ピアノの情報ブログの使命は、あらゆるピアノの情報を共有し、皆様の素晴らしいピアノライフを応援することです。

はじめに

ピアノ学習が長続きする家庭の共通点とは

子どもの習い事として人気の高いピアノですが、始めても長続きせず悩む保護者も多いでしょう。しかし、ピアノを長く続ける子どもがいる家庭には、共通点があります。それは、子どもが「音楽を楽しむ」ことを中心にした家庭全体の心理的・物理的サポートです。

この記事で伝えたいこと

この記事は、子どものピアノ学習を長く楽しく続けられるよう、家庭でできる心理的サポート、モチベーション維持のヒント、「やめたい」ときの乗り越え方について解説します。成功事例や挫折エピソードを交えながら、具体的な工夫をご紹介します。

家庭でできる心理的サポートと親の関わり方

子どものやる気を引き出す褒め方と叱り方

親のサポートが子どものやる気を大きく左右します。特に、効果的な褒め方や叱り方を意識することが重要です。

  • 褒め方
    • 具体的な成果を褒める:「上手に弾けたね」や「ここまでできたね」といったフィードバック。
    • プロセスを認める:「毎日練習していて偉いね」と努力への評価。
    • 教えを乞うことで自信につなげる:「どうやって弾くか教えて」などを活用しましょう。
  • 叱り方
    • 命令ではなく問いかけ:「練習しなくていいの?」のように考えさせる問いかけを。
    • 一緒に解決策を探る姿勢を示す:練習しない理由に寄り添い、一緒に解決法を考えましょう。

子どもの成長段階に応じたサポート

子どもの練習期によって親の関わり方を工夫することが効果的です。

  • 導入期(未就学児〜小学校低学年)
    • 短時間でも毎日触れることを重視。
    • 親が一緒に練習し、楽しい雰囲気を作る。
  • 成長段階に応じた変化(小学校以降)
    • 自立した練習を促しつつ、見守りや声かけの頻度を調整。

 

ピアノと日常のバランスをとる工夫

練習時間のスケジュール

  • 集中力は「年齢+1分」が目安。短時間で効率的な練習を心がけます。
  • 家族全員でスケジュールを話し合い、練習時間を自然と取り組む仕組みに。

他の活動との両立

  • 家族で目的を明確に話し合い、他の習い事や学業とのバランスを調整。
  • 柔軟なレッスンスタイルやオンラインレッスンの活用も考慮。

 

ピアノ学習での挫折とその乗り越え方

挫折の原因を一緒に考える

  • 子どもの気持ちを聞く。練習が辛い場合は一時的に離れることも選択肢です。
  • 簡単な曲に取り組み「達成感」を感じさせる。

 

失敗経験からの回復事例

  • 一度やめた子が再開する場合、音楽を通じた喜びを再確認させる方法が有効。
  • 練習方法を工夫し、プレッシャーを軽減する。

良いレッスン選びと先生との相性

  • グループか個人か、家庭に合ったレッスンスタイルを選ぶ。
  • 「楽しく続けてほしい」など親の方針が先生と合致しているか確認しましょう。
  • 無料体験レッスンを活用して見極めましょう。

まとめ:音楽を楽しむことが原動力

子どもがピアノを長く続けられる家庭のサポートには共通する原則があります。それは、子どもが音楽を心から楽しむ環境を整えることです。結果に焦点を当てるのではなく、親子で音楽を楽しむ気持ちを大切にしましょう。楽しむことが子どもにとって最大の原動力です。


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YAMAHA YU10-SB 東京都
YAMAHA UX3 神奈川県
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KAWAI XO2 神奈川県
KAWAI KS2F 広島県
KAWAI US60 神奈川県
YAMAHA UX10A 神奈川県
YAMAHA UX_silent 神奈川県
YAMAHA C3A 広島県
YAMAHA U3H 大阪府
YAMAHA U2H 神奈川県
YAMAHA U3G 大阪府
KAWAI US55 長野県
KAWAI US7X 愛知県
APOLLO A350 神奈川県
YAMAHA U3E 福岡県
YAMAHA U1G 神奈川県
YAMAHA U3G 愛知県
KAWAI BS1A 愛媛県
KAWAI DS5E 三重県
YAMAHA U10Bl 福岡県
KAWAI BS40 東京都
YAMAHA U1H 岡山県
YAMAHA C7 山口県
YAMAHA U1F 滋賀県
KAWAI BL51 東京都
YAMAHA U3H 大分県
YAMAHA UX1 神奈川県
YAMAHA U3G 兵庫県
DIAPASON 170E 滋賀県
SCHNABEL SU200 愛知県
GRATIAE PU120ES 愛知県
KAWAI US60 神奈川県
YAMAHA U1H 静岡県
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YAMAHA W102 愛知県
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YAMAHA 35 広島県
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はじめに

木目ピアノの魅力とお手入れの重要性

ピアノは美しい音色を奏でるだけでなく、その外装もまたインテリアとして空間を彩る魅力を持っています。特に木目ピアノは、天然木の温かみや独特の風合いがお部屋に優雅さをもたらし、多くの方に愛されています。しかし、ピアノは非常にデリケートな楽器であり、特に木目部分は湿度や温度の変化、直射日光などに弱いため、適切なお手入れが不可欠です。日頃の丁寧なケアは、ピアノの美しい見た目を保つだけでなく、音質の維持や寿命を延ばすことにも繋がります。

艶有・艶消しの違いとは


木目ピアノには大きく分けて「艶消し(マット)タイプ」「艶有(グロス)タイプ」の2種類があります。

  • 艶有タイプ:鏡面仕上げとも呼ばれ、表面がピカピカと光沢があり、ものが映り込むほどの美しい輝きが特徴です。主に硬めのポリエステル塗料が使われることが多く、傷がつきにくいとされています。
  • 艶消しタイプ:マット仕上げとも呼ばれ、光沢が抑えられた落ち着いた質感が特徴です。木目の風合いがより自然に感じられ、指紋や汚れが目立ちにくいという利点があります。一般的に柔らかめの塗料が使われる傾向にあります。

ご家庭用のピアノでも、それぞれのタイプに適したお手入れをすることで、長く美しさを保つことができます。

木目ピアノの基本構造と特徴

木目ピアノとは


木目ピアノは、その名の通り、木材の美しい木目を活かした外装が特徴のピアノです。節や割れのない厳選された木材を使用し、熟練の木工技術によって作られています。そのため、黒いピアノと比較して価格が高くなる傾向がありますが、その分、温かみのあるおしゃれなインテリアとして高い人気を誇ります。

艶有タイプ・艶消しタイプの特徴

  • 艶有タイプ(鏡面仕上げ):
    • 表面が鏡のように輝き、高級感があります。傷が入った場合でも、塗料への傷であれば修理が比較的容易です。
  • 艶消しタイプ(マット仕上げ):
    • 光沢が抑えられた落ち着いた質感で、指紋や汚れが目立ちにくいです。ただし、傷が入った際に塗料を通り越して木材本体にダメージが及ぶことがあり、完全に元の状態に戻すのが難しい場合もあります。

違いによる見た目とメンテナンス性

艶有タイプは華やかで存在感がありますが、指紋やホコリが目立ちやすい傾向があります。静電気でホコリが溜まりやすいため、こまめな拭き掃除が必要です。一方、艶消しタイプは落ち着いた雰囲気で、指紋や汚れが目立ちにくいというメリットがありますが、力を入れて磨きすぎると艶が出てしまう可能性があるため注意が必要です。また、特に艶消しの木目ピアノは日焼けによる色の変化にも気を配る必要があります。

ピアノ外装のタイプ別お手入れ方法

艶有(グロス)タイプのお手入れ

日常の手入れ方法

  • ホコリを優しく払う:表面についたホコリは、ピアノ用の毛ばたきや柔らかいネル生地のクロスで軽く払います。ホコリが砂粒を含んでいる場合があるため、強い力で拭くと細かな傷の原因になります。
  • 手垢・汚れの拭き取り:手垢や汚れが目立つ部分は、水を含ませて固く絞った柔らかい布で優しく拭き取ります。水拭き後は、水分が残らないように別の乾いた柔らかいクロスで乾拭きして仕上げます。

艶出しや傷防止のコツ

  • ピアノクリーナーの使用:艶出し塗装の光沢を保つためには、鏡面艶出し塗装専用のピアノユニコン(ピアノ用ワックス)を使用するのがおすすめです。クロスに少量含ませて薄く伸ばすように塗布し、優しく磨き上げます。一度にたくさんつけすぎるとムラになる可能性があるため、少量ずつ使うのがポイントです。
  • 研磨剤の使用:落ちにくい頑固な汚れや、塗装面の浅い擦り傷には、ピアノコンパウンド(研磨剤入りのクリーム)の使用も可能です。ただし、劣化の度合いによっては使用が難しい場合や、半艶タイプには使用できないものもあるため、事前に確認が必要です。

適したクリーナーやクロスの選び方

  • クリーナー:鏡面艶出し塗装専用のユニコンを選びましょう。除菌効果も期待できるクリーンエースのような製品もあります。
  • クロス:柔らかいネル生地やマイクロファイバークロスが適しています。ホコリ除去用と仕上げ磨き用の2枚を用意しておくと便利です。市販の化学ぞうきんや家具用ワックスは、ピアノの塗装に不向きな成分が含まれている場合があるため、使用を避けるべきです。

艶消し(マット)タイプのお手入れ

日常の手入れ方法

  • ホコリを優しく払う:艶有タイプと同様に、ピアノ用の毛ばたきや柔らかい布で軽くホコリを払います。
  • 手垢・汚れの拭き取り:半乾き状態のしっとりした柔らかいタオルで、食卓テーブルを拭く程度の軽い力で拭き上げます。ホコリの量に応じて毎日から数日おきに繰り返すのが理想的です。
  • 落ちにくい汚れには、中性洗剤を薄めて固く絞った布で拭き上げる。
  • それでも落ちない場合は、弱アルカリ性洗剤を薄めて固く絞った布で拭き上げる。
  • さらに頑固な汚れには、弱アルカリ性洗剤を濃い目にするか、ペイント薄め液、ガラスクリーナー、ベンジンと段階的に洗浄液を強くしていきます。ただし、必ず目立たない場所で試してから使用し、塗装に負担をかけるため、日常的には避けるべきです。

光沢復活の注意点と手順

艶消しタイプのピアノに艶出し用のワックスを使用したり、強く擦りすぎたりすると、艶が出てしまい質感が変わる可能性があるため、注意が必要です。艶消し仕上げ専用のクリーナーを使用し、優しく汚れを拭き取るようにしましょう。

艶消し特有の傷・日焼け対策

  •  日焼け対策:特に艶消しの木目ピアノは日焼けによる色の変化が生じやすいです。直射日光が片側だけに当たらないように設置場所を工夫したり、厚手の遮光カーテンを利用したりすることが重要です。ピアノカバーを使用する場合も、カバーがかかっている部分とそうでない部分で色の差が出ないように、定期的にカバーを外して通気を良くするなどの配慮が必要です。
  •  傷対策:傷が入った場合、塗料を通り越して木材本体にダメージが及ぶことが多いため、修復が難しい場合があります。日常的に硬いものでぶつけないように注意し、万が一傷がついてしまった場合は調律師に相談しましょう。

ピアノ全体のお手入れポイント

鍵盤やペダルの掃除方法

  •  鍵盤:
    •  日常的なお手入れ:演奏後は、塗装面を拭いたものとは別の柔らかい乾いた布で、白鍵だけでなく黒鍵や鍵盤の側面も丁寧に拭きましょう。
    •  落ちにくい汚れ:水を含ませて固く絞った布で水拭きした後、乾拭きします。汚れがひどい場合は、鍵盤専用クリーナー(キークリーナー)を使用します。ただし、象牙鍵盤や人工象牙鍵盤、黒檀調天然木には使用できないものもあるため、鍵盤の素材を確認しましょう。
    •  注意点:アルコール類(除菌シートなども含む)やベンジンはひび割れの原因になるため絶対に使用しないでください。
  • ペダル:
    •  日常的なお手入れ:柔らかい布で汚れを拭い取ります。ペダルは真鍮製で、湿気や足から出る汗によって変色やサビが生じやすいです。
    • サビ・変色:変色やサビがひどい場合は、ピアノコンパウンド(研磨剤)を布に少量取って根気よく磨きます。研磨で布が黒くなるため、古いクロスを使用するのがおすすめです。

ホコリ・手垢・サビの防止策

  •  ホコリ:ピアノ用の毛ばたきや柔らかいクロスでこまめにホコリを払い落としましょう。ピアノカバーを使用することも有効ですが、通気性の良いものを選び、湿気がこもらないよう定期的に外すことが大切です。
  •  手垢:演奏前には必ず手を洗い、清潔な状態でピアノを弾く習慣をつけましょう。これにより、鍵盤や外装への手垢の付着を大幅に減らすことができます。
  •  サビ:ピアノ内部の金属部分は湿気に弱くサビやすいです。ピアノ用の除湿剤や防錆剤を内部に入れておくことで、サビの発生を抑制できます。

定期お手入れの頻度と習慣化

ピアノの外装や鍵盤の拭き上げは、練習頻度にもよりますが、1〜2週間に一度がおすすめです。クリーナーを使った本格的な掃除は、月に1回程度でも十分でしょう。毎日演奏後に軽く拭く習慣をつけることで、汚れが蓄積するのを防ぎ、大掛かりな掃除の手間を減らすことができます。

木目ピアノの設置・環境管理

快適な温度・湿度の目安と管理方法


ピアノは木材や金属部品が多く使われているため、温度や湿度の変化に非常にデリケートです。

  • 快適な温度:15℃~25℃(理想は20℃)
  • 快適な湿度:40%~70%(理想は50%~60%) 極端な温度・湿度変化は、木材のひび割れや反り、金属部分のサビ、音の狂い、鍵盤の動作不良などの原因となります。

管理方法:

  • 除湿・加湿:湿度が高い時期は除湿機やピアノ専用の除湿剤(ダンプチェイサー、ピアノスカットなど)を使用し、乾燥する時期は加湿器を利用して適切な湿度を保ちましょう。
  • 換気:晴れた湿度の低い日には窓を開けて部屋の空気を入れ替え、ピアノの蓋も開けて通気性を良くしましょう。雨の日や夜間は窓を閉めて湿気が室内に入り込むのを防ぎます。

カビやサビ、反り防止のための注意点

  • 湿気対策:ピアノ内部に湿気がこもらないように、除湿剤や防虫防錆剤を併用するのが効果的です。特にフルカバーを使用する場合は、湿気がこもりやすくなるため、定期的に外してピアノを「深呼吸」させてあげましょう。
  • 温度変化:エアコンの風やストーブの熱が直接ピアノに当たらないように、配置場所を調整し、1.5m程度の距離を保ちましょう。床暖房の上への設置を余儀なくされた際は、断熱効果のあるピアノボードを敷くことで、下からの熱の影響を緩和できます。
  • 定期的な演奏:ピアノは弾かずに放置しておくと、金属部分がサビやすくなります。定期的に演奏することで、鍵盤やアクションが動き、内部の空気が循環しやすくなるため、サビやカビの防止にも繋がります。

直射日光や設置場所の工夫

  • 直射日光を避ける:直射日光は木材のひび割れや反り、外装の色あせ、特に木目部分の日焼けの原因となります。窓際に置かざるを得ない場合は、厚手の遮光カーテンを利用するなどの対策が必要です。
  • 水回りを避ける:キッチンや浴室など、湯気や水気の多い場所は湿気がこもりやすく、ピアノにとって非常に良くありません。油汚れが付着するリスクもあるため、これらの場所からは距離を置いて設置しましょう。

日常で気をつけたいこととトラブル対策

艶消しピアノの日焼け防止

艶消しタイプの木目ピアノは特に日焼けによる色の変化が顕著に現れることがあります。

  • 直射日光を避ける:ピアノを設置する際は、直射日光が当たる場所を避けることが最も重要です。
  • カバーの利用と注意:ピアノカバーは日焼け防止に役立ちますが、カバーをかけっぱなしにするとカバーの跡がついてしまったり、湿気がこもったりする可能性があります。定期的にカバーを外し、ピアノ全体を均一に日焼けさせる(目立たなくする)ような配慮も有効です。

汚れや傷・凹みがついたときの対応

  • 軽い汚れ:日常のお手入れで紹介した方法で拭き取ります。
  • 頑固な汚れ:専用クリーナーや薄めた中性洗剤などで対処しますが、塗装の種類に合わないものや、強い溶剤の使用は避けましょう。
  • 傷・凹み:木目ピアノの傷や凹みは、元の木目や色調に合わせるのが非常に難しいため、自分で無理に修復しようとせず、プロのピアノ技術者や工房に相談することをおすすめします。

プロによるメンテナンスのすすめ

ピアノは多数の精密部品からなる繊細な楽器です。日頃のお手入れでは届かない内部の掃除や、調律、整調、整音といった専門的なメンテナンスは、定期的に調律師に依頼することをおすすめします。

  • 調律の頻度:少なくとも1年に1~2回は調律を行いましょう。
  • 内部の掃除:2年〜5年以上経過したピアノは、内部にホコリやカビが蓄積している可能性があります。調律の際に、調律師に内部の掃除も依頼しましょう。
  • 専門的な修理:音のずれや異音、鍵盤の不調、内部の虫食いなど、自分では解決できないトラブルが発生した場合は、すぐに調律師に相談し、適切な処置を受けることが大切です。

まとめ

正しいお手入れで楽器の価値を守ろう

ピアノは高価な楽器であり、適切なお手入れをすることで何十年、あるいは100年以上も使い続けることができます。正しいお手入れ方法を実践し、必要に応じてプロのメンテナンスを受けることで、大切なピアノの音色や見た目を守り、その価値を維持していきましょう。

ピアノのお手入れアイテムを適切に活用し、大切な木目ピアノを長く愛用してください。


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ピアノショールームにて、選び抜かれたピアノを全国のお客様にご提案しています。
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はじめに

カワイピアノとは?


カワイ(河合楽器製作所)は、ヤマハと並び日本を代表する二大ピアノメーカーの一つです。創業者の河合小市氏が純国産ピアノのアクション部分を初めて解き明かしたことでも知られ、その高い技術力は世界的に認められています。ショパン国際ピアノコンクールをはじめとする主要なコンクールで公式ピアノとしてSK-EXが採用されるなど、プロのピアニストからも厚い信頼を得ています。カワイピアノは全体的にまろやかで柔らかく、温かみのある音色が特徴で、特に「カワイトーン」と呼ばれる重厚感のある低音は多くのファンを魅了しています。

現行カワイピアノのラインナップと特徴

カワイは、様々なニーズに応えるグランドピアノとアップライトピアノを幅広く提供しています。

グランドピアノ(GXシリーズ・Shigeru Kawai など)


カワイのグランドピアノは、その高い品質と豊かな音色で世界中のピアニストから支持されています。

  • Shigeru Kawai(SK)シリーズ
    • カワイグランドピアノのフラッグシップモデルであり、世界的なコンクールでも公式ピアノとして採用される最高峰シリーズです。
    • 「原器工程」と呼ばれるピアノづくりの原点的な手作業が継承され、一台一台丹念に作り込まれています。
    • 新品価格帯はSK-2が約270万円(税込)、SK-3が約288.75万円(税込)からと、高級モデルに位置づけられます。
    • ※2025年10月現在

  • GXシリーズ
    • 2013年にRXシリーズの後継として登場したモデルで、コンサートグランドピアノに匹敵する高い演奏性能を目指して開発されました。
    • 鍵盤長の大幅な延長により軽やかなタッチ感が向上し、ボディ剛性の強化やハイブリッド積層積揚の採用により音質の向上を実現しています。
    • 一音一音の粒立ちが良く、立体感のある響きが特徴です。
    • 新品価格帯は160万円(税込)から340万円(税込)程度で、一般家庭向けの主力モデルです。
  • コンパクトグランドピアノ
    • 6畳の部屋にも設置可能な小型グランドピアノで、奥行きわずか150cm程度のモデルもあります。
    • コンパクトながらもグランドピアノとしての音楽性・演奏性能を保持しており、一般家庭に人気です。

アップライトピアノ(Kシリーズ・木目シリーズ・NFシリーズほか)


カワイのアップライトピアノは、多様なデザインとグレードで幅広い層に選ばれています。

  • Kシリーズ
    • 数字の桁数が上がるほど新しいモデルで、現行のKシリーズにはK300、K400、K500、K700などがあります。
    • 年式の新しいモデルには、カワイが独自開発した「ウルトラレスポンシブアクションII」が搭載されており、コントロール性、連打性、耐久性が向上しています。
    • 音色はソフトでまろやか、特に低音部の重厚な響きが特徴です。
    • 新品価格帯はK-200が75.3万円(税込)、K-300が90.2万円(税込)、K-400が102.8万円(税込)、K-500が115.5万円(税込)、K-700が132万円(税込)です。
  • 木目シリーズ・ファニチャーピアノ
    • 木材加工技術を活かした凝ったデザインが特徴で、木目の色合いや縞目が魅力的なモデルです。
    • 猫脚や透かし譜面台など、インテリアとしての美しさも兼ね備え、部屋に優美な雰囲気を演出します。
    • イギリス製法の上級ハンマー、『ロイヤルジョージハンマー』等が使用されているカワイ特約店モデルのCシリーズや、インドネシア工場製で製造を担っているLDシリーズ(ラグジュアリーデザイン)と幅広く展開されています。
    • 新品価格帯は、KI-650が108.9万円(税込)、C-480Fは99万円(税込)、C-580Fは104.5万円(税込)、C-980は198万円(税込)、LD-200は79.7万円(税込)、NF-15は53.3万円(税込)です。

主要モデルの特徴と価格帯

カワイの現行モデルの新品価格帯は以下の通りです(2025年10月現在)。

  • グランドピアノ
    • SKシリーズ(Shigeru Kawai):約280万円~620万円(税込)
    • GXシリーズ:約160万円~340万円(税込)
    • コンパクトグランドピアノ(GLシリーズなど):約110万円(税込)
  • アップライトピアノ
    • Kシリーズ(K-200~K-700):75.3万円~132万円(税込)
    • Cシリーズ(C-480F~C980):99万円~198万円(税込)
    • LDシリーズ:53.3万円(税込)

カワイピアノの音色・タッチの魅力


カワイピアノは全体的にまろやかで柔らかく、温かみのある音色が特徴です。特に低音には「カワイトーン」と呼ばれる重厚感があり、その深みのある響きは多くのピアニストに愛されています。タッチは重すぎず軽すぎない弾き心地の良さを追求しており、近年のモデルに採用されている「ウルトラレスポンシブアクション」や鍵盤長の延長により、表現のしやすさが向上しています。

従来Kシリーズと現行モデルの音色比較

カワイのアップライトピアノ「Kシリーズ」は長年愛されてきましたが、現行モデルと従来のモデルでは音色や響きに特徴的な違いがあります。

音色・響きの違い(厚み・明瞭さ・重厚感)

  • 現行モデル
    • 音に厚みがあり、低音にはより重厚感が感じられます。
    • 高音部はまとまりがあり、豊かな響きが特徴です。
    • 演奏全体に臨場感のある深い響きを求める方におすすめです。
  • 従来のKシリーズ(K70など)
    • 現行モデルと比べて明るく、響きが直線的に伸びていくような感触があります。
    • 音の明瞭さが際立ち、比較的すっきりとした明るい音色を求める方におすすめです。

演奏体験から感じる現行モデル/旧モデルの特色

現行モデルは「ウルトラレスポンシブアクションII」などの新技術により、タッチ感が軽く改良され、カワイらしい低音の深みや厚みのある音色が演奏者の感覚をよりダイレクトに伝えてくれます。従来のKシリーズは、その明るく明瞭な響きが特徴で、軽快な演奏感を好む方に支持されてきました。

どちらのモデルがおすすめか(利用シーン別)

  • 重厚感のある臨場感を求める方:現行モデルがおすすめです。より豊かな表現力と深い響きを追求したい方に最適です。
  • 比較的すっきりとした明るさ、音の明瞭さを求める方:従来のKシリーズがおすすめです。ヤマハほど華やかでなくとも、クリアで伸びやかな音色を好む方に適しています。 グランドギャラリー本社には、現行モデルの中古ピアノも従来モデルの中古ピアノもどちらも展示されているため、実際に弾き比べて自分に合った一台を見つけることができます。

カワイピアノとヤマハピアノの違い

日本の二大ピアノメーカーであるカワイとヤマハは、それぞれ独自の音色やタッチ感を持っています。

初心者・家族向けにおすすめの選び方

  • カワイ:ソフトでしっとりとしたまろやかな音色を好む方、低音の重厚感を重視する方におすすめです。特に、ピアノを始めたばかりの初心者から電子ピアノからの買い替えを検討しているご家族にとって、安定したタッチと豊かな音色は長く愛用できる魅力となります。
  • ヤマハ:明るく華やかな音色、軽快なタッチを好む方におすすめです。音の伸びやクリアな響きを重視する方に適しています。

最終的には、実際に試弾して、ご自身の好みや演奏スタイルに合うピアノを選ぶことが最も重要です。

新品ピアノと中古ピアノの違いと選び方


ピアノの購入を検討する際、新品か中古かという選択は大きなポイントです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のニーズに合った選び方をしましょう。

新品・中古それぞれのメリット・デメリット

  • 新品ピアノのメリット
    • 音色を育てる楽しみ:前のオーナーの癖がついていないまっさらな状態なので、弾き込むことで自分らしい音色へと育っていく過程を楽しめます。
    • 長い寿命と維持のしやすさ:外装や内部部品の劣化がなく、中古に比べて長持ちし、メンテナンス費用も抑えられます。
    • 長期メーカー保証:購入後の不具合に対して、1年程度のメーカー保証が適用されるため安心です。
  • 新品ピアノのデメリット
    • 価格が高い:中古ピアノに比べて1割から2割ほど価格が高くなる傾向があります。
    • 弾き込みが必要:最初のうちは音が柔らかく、ピアノ本来の深みのある豊かな音色になるまで1〜3年程度の弾き込みが必要です。
  • 中古ピアノのメリット
    • 低価格で購入可能新品よりも安価に購入できるため、予算を抑えたい方や、新品では手が届かない上位グレードのピアノを入手できる可能性があります。
    • 高品質な材料のモデルに出会える:1970年代から1980年代のピアノメーカー全盛期に製造された高品質なモデルが、中古市場で手に入ることもあります。
    • 音色が安定している:前オーナーの方がピアノ全体の部品が馴染むまで弾いてくださっているため、新品ピアノがはじめ2,3年ほどは頻繁に調律が必要になるのに対し、中古ピアノは1年に1回ほどの調律でお楽しみいただけます。
  • 中古ピアノのデメリット
      部品の損傷・劣化リスク:目に見えない内部部品の劣化や損傷が進んでいることがあり、楽器店によっては購入後に高額な修理費用がかかる可能性があります。

      • グランドギャラリーでは自社に構えている工房で整備を行い、消耗部品の消耗度合いによってはパーツ交換を行っているため、安心してお楽しみいただけます。

    カワイの中古ピアノ事情と購入時の注意点

    カワイの中古ピアノは市場に多く流通しており、リーズナブルな価格で手に入るチャンスもあります。しかし、以下の点に注意が必要です。

    • 状態の確認:大手メーカーのピアノでも、前の所有者の扱い方や販売店のメンテナンスが不十分な場合、寿命が短くなることがあります。外観だけでなく、内部に破損がないか、鍵盤の動きがスムーズかなどを確認しましょう。
    • 製造時期:カワイに限らず、ピアノメーカーの全盛期は1970年代から1980年代と言われています。この時期に製造された中古ピアノは、現在の製品よりも質の良いものが見つかる可能性があります。

    現行モデル・旧Kシリーズの中古市場価格と特徴

    • 現行モデルの中古ピアノ:比較的新しい年式の中古ピアノは、新品に近い性能を持ちつつ、価格が抑えられているため、コストパフォーマンスが高い選択肢となります。新品より大幅に安く購入できる例もあるため、詳しくは是非ピアノ一覧ページからピアノをご確認くださいませ。
    • 旧Kシリーズの中古ピアノ:Kシリーズは長年販売されているため、中古市場には多くのモデルが出回っています。特にK-70などの2桁の従来のモデルは、明るく明瞭な音色を求める方に人気があります。中古価格は年式や状態によって大きく異なりますが、比較的安価で手に入ることが多いです。

    選び方のコツ


    家族で満足できるカワイピアノを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。

    試弾のすすめと在庫の充実度

    • 複数のモデルを比較する:現行モデルと旧Kシリーズ、グランドピアノとアップライトピアノなど、気になるモデルはできるだけ多く試弾し、比較検討することが大切です。
    • 在庫が充実している店舗を選ぶ:多くのピアノが展示されている店舗では、様々なモデルを一度に試弾できるため、比較検討がしやすくなります。グランドギャラリーのように、現行モデルから旧Kシリーズまで豊富に在庫している店舗では、音色の違いを実際に体験できます。
  • まとめ

    理想のカワイピアノ選びに向けて


    カワイピアノは、その温かくまろやかな音色と優れたタッチで、初心者から上級者まで幅広い層のピアニストに愛されています。理想の一台を見つけるためには、現行モデルと旧Kシリーズの音色の違いを理解し、新品と中古それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、実際に試弾することが不可欠です。

    ご家族のピアノライフを豊かにするためにも、ぜひ本記事で得た情報を参考に、納得のいく一台と出会ってください。


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メーカー 機種 都道府県
YAMAHA W106 神奈川県
KAWAI KS2F 宮城県
KAWAI HA20 神奈川県
YAMAHA YU11 千葉県
KAWAI US55K 神奈川県
KAWAI Ku20-AT 神奈川県
YAMAHA U1H 愛知県
YAMAHA L102 神奈川県
YAMAHA U7H 愛媛県
YAMAHA U1G 兵庫県
YAMAHA U3H 石川県
YAMAHA U3E 富山県
YAMAHA UX 長崎県
YAMAHA C3L 大阪府
YAMAHA YUX 東京都
YAMAHA U1H 大阪府
YAMAHA W102 愛知県
YAMAHA U3H 滋賀県
YAMAHA W102B 東京都
BOSENDORFER 200 東京都
etc.

【最新解説】サイレントピアノは本当におすすめ?メリット・デメリット徹底比較

はじめに

サイレントピアノとは何か


サイレントピアノとは、アコースティックピアノに消音機能を搭載したハイブリッドなピアノです。通常のピアノと同じように演奏できるだけでなく、ヘッドホンを使用することで周囲に音を出すことなく練習ができます。特にマンションなどの集合住宅にお住まいの方や、夜間に練習したい方にとって、魅力的な選択肢となるはず!

サイレントピアノの基本と仕組み

音が消えるメカニズム

アコースティックピアノは、鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き、その振動が響板に伝わって音が出ます。サイレントピアノの消音モードでは、ハンマーが弦を叩く直前に「消音バー」が作動し、ハンマーの動きを止めます。これにより、ピアノ本体からは音が出なくなります。ハンマーが弦を叩かないため、エアーピアノのような状態になります。

ヘッドフォンから響く音の正体

消音モードにすると、鍵盤の下に取り付けられたセンサーが鍵盤の動き(どの鍵盤が、どの強さで、どのくらいの長さ押されたか)を感知します。この情報が電子音源に送られ、あらかじめ録音(サンプリング)された別のピアノの音がヘッドホンから出力されます。つまり、ヘッドホンから聞こえる音は、演奏しているアコースティックピアノ自体の音ではなく、内蔵された電子ピアノの音なのです。

アコースティックピアノ・電子ピアノとの違い

サイレントピアノは、アコースティックピアノと電子ピアノの機能を兼ね備えています。アコースティックピアノには弦とハンマーがあり、その物理的な動きによって音が生まれますが、電子ピアノはデジタル音源を再生します。サイレントピアノは、通常時はアコースティックピアノとして生音での演奏が可能ですが、消音モードに切り替えることで、電子ピアノのようにヘッドホン演奏ができます。タッチ感はアコースティックピアノに近く、電子ピアノよりもリアルな演奏感が期待できる点が大きな違いです。

メリット:サイレントピアノの魅力

防音・消音性能と練習環境の自由度

サイレントピアノの最大の魅力は、その防音・消音性能です。消音モードを使用すれば、ヘッドホンを通じてのみ音が聞こえるため、夜間や早朝など、時間帯を気にせずに練習することができます。マンションやアパートにお住まいの方にとって、近隣への音漏れの心配を軽減し、練習環境の自由度を大幅に高めることができます。家族がテレビを見ていたり、受験勉強をしていたりする場合でも、音を気にせず練習に集中できるのは大きなメリットです。

アコースティックのタッチと表現力を維持

サイレントピアノは、アコースティックピアノの鍵盤やアクション機構をそのまま利用するため、電子ピアノに比べてアコースティックピアノ本来のタッチ感に近い演奏が可能です。

生音・消音の切り替えでメリハリ練習

サイレントピアノは、スイッチ一つで生音演奏と消音演奏を切り替えられるため、練習にメリハリをつけることができます。日中はアコースティックピアノとして生音で練習し、夜間は消音モードに切り替えてヘッドホンで練習するといった使い分けが可能です。これにより、アコースティックピアノならではの豊かな響きや表現力を体感しつつ、時間帯を問わない練習環境も確保できます。

新品ユニット後付けの寿命メリット

サイレントユニットは電子部品であるため、その寿命はアコースティックピアノ本体よりも短い傾向にあります(約10〜15年)。既にサイレントユニットが搭載されている中古ピアノの場合、ユニットの寿命が残り少ない可能性があります。しかし、新品のサイレントユニットを後付けで取り付ける場合、ユニットの寿命を最大限に活用できるというメリットがあります。後付けユニットの費用は本体価格と別途で約20万円台からですが、これにより、ピアノ本体を長く使い続けながら、最新の消音機能を利用することが可能になります。

デメリットと注意点

打鍵音や異音、演奏感の変化

サイレントピアノは演奏音を消せますが、鍵盤を叩く「打鍵音」は残ります。消音モードではハンマーが弦ではなく消音バーに当たるため、「カタカタ」という音がすることがあります。特にマンションなどの集合住宅では、この打鍵音が下の階に響き、苦情の原因になる可能性もあります。対策としては、ゴム製の『防振インシュレーター』を使用することで、階下へ伝わる振動を軽減することができます。また、サイレントユニットの取り付けにより、ピアノ内部に多くの部品が追加されるため、共鳴による異音が発生するリスクも指摘されています。さらに、ユニットの取り付けに伴う調整によって、アコースティックピアノとしてのタッチや音色にわずかな変化が生じる場合があります。レットオフ(ハンマーが弦に当たる直前に力が抜けるポイント)の調整を広げる必要があるため、特に弱い音の表現に影響が出ることがあります。

電子部品の寿命や故障リスク

サイレントユニットは電子部品で構成されており、その寿命はアコースティックピアノ本体(30年~100年)と比べて短く、約10~15年と言われています。電子部品であるため、故障のリスクも伴います。突然大きな音が出たり、音が途切れたりするバグや不具合が発生する可能性もゼロではありません。故障した場合、修理期間がかかったり、部品が生産終了している場合は修理が困難になることもあります。

グランドギャラリーで取り付けを行っているサイレントユニットは、寿命を迎えた際や故障した際、取り外して新たなサイレントユニットを取り付けることも可能な為、ご安心いただけるポイントになっております♪

メンテナンス性・追加費用

サイレントユニットの取り付けによって、ピアノの内部に多くの部品が加わるため、調律や修理などのメンテナンス作業がしにくくなることがあります。これにより、メンテナンスに手間や時間がかかり、費用が高くなる可能性も考えられます。また、電子部品であるサイレントユニット自体の保証期間が過ぎた場合、故障時の修理費や交換費用が別途発生します。

中古サイレントユニットの注意点

中古のサイレントピアノを購入する際は、特に注意が必要です。ピアノ本体は丁寧にメンテナンスされていれば長く使えますが、サイレントユニットの寿命は電子部品のため短いです。すでにサイレントユニットが取り付けられている中古ピアノは、ユニットの寿命が迫っている可能性が高く、購入後すぐに故障するリスクがあります。サイレント機能に不具合がある場合でも、その分販売価格が安くなっていることがありますが、結局修理や交換に費用がかかることも考慮すべきです。

サイレントピアノの選び方と導入の流れ

サイレントユニットの種類・機能

グランドギャラリーで後付けを行っているサイレントユニットはアサヒピアノ社から販売されている『Essence V2』『Frontier』のおふたつから選んで取り付けをすることができます。

サイレント機能のみのシンプルな機能をお求めの方は『Essence V2』の方がよりお手軽にお楽しみいただけます♪

作曲活動やデジタル連携を前提にした機能をお求めの方は、スマホ・タブレットに連携させて録音や記録ができる『Frontier』をお選びいただくとより多彩な機能をお楽しみいただけます♪

詳しくは、下記ボタンから詳細をご覧ください!

後付けユニットの費用とメリット

アコースティックピアノにサイレントユニットを後付けすることも可能です。後付けユニットの費用は、ユニット本体価格と取り付け費用を含め、約20万円台からが相場です。後付けの最大のメリットは、現在お持ちのアコースティックピアノをサイレント化できるため、新たにピアノを購入するよりも費用を抑えられ、慣れたピアノで引き続き練習できる点です。また、ユニットが新品であるため、寿命を最大限に活用できる安心感があります。

購入・設置・メンテナンスのポイント

サイレントピアノの購入・設置にあたっては、いくつかのポイントがあります。

  • 試弾と機能確認: 実際に店舗でサイレントモードを試弾し、タッチ感、ヘッドホンから聞こえる音質、打鍵音の響き方などを確認しましょう。
  • 設置スペース: アコースティックピアノを置くスペースに加え、消音ユニットの操作ボックスやヘッドホン、スピーカーなどの周辺機器を設置するスペースも考慮する必要があります。
  • 調律師の選定: サイレントユニットの取り付けや調整には専門的な技術が必要です。信頼できる調律師や技術者がいる販売店を選ぶことが重要です。特に、後付けユニットの場合、ピアノ本来のタッチ感を損なわないように精密な調整ができる技術力があるかを確認しましょう。
  • 定期的なメンテナンス: 電子部品の寿命や故障リスクを考慮し、定期的な点検やメンテナンスを行うことが、長く使い続ける上で大切です。

サイレントピアノが向いている人・向かない人

ピアノ購入者のニーズ別おすすめ度

  • 向いている人
    • マンションやアパートにお住まいで、周囲への音漏れを気にせず練習したい方。
    • 夜間や早朝など、時間帯を気にせずにピアノを弾きたい方。
    • アコースティックピアノのタッチ感を重視しつつ、消音機能も欲しい方。
    • ピアノの鍵盤をMIDIキーボードとして他の機器と連携させたい方(モデルによる)。
  • 向かない人
    • ピアノの100%の音とタッチ、繊細な表現力を常に追求したい方。
    • 打鍵音などのわずかな異音も気になる方。

実際の利用者の声・体験談


実際にサイレントピアノを利用している方からは、「時間を気にせず練習できるようになった」「アコースティックピアノのタッチで練習できるのが良い」といった肯定的な意見が多く聞かれます。特に、部活動などで練習時間が遅くなる中学生の家庭や、電子ピアノでは強弱の表現に限界を感じていた方にとって、有効な選択肢となっています。一方で、「打鍵音が意外と響く」「電子音の音質が物足りない」「電子部品の故障が心配」といったデメリットを指摘する声もあります。

よくある質問・トラブルと対策

サイレントピアノの故障・修理・寿命

サイレントユニットは電子部品であるため、寿命は約10~15年とアコースティックピアノ本体よりも短いです。故障の症状としては、電源が入らない、音が出ない・途切れる、鍵盤から異音がする、ペダルが反応しないなどがあります。簡単なトラブルは自分で対処できる場合もありますが、基本的にはメーカーや専門業者に修理を依頼することになります。修理費用は症状によって異なりますが、数万円程度かかることが一般的です。メーカー取り付けのサイレントユニットの場合、ユニットが製造終了した際は部品の発注が困難であったり交換が困難なこともありますが、グランドギャラリーで取り付けをしているサイレントユニットは、サイレントユニットが製造終了している場合でも、同社の最新モデルを新たに取り付けることが可能ですので、長く安心してお使いいただけることもメリットの一つです。

買取価格・リセール時の注意点

サイレントユニット付きのピアノは、電子部品の寿命が短いため、買取価格に影響を与える可能性があります。特に、ユニットが故障している場合や、取り付け時にピアノ本体に加工が施されている場合は、査定額が下がる傾向にあります。売却を検討する際は、アダプターなどの付属品をすべて揃えておくことが重要です。

おすすめヘッドフォンやスピーカー

サイレントピアノで使用するヘッドホンは、音質や装着感の良さが重要です。長時間の練習を考慮し、耳への負担が少ない開放型や密閉型の高品質なものがおすすめです。例えば、オーディオテクニカの開放型やYAMAHAの密閉型などがあります。スピーカーを接続して音を出すことも可能ですが、ピアノ本体の上に設置すると音の出方が不自然になる場合があります。小さいお子様には、ヘッドホンよりもスピーカーの方が耳に優しいとされています。

まとめ

サイレントピアノの総合評価

サイレントピアノは、アコースティックピアノのタッチ感を維持しつつ、消音機能によって練習環境の制約を大幅に緩和できる、現代の住宅事情に合った画期的な製品です。特にマンション住まいの方や夜間の練習を希望するピアノ学習者にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。しかし、打鍵音の問題や電子部品の寿命、メンテナンス性、タッチへの影響といったデメリットも存在します。導入を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自身のライフスタイルやニーズに照らし合わせて慎重に判断することが重要です。

タイプ別ベストな選択ポイント

  • 生音での演奏機会が多い方: 日中は生音、夜間は消音モードで練習したい場合は、サイレントピアノが最適です。
  • 基本的にサイレントモードしか使わない方: 高機能な電子ピアノの方が、コストパフォーマンスや維持費の面でメリットが大きい場合があります。

導入前に確認したいこと

サイレントピアノの導入を検討する際は、まず実際に試弾をして、タッチ感やヘッドホンから聞こえる音質、打鍵音の響き方などを自分の耳で確認することが大切です。また、信頼できる調律師や販売店に相談し、ユニットの種類や費用、取り付け後のメンテナンス、保証内容などを詳しく確認しましょう。特に、後付けユニットを検討している場合は、ピアノ本体のモデルが対応しているか、取り付け技術が確かな業者であるかを確認することが重要です。


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有名ピアニストたちの心を捉えたベヒシュタイン

特徴と魅力


ベヒシュタインはドイツ発祥のピアノブランドで、その透き通るような音色と繊細な表現力で名を馳せてきました。今なお、プロとアマチュアを問わず、多くのピアニストたちから愛されています。この記事では、ベヒシュタインの魅力を歴史から音の特徴、さらに他ブランドとの比較を通じて掘り下げていきます。


歴史と背景

ベヒシュタインは1853年にカール・ベヒシュタインが創業し、ドイツ・ベルリンを拠点に高品質なピアノ作りを続けてきました。その成長の背景には、ロマン派音楽が全盛期を迎え、演奏家たちの高度な表現力に応える楽器のニーズがありました。

カールはフランスとイギリスでのピアノ製作技術を活かし、「頑強さ」と「繊細さ」を両立した設計を打ち出します。その後、リストなど著名なピアニストが愛用したことで評判を高め、やがて国際的な地位を確立しました。

戦争や経営権変更などの試練を経た後も、1986年に再びドイツ人経営者のもとに戻り、再び世界の舞台で注目される存在となりました。これまでの努力によって守り抜かれてきたその品質は、芸術品そのものとも言えるでしょう。


音の魅力とその秘密

ベヒシュタインのピアノは、他ブランドのピアノと一線を画する、どこまでも透明感のある音を持っています。この特徴は、厳選された素材と独自の製作工程によるものです。

響板と音色設計

特に響板には非常にこだわりを持ち、選び抜かれたマウンテン・スプルースを使用しています。この木材は、ピアノ音色の基盤となる振動を細やかに伝えるだけでなく、音の立体感を引き出します。また、響板の形状や接着方法にも独自の工夫が施されています。

タッチと応答性

鍵盤の軽すぎず重すぎないタッチ、そして触れた瞬間に音が立ち上がる即応性は、ベヒシュタインならではの体験です。この繊細さは、人間の感情と直結する楽器であることを強調してくれます。


スタインウェイやベーゼンドルファーとの比較

ピアノ選びにおいて、スタインウェイやベーゼンドルファーとの違いを理解することは重要です。それぞれが独自の音色やタッチの特徴を持っているため、自分の音楽スタイルに合ったピアノを選ぶヒントになるでしょう。

ベヒシュタインの個性

ベヒシュタインの音は、弾き手が自由に表現できる「中立性」を持っています。他方、スタインウェイは華やかでパワフルな表現が得意であり、ベーゼンドルファーは深みと長い響きを持っています。そのため、ベヒシュタインは繊細なニュアンスを必要とする室内楽や印象派の曲によく選ばれます。


厳選モデル紹介

グランドピアノ

C.BECHSTEIN(ベヒシュタイン)B ※東京店にて展示中 ← クリックで商品ページに飛びます

BECHSTEIN(ベヒシュタイン)A190 【新品】※東京店にて展示中 ← クリックで商品ページに飛びます

 

アップライトピアノ

C.BECHSTEIN(C.ベヒシュタイン)Millenium116K ※本社(愛知県岡崎市)にて展示中 ← クリックで商品ページに飛びます 

C.BECHSTEIN(C.ベヒシュタイン) A3 ※東京店にて展示中 ← クリックで商品ページに飛びます

これらのモデルは、演奏空間の広さや予算、求める音のクオリティに応じて選べます。特に試弾は重要で、実際の感触を確かめることをおすすめします。


まとめ

生涯の伴侶となるピアノを選ぶ——これはピアノ演奏者にとって大きな決断です。ベヒシュタインは、ピアノそのものが演奏者と共鳴し、音楽を育む特別な楽器として愛され続けています。

もしも、今のピアノに物足りなさや限界を感じているのであれば、ベヒシュタインは新しい音楽の可能性を広げるための最高の選択肢となることでしょう。ぜひ、ショールームでその音に触れ、響きの魔法を体感してみてください。


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ピアノを選ぶ際に重視したい「構造」と「音」

ピアノは、その豊かな表現力と美しい音色で多くの人々を魅了する楽器です。しかし、ピアノを選ぶ際にはアップライトピアノとグランドピアノの二種類が存在し、その構造から生まれる音や表現力の違いを知る必要があります。

 

アップライトピアノ、グランドピアノそれぞれの魅力

アップライトピアノはコンパクトな設計と手軽さで初心者や家庭練習に最適。一方、グランドピアノは広い音域と細かな表現力が特徴で、プロや本格的に演奏を学びたい方に向いています。

 

構造の違い:内部アクション機構

グランドピアノの特徴

グランドピアノでは、鍵盤を押すことでハンマーが上方向に跳ね上がり弦を打つ仕組みです。重力を利用してハンマーを元の位置に戻すため、速い連打が可能です。また、調整箇所が多く、繊細な整音が可能な点も魅力です。

アップライトピアノの特徴

 

アップライトピアノでは弦を垂直に張るため、ハンマーの戻りにはバネの力を使います。この構造により連打には限界があります。また、調整できる箇所が少なく、音への細かな調整が制限されます。

 

響板・弦の配置が生む音質の違い

グランドピアノは水平に広がる響板と長い弦により、豊かな音の響きと広がりを生み出します。特に低音域では奥行きが感じられる響きが特徴です。一方、アップライトピアノは垂直に響板を配置するため音に広がりが少なく、こもりがちな傾向があります。

演奏感:タッチとペダルの違い

鍵盤タッチ

グランドピアノでは鍵盤のタッチ感が直接音に反映され、演奏者の意図が反映されやすい構造です。一方、アップライトピアノでは構造上、繊細さでは劣ります。

ペダル機能

アップライトピアノ・グランドピアノ共に足元にペダルがございます。
ここで問題です!
 Q.アップライトピアノ・グランドピアノには何本ペダルがついているでしょうか? 

おそらく2本ペダル!と答える方と 3本ペダル!!と答える方がいるかと思います。

答えは、、
A.2本 も 3本も正解です

2本ペダルのものは比較的古いピアノです。 昔は2本ペダルが主流でした。

過去の記事でペダル機能についてまとめた記事を公開しております。ご参考ください。

3本ペダルの役割【グランドピアノ】

ピアノコンシェルジュ 解説!3本ペダルの役割【グランドピアノ】

3本ペダルの役割【アップライトピアノ】

ピアノコンシェルジュ 解説!3本ペダルの役割【アップライトピアノ】

音色の特徴

グランドピアノは伸びやかな音とダイナミックレンジの広さを持ち、空間全体を満たす響きが特徴です。和音もクリアに響き、曲全体に奥行きが生まれます。対して、アップライトピアノは家庭での練習向けに効率的でもあり、音にはある程度の制限がかかりますが、コンパクトさを活かした設計が人気です。

選び方:どう選ぶべきか

アップライトピアノを検討する方

初心者や家庭での使用を目的とする方。
スペースや予算制限のある方。
音量を抑えて練習したい場合。

グランドピアノを検討する方

表現力豊かな演奏を目指したい方。
演奏技術を磨きたい、プロを目指す方。
素早い連打や繊細な表現を追求する方。

まとめ

悩んだときは、自分が何を求めているのかを軸に選択することが大事です。演奏の自由度を高め、音楽表現を深堀りしたい方にはグランドピアノが間違いなくおすすめです。一方、手軽さやコスト面での効率を重視する方にはアップライトピアノが適しているでしょう。どちらを選ぶにしてもピアノとの出会いはあなたの音楽の楽しみを広げる大きな第一歩です。


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メーカー 機種 都道府県
YAMAHA C3 千葉県
YAMAHA U3C 東京都
YAMAHA U3A 佐賀県
ASAHI NA 埼玉県
YAMAHA U1E 神奈川県
YAMAHA U1E 神奈川県
YAMAHA W106 神奈川県
YAMAHA U1A 長崎県
DIAPASON 126M 佐賀県
YAMAHA HQ100 神奈川県
WAGNER 26 神奈川県
YAMAHA U3H 福岡県
KAWAI US7X 福島県
KAWAI NS15M 秋田県
YAMAHA U1H 東京都
YAMAHA U3H 神奈川県
YAMAHA U10Bl 神奈川県
YAMAHA U1M 三重県
YAMAHA UX3 大阪府
KAWAI US55 愛知県
YAMAHA C3B 千葉県
YAMAHA W106B 熊本県
YAMAHA U1A 神奈川県
HELMAN 3A 愛知県
YAMAHA YUA 福岡県
YAMAHA U3H 神奈川県
YAMAHA U3H 神奈川県
YAMAHA YU11W-SD 静岡県
YAMAHA U1D 山口県
KAWAI K400 千葉県
YAMAHA U3A 岐阜県
KAWAI DS8E 兵庫県
KAWAI US50 愛媛県
KAWAI BL61 神奈川県
KAWAI NS10 大阪府
YAMAHA U3H 長崎県
KAWAI KU3D 兵庫県
KAWAI Ku50 千葉県
YAMAHA G2A 東京都
YAMAHA UX300_silent 東京都
SCHWESTER 50 宮城県
etc.

 

マンションでピアノを楽しみたい人のために

マンションなどの集合住宅でピアノを演奏したいと考えている方にとって、音の問題は避けて通れない課題です。趣味でピアノを弾きたい大人の方や、本格的な練習に打ち込みたい方が、周囲に気を遣うことなく快適なピアノライフを送るためには、適切な防音対策が不可欠です。

しかし、ピアノの防音対策は多岐にわたり、どこまで対策すれば良いのか、どのような方法があるのか、費用はどれくらいかかるのかといった疑問を抱えている方も多いでしょう。本記事では、そのような疑問にお答えし、マンションでのピアノ演奏を叶えるための具体的な防音対策について詳しく解説します。

マンションでのピアノ演奏の現実

管理規約や物件種別による演奏可否

マンションでピアノを演奏する際には、まずその物件の管理規約を確認することが重要です。管理規約には楽器演奏の可否が記載されており、「楽器演奏禁止の物件」「楽器演奏が許可されている物件(演奏できる楽器や時間が制限されている場合あり)」「24時間いつでも演奏しても良い物件」の3種類があります。

もし楽器演奏が禁止されているマンションに住んでいる場合、どんなに小さな音で演奏してもトラブルになる可能性があるため、演奏が許可されている物件への引っ越しを検討する必要があるでしょう。楽器演奏が許可されているマンションであっても、演奏時間帯の制限が設けられていることが一般的です。例えば、早朝や深夜の演奏は不可とされていることが多いです。

ピアノの音はどこから漏れる?響板と伝播音を理解

ピアノの音は、演奏者が考えている以上に広範囲に伝わり、近隣住民にとって騒音となる可能性があります。効果的な防音対策を行うためには、まず音がどのように発生し、伝わるのかを理解することが重要です。

アップライトピアノとグランドピアノの構造の違い

ピアノは弦楽器と打楽器の要素を併せ持つ鍵盤楽器です。鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き、その振動が「響板」に伝わって増幅され、音として私たちの耳に届きます。この「響板」の位置が、アップライトピアノとグランドピアノで大きく異なります。

アップライトピアノアップライトピアノは縦型の構造で、響板がピアノの背面(弾き手から奥側)に位置しています。そのため、音の多くは背面方向に出ます。壁にぴったりと設置した場合、音が壁を伝って隣室や上下階に漏れやすくなります。

グランドピアノグランドピアノは弦が水平に張られており、響板がピアノの底面全体に広がっています。この構造のため、音は上下方向(特に床方向)に大きく響きやすく、音量もアップライトピアノの1.2~1.5倍程度になると言われています。屋根を開けることでさらに音が広がるため、より広範囲への防音対策が必要になります。

空気伝播音・固体伝播音とは

ピアノから出る音は、「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類に分類されます。

空気伝播音(空気音)空気が振動して伝わる音です。ピアノの「音色」そのものがこれに該当します。壁や窓、ドアなどを介して隣室や屋外に漏れ出します。壁や窓の密度が低かったり、隙間があったりすると、音が通り抜けやすくなります。

固体伝播音(固体音)床や壁、天井などの建物の構造自体が振動することで伝わる音です。ピアノの打鍵音やペダル操作による振動、椅子の移動音などがこれにあたります。固体伝播音は、糸電話のように建物の構造体を伝わり、隣室や上下階だけでなく、斜め下の部屋など広範囲に伝わる特性があります。マンションにおけるピアノの騒音トラブルは、この固体伝播音によるものがほとんどだと言われています。

ピアノの防音対策では、この空気伝播音と固体伝播音の両方に対して対策を講じることが重要です。どちらか一方の対策だけでは、十分な効果は期待できません。

生活音とピアノ音量の比較(デシベルと体感の目安)

ピアノの音量は非常に大きく、日常生活における他の音と比較すると、その対策の必要性がより明確になります。音の大きさは「デシベル(dB)」という単位で表されます。

騒音とデシベルの目安

40dB:図書館の中、家庭用エアコンの音(静かだと感じるレベル)

60dB:普通の会話(日常的に聞こえるレベル)

70dB:大きめの声、テレビの音(少しうるさいと感じ始めるレベル)

80dB:電車の車内、救急車のサイレン(うるさいと感じるレベル)

90dB:ピアノ(趣味の練習)、騒々しい工場内(かなりうるさいと感じるレベル)

100dB:ピアノ(プロの演奏)、地下鉄の構内、電車が通るガード下(極めてうるさいと感じるレベル)

一般的に、人が「うるさい」と感じ始めるのは50dB以上と言われています。住宅地の騒音基準は昼間で55dB以下、夜間で45dB以下とされており、ピアノの音量(90~110dB)はこれを大幅に上回ります。

壁越しに聞こえるピアノの音は50~65dB程度になることがありますが、これは家庭用エアコンの室外機や走行中の自動車内と同じくらいの音量です。たとえこのレベルまで音量が下がっても、演奏される時間帯や音質(周波数特性)によっては、不快に感じられる可能性があります。音の大きさだけでなく、音色や音の伝わり方、そして受け手の感じ方によって「騒音」となるため、事前の対策が非常に重要です。

防音グッズ&対策アイデア集

マンションでピアノを楽しむためには、様々な防音グッズや対策アイデアを組み合わせることが効果的です。ここでは、定番のアイテムから本格的な設備、低コストで実践できる工夫までをご紹介します。

定番!防音マット・パネル・カーテン

手軽に導入できる防音グッズとして、以下の3点が挙げられます。

防音マット床への固体伝播音対策に最も効果的です。ピアノの打鍵音やペダルの操作音、椅子の移動音など、床を介して階下や隣室に伝わる振動音を軽減します。ゴム製や特殊な多層構造を持つものが多く、厚さ5~10mm程度が目安です。

効果: 約10~15dBの軽減が期待できます。日常会話の音量(60dB)が、エアコンの室外機の音量(50dB)程度になる感覚です。

費用感: 1~3万円程度。

具体例: ピアリビングの「静床ライト」や「P防振マット」、イトマサの「防音じゅうたん」など。

防音パネル・吸音パネル空気伝播音対策として、壁に設置することで音の反響を抑え、外部への音漏れを防ぎます。

効果: 約10~20dBの軽減が期待できます。怒鳴り声(90dB)が普通の会話(60dB)程度まで下がる感覚です。

費用感: 1枚4,000円~5,000円程度から、数万円するものまで様々。

具体例: ピアリビングの「ワンタッチ防音壁」や「ポリリーフ」、東京防音の「防音ECOパネル」「ホワイトキューオン」など。アップライトピアノの背面に特化したパネルもあります。

防音カーテン窓は壁よりも薄く、音漏れしやすい箇所です。厚手で密度の高い生地、または多重構造の防音カーテンを設置することで、窓からの空気伝播音を防ぎます。

効果: 約5~10dBの軽減が期待できます。

費用感: 3,000円程度から、高機能なものだと数万円。

ポイント: 窓枠よりも大きいサイズを選び、隙間なく取り付けることが重要です。

サイレントユニット・防音室など本格的な設備

より本格的な防音対策としては、以下の設備が考えられます。

サイレントユニット(消音ユニット)アコースティックピアノに後付けで取り付けることで、生のピアノの音を消し、ヘッドホンで演奏できる機能です。日中は生音で、夜間はヘッドホンで練習するなど、時間帯によって切り替えが可能です。

効果: ピアノ本体からの音をほぼ完全に消音し、ヘッドホンでの演奏が可能になります。固体伝播音(打鍵音やペダル音)は残るため、床対策は別途必要です。

費用感: アップライトピアノ用で約20万円~、グランドピアノ用で約30万円~(本体価格+取り付け費用)。

注意点: ピアノのタッチや音色にわずかな変化が生じる場合があります。

簡易防音室(ユニット型防音室)部屋の中に組み立て式の防音室を設置する方法です。工事期間が短く、分解して移動できるため賃貸物件でも導入しやすいメリットがあります(ただし管理会社の許可が必要)。

効果: 高い防音効果が期待でき、思い切り演奏できる環境が整います。Dr-40~Dr-50程度の遮音性能が目安です。これにより、ピアノの音(90~100dB)がひそひそ声(30dB)やほとんど聞こえないレベル(20dB)まで減衰する可能性があります。

費用感: 2~3畳程度で20万円~200万円程度。広さや遮音性能によって大きく変動します。

注意点: 部屋の中に部屋を作るため、室内のスペースが狭くなります。重量制限にも注意が必要です。

低コストで効果的なアイテム例と実践術

大きな費用をかけずにできる防音対策もいくつかあります。

ピアノの設置場所の工夫

壁からの距離を確保: アップライトピアノの場合、背面から音が出るため、壁から5~10cm程度離して設置することで、壁への音の伝わりを軽減できます。

隣室と接していない壁を選ぶ: ピアノを置く部屋の、隣室と接していない壁側に設置することで、音漏れのリスクを減らせます。

家具の配置: ピアノのある部屋の隣室と接する壁面に、本棚やタンスなどの背の高い家具を配置することで、簡易的な防音壁としての効果が期待できます。特に衣類が収納されたタンスは吸音効果も持ちます。

ピアノ本体の工夫

蓋を閉めて演奏: グランドピアノの場合、蓋を閉めることで音量を下げられます。

マフラーペダルの使用: アップライトピアノの真ん中のペダル(マフラーペダル)を踏むことで、ハンマーと弦の間にフェルトが入り、音量を約1/3程度に抑えることができます。

防音インシュレーター: ピアノの脚の下に防振ゴム製インシュレーターを設置することで、床への振動伝達を軽減します。約2万円程度で購入可能です。

その他の低コスト対策

段ボールの活用: 緊急の応急処置として、段ボールを壁や窓に貼り付けると吸音効果が期待できます。ただし見た目は良くありません。

防音テープ: 窓やドアの隙間を塞ぐ防音テープを貼ることで、隙間からの音漏れを防げます。数百円~1,000円程度で購入可能です。

これらの対策は、組み合わせて行うことでより高い効果を発揮します。まずは手軽にできるものから試し、効果を見ながらステップアップしていくのがおすすめです。

ピアノの種類別・防音対策チュートリアル

ピアノの種類によって音の出る方向や響き方が異なるため、それぞれに合わせた防音対策を行うことが重要です。ここでは、アップライトピアノ、グランドピアノ、電子ピアノの3種類について、重点的に行うべき対策を解説します。

【アップライトピアノ】壁・床・背面からの音漏れ対策

アップライトピアノは、その構造上、音の多くがピアノの背面から出ます。そのため、背面が接する壁や、床への振動対策が特に重要になります。

背面に遮音材・吸音材を貼るアップライトピアノの背面には共鳴板があるため、背面から出る空気伝播音が壁を通して隣室に伝わりやすいです。

対策: ピアノの背面に「防音ECOパネル」や「ナンバーチューン」などの遮音材や吸音材を貼ります。これにより、背面からの音漏れを約16~22dB程度軽減できるとされています。これは、騒がしい工場内(90dB)が、電車が通るガード下(80dB)程度になる感覚です。

費用感: 2万円~8万円程度。

壁全体への対策ピアノを置く部屋の壁全体に防音壁を設置することも、隣室への空気伝播音対策として非常に有効です。

対策: ピアリビングの「ワンタッチ防音壁」や「ポリリーフ」、または「ホワイトキューオン厚み50mm」などを壁一面に設置します。

費用感: 防音壁の種類や範囲によりますが、1枚4,000円~5,000円程度から、部屋全体で数万円~数十万円。

床に防振材・遮音材を敷くアップライトピアノの打鍵音やペダル音は、固体伝播音として床から階下や隣室に響きやすいです。

対策: ピアノの脚の下に「防振インシュレーター」を設置し、さらにその下に「P防振マット」や「防振ベース」「静床ライト」といった防音・防振マットを敷き詰めます。これらの組み合わせにより、階下への振動音を大幅に軽減できます。例えば「P防振マット」は約20%の衝撃音を小さくし、「防振ベース」は約30%の音を軽減すると言われています。これは、走行中の電車内(80dB)が、掃除機の音(70dB)程度になる感覚です。

費用感: 防振インシュレーター約2万円、防音マット約1万円~3万円程度。

【グランドピアノ】階下・床への振動&響きへの対策

グランドピアノは響板が底面にあり、音全体が広がりやすいため、アップライトピアノよりもさらに広範囲かつ本格的な防音対策が必要です。特に床への振動対策と、部屋全体の音響対策が重要になります。

床への徹底的な防振・遮音対策グランドピアノの響板は床に近いため、打鍵やペダルによる振動が直接床に伝わり、階下への固体伝播音として大きな問題となります。

対策: ピアノの脚の下に防振インシュレーターを設置するだけでなく、ピアノ全体を覆うように「防音・防振ステージ」や「P防振マット」「大建工業 防振ベース」などを敷き詰めます。可能であれば、床面とピアノの間に空気層を作る「ピアノ架台」も非常に有効です。これらの対策により、階下への固体伝播音を大幅に低減できます。例えば「防振ベース」は耳に聞こえる音の大きさを約30%軽減するとされています。

費用感: 防振インシュレーター約2万円、防音・防振マット約5万~10万円程度、ピアノ架台は約26万円。

防音ルームの導入グランドピアノの豊かな響きと音量を考慮すると、部分的な対策だけでは不十分な場合が多いです。最も効果的なのは、防音ルームを導入することです。

対策: ヤマハの「アビテックス」やカワイの「ナサール」のようなユニット型防音室、または専門業者による自由設計の防音室を設置します。グランドピアノが入るサイズ(3.5畳~4.3畳)の防音ルームで、Dr-35~Dr-50程度の遮音性能が期待できます。これにより、プロの演奏(110dB)が、ささやき声(30dB)やほとんど聞こえないレベルまで減衰する可能性があります。

費用感: ユニット型防音室で115万円~230万円。自由設計の場合はさらに高額になる傾向があります。

注意点: 防音室は高額な投資となるため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

簡易的な音量低減策

ピアノ屋根(蓋)を閉める: 最も手軽な方法ですが、防音効果は限定的です。

【サイレント付きピアノ】消音とリアルなタッチの両立方法

サイレント付きピアノは、音量調節が可能でヘッドホンを使えば音漏れの心配が少ないため、マンションでの利用に最も適していると言えます。しかし、打鍵音やペダル操作による「固体伝播音」は発生するため、床への対策は必要です。

床への防振材設置電子ピアノ本体の振動や、鍵盤を叩く衝撃、ペダルを踏む衝撃は直接床に伝わります。

対策: 「P防振マット」や「防振ベース」などの防振材を電子ピアノの下に敷くことが効果的です。これにより、階下への振動音を軽減できます。

費用感: 防音マット1万円~3万円程度。

消音機能の活用とヘッドホン演奏電子ピアノの最大のメリットは、音量を自由に調節できることと、ヘッドホンを使って演奏できることです。

対策: 普段の練習ではヘッドホンを積極的に活用し、外部への音漏れを完全に防ぎましょう。多くの電子ピアノには「ステレオフォニックオプティマイザー」のような機能が搭載されており、ヘッドホン着用時でも自然な音の広がりを感じられるよう工夫されています。

工事やリフォームによる本格的な防音対策

マンションで本格的なピアノ演奏を望む場合、工事やリフォームによる防音対策が最も効果的です。しかし、費用も高額になるため、事前の情報収集と計画が重要です。

防音室施工・リフォームの種類と費用感

防音工事には、大きく分けて「ユニット型防音室の設置」と「部屋全体を防音室にリフォームする自由設計タイプ」の2種類があります。

ユニット型防音室の設置ヤマハの「アビテックス」やカワイの「ナサール」など、メーカー製の組み立て式防音室を部屋の中に設置します。

メリット: 工期が短く(半日~1週間程度)、分解して移動できるため、転居の可能性がある場合にも対応しやすいです。

デメリット: 部屋の中に部屋を作るため、室内空間が狭くなります。また、サイズやデザインの自由度が低い場合があります。

費用感: 2~4畳程度の防音室で、本体価格と設置工賃を合わせて約100万円~230万円。

2.0畳のアップライトピアノ用で約50万円~。

3.5畳のグランドピアノC5サイズまで対応で約115万円~230万円。

自由設計の防音室リフォーム既存の部屋を解体し、壁・床・天井・窓・ドアなどを全て防音仕様に作り替える工事です。「ボックスインボックス構法」と呼ばれる、部屋の中に浮いた状態のもう一つの箱を作る工法が一般的です。

メリット: 非常に高い防音性能が期待でき、室内の音響設計やデザインの自由度が高いです。ピアノの種類や求める音響環境に合わせて、最適な空間を設計できます。

デメリット: 工期が長く(2週間~1ヶ月以上)、費用が高額になります。賃貸物件では基本的に難しいです。

費用感: 6畳の部屋を防音室にする場合、約200万円~800万円が目安。

ピアノレッスン室(5畳、グランドピアノ):180万円~210万円(D-70以上)

ピアノレッスン室(9畳、グランドピアノ):240万円~270万円(D-75)

フルバンドスタジオ(9畳、戸建て):350万円~380万円(D-70~D-75)

マンションでの工事の注意点・実例紹介

マンションで防音工事を行う際には、いくつかの注意点があります。

管理規約の確認: マンションの管理規約で、リフォームや楽器演奏に関する規定を必ず確認しましょう。工事の許可や演奏可能な時間帯、楽器の種類などが細かく定められている場合があります。無許可で工事を行うとトラブルに発展する可能性があります。

近隣住民への配慮: 工事中の騒音や、完成後のピアノ演奏について、事前に近隣住民へ説明し、理解を得ることが大切です。良好な人間関係を築くことで、万が一のトラブルを避けることができます。

建物の構造と重量制限: マンションの構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造など)によって、防音性能や工事の可否、重量制限が異なります。防音材は重量があるものが多いため、床の耐荷重を事前に確認する必要があります。

共用部分の扱い: 窓やサッシは共用部に当たるため、交換は基本的にできません。内窓の設置は可能ですが、事前に管理組合へ確認しましょう。

施工事例(費用目安)

マンションの和室をピアノ室にリノベーション(遮音・防振構造、ドア・窓の防音):費用記載なし

マンションの一室を防音室にリフォーム(断熱・遮音性向上、窓・扉の防音):270万円

遮音性能の見方と失敗しない選び方

防音室の遮音性能は「Dr値」または「D値」という単位で評価されます。数字が大きいほど遮音性能が高いことを示します。

Dr値(室間音圧レベル差等級)の目安

Dr-30:壁を隔ててピアノの音が「小声」くらいに聞こえる

Dr-40:壁を隔ててピアノの音が「ひそひそ声」くらいに聞こえる

Dr-50:壁を隔ててピアノの音がほぼ聞こえない

Dr-60:ほとんど聞こえない

Dr-65:通常では聞こえない(ピアノやステレオを楽しめるレベル)

【失敗しない選び方】

目的と予算の明確化: どのようなピアノを、どれくらいの頻度・時間帯で演奏したいのか、そしてどれくらいの予算をかけられるのかを明確にしましょう。

専門業者への相談: 防音工事は専門知識が必要なため、防音室の設計・施工実績が豊富な業者に相談することが重要です。音響設計にも力を入れている会社を選ぶと、音漏れ対策だけでなく、快適な音響空間も実現できます。

現地調査と見積もり: 電話やオンラインでの概算見積もりだけでなく、必ず現地調査を依頼し、建物の構造や周辺環境を考慮した正確な見積もりを取りましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

防音体験: 可能であれば、実際に施工実績のある防音室を体験し、その防音性能や音響を自分の耳で確かめることが重要です。

遮音保証の確認: 施工後に約束通りの遮音性能が発揮されるか、保証内容を確認しましょう。

まとめ

ピアノライフを快適に楽しむために

マンションでピアノの演奏を楽しむためには、音の問題に真摯に向き合い、適切な防音対策を講じることが不可欠です。ピアノの音は「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類があり、それぞれの特性に合わせた対策が必要です。特にマンションでは、打鍵音やペダル音などの「固体伝播音」が階下や隣室に伝わりやすいため、床への防振対策が非常に重要になります。

また、ピアノの種類によって音の出る方向や響き方が異なるため、アップライトピアノ、グランドピアノ、電子ピアノそれぞれの構造を理解し、効果的な対策を選択することが求められます。

自分に合った防音対策の選び方

本記事で紹介したように、ピアノの防音対策には、手軽な防音グッズから本格的な防音室の設置まで、様々な方法があります。ご自身の演奏目的、予算、住んでいる物件の条件、そして近隣住民との関係性を総合的に考慮し、最適な対策を選びましょう。

手軽な対策から始める: まずは防音マット、防音パネル、防音カーテンなど、比較的低コストで導入できるグッズから試してみるのも良いでしょう。

ピアノ本体への対策: サイレントユニットの導入やマフラーペダルの活用など、ピアノ本体の機能を活かした対策も有効です。

本格的な対策: 趣味として、あるいはプロを目指す本格的な練習のために、思い切り演奏したい場合は、簡易防音室や自由設計の防音室リフォームを検討しましょう。費用は高額になりますが、その分高い防音効果と快適な演奏環境が手に入ります。

どんな対策を選ぶにしても、近隣住民への配慮は最も重要です。事前に演奏時間帯について相談し、良好なコミュニケーションを心がけることで、安心してピアノライフを楽しむことができるはずです♪


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