はじめに

こちらは、お客様にピアノを良いコンディションで末永くご利用いただくための最も必要な事柄についてご案内したものです。ご家族の皆様で必ずお読みいただき、どうぞお役立てください。

1.設置環境

● 窓際や日光の当たる場所をなるべく避け、当たる場合は厚手のカーテン等で日光が当たらないようご注意下さい。

床暖房パネルの上や暖炉の近くは避け、エアコン風が当たる場所の場合はスイング運転などを利用して長時間風が当たらないようにご注意下さい。


● ピアノのコンディションの維持や不具合防止、音程や音質やタッチの維持・向上、寿命確保のために、日々の湿度・温度の管理がピアノにとって最も大切です。

● まずは湿度・温度計をご準備いただき、ピアノの周囲に設置して下さい。

● 最適な湿度・温度は、湿度=50%・温度=20℃です。許容範囲として、エアコンや除湿・加湿器などを使用して湿度=40~60%、温度=15℃~25℃の環境で保管をお願いします。

ピアノ被害

2.搬入

● 廊下より直角に曲がる部屋の場合は、ピアノが搬入できない場合があります。担当者まで廊下幅、ドア幅をお知らせ下さい。

● 一戸建てで2階以上の部屋への搬入の際は、クレーン車での作業となります。クレーン車の駐車位置、搬入可能な窓やベランダの有無やサイズの確認が必要となりますので、担当者へ事前にご相談下さい。

● マンションで2階以上の部屋への搬入の際は、エレベーターを使用しての作業となります。エレベーターの奥行サイズについて、グランドピアノは奥行160cm以上、アップライトピアノの場合は本体の高さ+10cm以上が必要となります(サイズが足りない場合は、管理会社様へ隠しスペースが無いかご確認下さい)

3.補強・防音

● 和室や築年数の経過した一戸建てやグランドピアノ設置で床補強や防音対策をご希望の際は、工務店様による補強・防音工事のほか、ピアノ用アクセサリーとして床補強・防音対策品があります。窓口担当に事前にご相談下さい。

4.お手入れ

● 演奏前は手を清潔に保つように心がけ、演奏後はピアノ用クロスで鍵盤に残った指の油や汚れをこまめに乾拭きして下さい。乾拭きで取れない汚れは、キークリーナー(別売)または中性洗剤を極端に薄めたものを少しクロスに付けて、軽くふき取って下さい(放置した場合、鍵盤の変色や反りにつながる可能性があります)。

● 外装のホコリは、特に艶出し塗装のピアノの場合はめだちやすくなりますので、市販の毛バタキなどで本体を傷つけないように優しくホコリを除去して下さい。

● 外装の汚れは、付属のピアノ用クロスで軽く拭き取ってください。除去しにくい汚れは、付属のピアノ用ワックス・クリーナーをクロスに少し付けて、軽く拭き取ってください(表面の硬い布で強くこするとキズになる場合がありますので、ご注意下さい)。
※ 艶出し塗装のピアノには艶出し用のワックスを、半艶・艶消し塗装のピアノまたは鍵盤にはマットピアノクリーナーをご使用下さい。



5.使用上のご注意

● グランドピアノ、アップライトピアノに関わらず、未使用の際は全ての蓋を閉じ、ホコリや湿気の侵入を避けるようにして下さい。

● 表面の変色や塗膜はがれの原因となりますので、素足でペダルを踏むことは避けるようにして下さい。

● 演奏時の雑音や落下時のキズの原因となりますので、ピアノの上面には軽い布製品以外は何も置かないようにして下さい。

水はピアノにとって大敵です。花瓶や飲料などは、ピアノの近くには置かないようにして下さい。


出荷時の消耗部品基準について

当社では、販売するすべてのピアノにおいて、主要な消耗部品に独自の基準を設け、基準を満たした状態でご提供しています。
そのため、ご購入後の使用や調律・メンテナンスによる消耗・不具合が生じた場合でも、部品交換は原則行っておりません。
あらかじめご了承ください。

※基準を満たしている部品については、演奏性能に問題がないと判断しています。
そのため、明確な数値基準を下回らない限り、「なんとなく音が気になる」といった感覚的な理由による交換は承っておりません。

ハンマー寸法基準

ハンマー画像
機種 1key 低音〜中音 中音〜次高音 次高音〜高音 88key
セミコン・フルコン 16mm 14mm 10mm 7.5mm 4mm
GP5型・GP7型 12.5mm 11mm 8mm 5mm 3mm
GP1型〜GP3型 12.5mm 11mm 8mm 5mm 2mm
UP 11.5mm 8.5mm 5.5mm 4mm 2mm

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※画像①のハンマー肉厚が上記表の数値未満の場合、交換対象となります
※寸法に関わらず過度な針刺し・硬化剤の使用による・繊維の劣化がある場合は交換対象となります
※輸入品やビンテージ品など、交換によって現在の楽器としての個性が損なわれるリスクがある場合は寸法にかかわらず交換しないことがあります

バックチェック取替基準

バックチェック画像
  • スキン(皮部分)に切れ・断裂がある場合、交換対象となります
  • 近いうちに切れる可能性があると判断された場合、交換することがあります

チューニングピン張力基準

チューニングピン画像
  • 100kg未満のピンは交換対象となります
  • セクションごとに1か所選定して判断しております


その他の関連情報