はじめに
お子様のピアノレッスンを検討している親御さんの中には、どのピアノを選べば良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。一見すると同じように見えるアップライトピアノと電子ピアノですが、音色、タッチ、価格、維持費、設置環境、上達への影響など、さまざまな違いがあります。
近隣への配慮も考慮しつつ、お子様の成長段階とご家庭の環境に合わせた「最適なピアノ選び」のヒントをわかりやすくご紹介します。
ピアノ選びが子どもの成長に与える影響
ピアノは指先だけでなく全身を使ってさまざまな表現をする楽器です。幼少期は耳が最も育つ時期であり、その期間に多種多様な音色を聴くことで、大人になった時に豊かな音色の聞き分けができるようになります。また、指先の微妙な動きが音色や表現に直結するアコースティックピアノでの練習は、情操教育にも良い影響を与えます。
ピアノは大きく分けて、ハンマーが弦を叩いて音を出す「アコースティックピアノ」と、電子音で音を出す「電子ピアノ」の2種類があります。アコースティックピアノにはグランドピアノとアップライトピアノが含まれます。
各ピアノの構造と音が出る仕組み
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- アップライトピアノ
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- 鍵盤を押し、その力でハンマーが弦を叩いて音を出します。打弦による振動が響板を伝わり、楽器全体が共鳴して豊かな響きを生み出します。弾き方によって音量や音色、響きが微妙に変化し、曲に表情をつけた演奏が可能です。
- 電子ピアノ
- 弦は存在せず、打鍵情報をセンサーが感知し、電子音源を発音させ、スピーカーを使って増幅します。鍵盤は基本的に音を出すためのスイッチの役割を果たしており、ピアノのような繊細な表現には限界があります。
弾き手が生み出す音の表情・表現力
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- アップライトピアノ
- 鍵盤を押す力加減やペダルの踏み方で表現の微妙な調節ができ、演奏者の表現が無限大に活かされます。音が鳴り始めてから消えるまで長い時間をかけて減衰し、タッチの強弱で音量だけでなく音色も変化することで、豊かな表現力を生み出します。
- 電子ピアノ
- 音色も余韻も製造過程でのサンプリングによって決まるため、弾き手が生み出すことはありません。演奏者による音色の違いは、アコースティックピアノに比べると限定的で、ピアノのような深く豊かな表現は難しいとされています。演奏レベルが上がるにつれて、物足りなさを感じるケースもあります。
価格・維持費・寿命の違い
メンテナンス・寿命の比較
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- アップライトピアノ
- 定期的な調律と内部の調整が欠かせません。設置場所の湿度管理も重要です。丁寧にケアすれば一生ものになることもあります。
- 電子ピアノ
- 調律は不要ですが、電子機器であるため基板や部品が故障しやすいです。寿命は10~15年ほどと言われており、古いモデルでは部品の供給が終了し修理できない可能性もあります。
設置スペース・騒音対策の観点から選ぶ
サイズ・重さ・移動のしやすさ
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- アップライトピアノ
- 高さ110~130cm、奥行き60cm前後と場所をとり、重さは180~300kg程度あるため、一度設置すると簡単に移動できません。
- 電子ピアノ
- 奥行き30cm程度のスリムタイプからアコースティックピアノ(アップライト)に近いキャビネットタイプまで様々です。重さは40~90kg程度ですが、軽量なモデルなら10~20kg程度のものもあり、比較的移動しやすいのが特徴です。
音量調節や消音機能の活用
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- アップライトピアノ
- 音量調整はできませんが、マフラーペダル(弱音ペダル)を使用することで音量を3分の1程度に抑えられます。また、後付けで消音ユニットを取り付けることでヘッドホンでの練習も可能になりますが、ヘッドホン使用時は電子ピアノと同じ仕組みになります。
- 電子ピアノ
- 音量調節機能が備わっており、ヘッドホンを使えば時間を気にせず練習できます。これにより、早朝や深夜でも周囲に迷惑をかけることなく演奏を楽しめます。
ピアノレッスン・上達速度を左右するポイント
ピアノレッスンで求められるタッチや表現の違い
多くのピアノ教室ではアコースティックピアノ(特にグランドピアノ)を使用しており、ピアノレッスンでは指の筋肉の発達や音の微妙な変化を聴き取る耳の育成が重要視されます。電子ピアノでは「できたつもり」になりがちな繊細なタッチや表現が、アコースティックピアノでははっきりと現れるため、これらの技法を習得する上で違いが生じます。演奏者の打鍵エネルギーが弦に直接伝わるため、音の強弱だけでなく音色の変化も自在にコントロールでき、表現力を身につける上で非常に有利です。耳が最も育つ幼少期に、音を育てていく経験ができるため、上達速度が速く、より音楽性豊かな演奏へとつながりやすいと言われています。
予算・用途・設置環境別のおすすめモデル
- 予算を抑えたい場合
- 電子ピアノの入門機や、状態の良い中古アコースティックピアノ(アップライト)を検討しましょう。
- 本格的なピアノレッスン用
- アコースティックピアノ(アップライト)、または木製鍵盤や高性能な音源を搭載した20万円以上の電子ピアノがおすすめです。
- 集合住宅での使用
- 音量調節やヘッドホン機能が充実した電子ピアノが適しています。
- 戸建てでの使用
- 防音対策を考慮しつつ、豊かな響きが楽しめるアコースティックピアノ(アップライト)も良い選択肢です。
よくある質問&迷ったときのアドバイス
電子ピアノからアップライトピアノへ切り替えるタイミングは?
電子ピアノの寿命が来たとき、機能面で物足りなく感じたとき、またはお子様がより深い音色や表現力を求めるようになったときが、アコースティックピアノ(アップライト)への買い替えのタイミングです。特にコンクールや発表会を目指すようになった場合は、アコースティックピアノならではの表現力が求められるため、切り替えを検討すると良いでしょう。
初心者・子ども向けにおすすめなのはどちら?
- アコースティックピアノ推進派の意見: ピアノを習うのであれば、当然ピアノが必要です。耳が最も育つ幼少期に、生のピアノの音色に触れることで、音を聴く耳や指の筋肉が育ち、上達に繋がります。中古のアコースティックピアノ(アップライト)であれば、電子ピアノよりも安価に入手できる場合もあります。
- 電子ピアノ容認派の意見: 住宅事情や経済事情を考慮すると、電子ピアノも有効な選択肢です。最近の電子ピアノは性能が向上しており、趣味で楽しむ分には十分です。お子様がピアノに興味を持ち、もっと上達したいと求めた時に、アコースティックピアノに買い替えるという考え方もあります。

まとめ
それぞれのピアノの魅力と選び方のポイント
アコースティックピアノ(アップライト)は、自然な響きと音色、演奏者の表現力がダイレクトに伝わるタッチ感が魅力で、本格的な演奏や情操教育を重視する方におすすめです。一方、電子ピアノは、音量調節やヘッドホン使用が可能で、設置場所や時間を選ばずに練習できる手軽さが魅力です。コストを抑えたい方や、マンションなど集合住宅にお住まいの方に適しています。
家庭と子どもに最適なピアノを見つけるために
お子様のピアノ選びは、ご家庭の状況や教育方針によって最適な選択肢が異なります。「音色やタッチの違い」「値段や維持費」「設置スペースや重さ」「上達速度や表現力への影響」といった点を総合的に考慮し、ご家庭と子どもに最適なピアノを見つけることが大切です。
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