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2026.01.22

再掲コラム5_「世界三大ピアノ」のそれぞれの違いは?

「ピアノはなぜ黒いのか」の著書でお馴染みのスーパーピアノアドバイザー斉藤信哉さんによる連載コラムをお届けいたします。
※旧サイトの「ピアノなんでもコラム」をブログ形式で再掲しています。

「世界三大ピアノ」のそれぞれの違いは?

スタインウェイ&サンズ(STEINWAY&SONS)、ベーゼンドルファー(Bosendorfer)、ベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)・・・

この3つのピアノブランドは「世界三大ピアノ」といわれています。

スタインウェイはニューヨーク(アメリカ)、ベーゼンドルファーはウィーン(オーストリア)、ベヒシュタインはベルリン(ドイツ)で創業されており、大きく分ければ、スタインウェイはアメリカ生まれであとの2つはヨーロッパ生まれということになります。

では、それぞれの特徴を説明していきます。

前回のコラムでもお伝えしましたが、かつてウィーンを訪れた際、同行した一人が「時間が止まってる」と言いました。まさにその言葉通りウィーンでは時間はゆったりと流れています。

忙しく時間が流れる日本では想像すら難しいと思いますが、ウィーンの人々はゆったりと日々を暮らし、音楽を楽しんでいます。そんなウィーンで生まれたピアノですから、せわしない気持ちで弾いても決して良い音を奏でることはできません。

心を落ち着けてゆったりした気持ちで向かい合うと、得も言われぬ美しい響きを奏でてくれる・・・

それがベーゼンドルファーです。

次に、ベヒシュタインは1853年にベルリンで生まれた名器です。ドビュッシーは、「ピアノ音楽はベヒシュタインのためにだけに書かれるべきだ」とベヒシュタインのピアノを絶賛し、ベヒシュタインはドビュッシーが作曲や演奏する上で無くてはならない存在でした。

このピアノの音色は純粋で混じり気がなく、色彩豊かで無限の表現力を持っています。

マネ、ルノワール、セザンヌなどの印象派の画家たちは見たものの印象をそのまま表現しようとしましたが、同じく印象派の音楽家であるドビュッシーも聞いたものの印象をそのまま表現しようとしました。

そのためになくてはならないピアノがベヒシュタインだったのです。

ベヒシュタインは、私には極めて切れ味の良い包丁のように思えます。うっかりすると怪我をしてしまいますが、上手に使えば他とは比べられない素晴らしい料理(音楽)を作り出すことができます。

一方、スタインウェイは世界中の有名なコンサートホールや録音スタジオで最も多く使われ、世界中の演奏家に最も信頼されているピアノです。

ベヒシュタインが創業した同じ年の1853年にニューヨークで創業されました。創業者(ハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク)はもともとドイツ出身のピアノ製作家ですが、ヨーロッパの伝統的なピアノづくりをもとにニューヨークで革命的ともいえる進化を施しました。

ヨーロッパのピアノには無かった、強靭さと力強さを持たせたのです。

歴史と伝統を重んじるヨーロッパでは、ピアノづくりは木材にこだわり金属を多用しないことが半ば常識になっていました。ところがスタインウェイは、新天地アメリカだからこそできたことですが、積極的に金属を使うことでそれまでに無いパワフルで強いピアノを作り上げたのです。

アメリカで成功を手にしたスタインウェイは、1880年にはドイツのハンブルグに工場を増設しヨーロッパでもピアノを積極的に販売するようになりますが、ヨーロッパの音楽家達は今までにないパワフルなピアノの出現に熱狂します。

こうしてスタインウェイは、現在に至るまで世界のピアノづくりをリードする地位を確立していったのです。

筆者プロフィール


1952年神奈川生まれ。

神奈川大学卒業後、ヤマハの特約楽器店に入社。
調律、営業業務を31年間勤めた後、活動の場を広げるべくフリーランスとなる。

楽器店勤務の最後の10年間は、技術課、防音課、音楽教室などを管理するとともに、
ピアノショールームの店長を兼務し、ヤマハの特約店としてはほとんど前例のないスタインウェイやベーゼンドルファーなどの輸入ピアノの展示、販売を精力的に行う。

現在、ピアノの調律のかたわら、ピアノ分解セミナー、人材育成研修、音楽大学での講座などを行っている。

【著書】
ピアノはなぜ黒いのか (2007年 幻冬舎新書)
ピアノと日本人 (2013年 DU BOOKS)  

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我が家に新しい響きをもたらしてくれました。

留学時代の恩師も、来日の際に弾きにいらして下さり、お墨付きを頂きました。グランドギャラリーでの出会いを大切にしていきたいです。

                       

東京都 スタインウェイ B211

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