレードな日本製ピアノとして世界的に注目されています。
- U1H: ピアノ製造のピーク期に製造され、深みのある伸びやかな音色と軽やかなタッチが人気です。
- U1M: スタンダードでクセがなく、優しくソフトな音色が初心者にもおすすめです。
- U10BI、U10A、U100: ヤマハが世界トップクラスの人気を確立した時期のモデルで、「ヤマハらしい音色」が定着し、コンパクトながら高品質という評価を得ています。
音色やアクションなどの違い
各年代のU1モデルは、製造時期によって音色やアクションに違いがあります。
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音色
- U1E: 派手さがあり、個性的な音色。
- U1H: 深みのある伸びやかな音色。
- U1M: 優しくソフトな印象の音色。
- U100: 低音はクリア、高音は煌びやかで芯のある音色。
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アクション
- U1H: 軽やかな鍵盤タッチで弾きやすさが際立っています。
- 全体的に、製造年代が新しいモデルほど、現代の演奏スタイルに合わせた調整が施されている傾向があります。
U1HとU1Aの違いを徹底比較
外観・デザインの特徴
U1HとU1Aはどちらも高さ121cmのアップライトピアノですが、製造時期が異なるため、細かなデザインの違いがあります。U1Aは初期モデル(1954-1959年)と後継モデル(1982-1987年)が存在します。一般的にU1シリーズは黒色の鏡面艶出し塗装が多いですが、木目調や猫脚仕様にカスタマイズされた中古ピアノも存在します。
内部構造・アクションの変更点
U1H(1972-1980年)は、ピアノ製造がピークを迎える時期に製造され、良質な材木が使用されています。鍵盤のタッチは軽やかで弾きやすいと評されています。一方、後継のU1A(1982-1987年)は、U1シリーズの中では比較的新しく、よりスタンダードなモデルとして位置づけられます。内部構造の進化により、安定した弾き心地が特徴です。
音の傾向と弾き心地
- U1H: 深みのある伸びやかな音色が特徴で、40年近く前に製造されたとは思えないほどの高品質なサウンドを提供します。軽やかなタッチは演奏者に愛着を持たせます。
- U1A: スタンダードでクセがなく、初心者にも扱いやすい優しいソフトな音色を奏でます。安定性があり、弾き心地も良好です。
どちらのモデルも、高さ121cmというコンパクトさが魅力ですが、高さ131cmのU3シリーズと比較すると、低音の響きはU3シリーズに劣る場合があります。しかし、スペースを重視する方にはU1シリーズが依然として根強い人気を誇ります。
人気モデルU1H・U1Aの中古市場での価値
年式ごとの人気度と価格動向
ヤマハU1シリーズは中古市場でも非常に人気が高く、特に1970年代から1980年代初頭に製造されたモデルは品質の高さから需要があります。U1Hは1972年から1980年に製造されたベストセラーモデルであり、中古市場でも安定した価格で取引されています。U1AはU1シリーズの中では比較的新しいモデルに属し、買取相場はU1Hより高めの傾向にあります。
古いU1のメリット・注意点
ヴィンテージU1の魅力
古いU1ピアノには、現代のピアノにはない魅力があります。
- 良質な材木: 1970年代は現在よりも良質な木材が豊富にあった時代で、当時のU1シリーズには高品質な材木が惜しみなく使用されています。これにより、深みのある伸びやかな音色が生まれます。
- 個性的な音色と歴史: 長年の使用と経年変化によって、ピアノ本来の音色に深みや個性が加わり、ヴィンテージならではの魅力を感じられます。ヤマハのピアノブランドとしての歴史を感じられる点も魅力です。
- 環境への配慮: すでに生産されたピアノを長く大切に使うことは、新たな資源を消費しないという意味で環境に優しい選択とも言えます。
ピアノ購入・所有者のための参考情報
年代特定方法の具体例
- 製造番号の確認: ヤマハのアップライトピアノの製造番号は、一般的にピアノの屋根を開けた中の金色のフレーム右側または中央に7桁の数字で刻印されています。
- 調律カード: ピアノ内部に保管されている調律カードには、調律日や調律師の名前とともに、モデル名や製造番号が記載されている場合があります。これにより、メンテナンス履歴も把握できます。
まとめ
モデル選びのアドバイス
ヤマハU1シリーズは、そのコンパクトさと高品質な音色で、長年にわたり多くのピアノ愛好家に選ばれてきたアップライトピアノです。U1HとU1Aは、製造年代によって音色や弾き心地に個性があります。
- U1H: 深みのある伸びやかな音色と軽やかなタッチを求める方、ヴィンテージの魅力を感じたい方におすすめです。
- U1A: クセのないスタンダードな音色と安定した弾き心地を求める方、特に初心者の方におすすめです。
どちらのモデルも、中古市場では高い人気を誇っております。ヤマハU1シリーズは、あなたのピアノライフを豊かにしてくれる素晴らしい選択肢となるでしょう。










