ピアノの情報ブログの使命は、あらゆるピアノの情報を共有し、皆様の素晴らしいピアノライフを応援することです。



本日は、静岡県浜松市にあるピアノハンマー専門メーカー、『今出川ハンマー製作所様』へ、グランドギャラリー工房・リノベセンターと営業メンバーで会社訪問に行ってまいりました!!

日本のピアノメーカーといえば誰しもがご存じの『YAMAHA(ヤマハ)』『KAWAI(カワイ)』
実はこの両社の関係としては、ヤマハ創業者・山葉寅楠さんが日本楽器製造株式会社(ヤマハ創業当時の社名)を立ち上げ、そこでお弟子さんとして働いていたのがカワイ創業者・河合小市さん。
そして河合小市さんが独立して立ち上げたのが河合楽器製作所、という関係なんです!

そしてこの河合小市さんとともにピアノづくりに携わった今出川松四郎さんが独立して立ち上げたのが、この『今出川ハンマー製作所』でございます。
日本で唯一ピアノのハンマーを専門に製造されているメーカーということでとても気になっていたので、本日はハンマー製造秘話についてじっくりとお話を伺っていこうと思います♪

『今出川ハンマー製作所』の文字をくぐると、まずは今出川ハンマー製作所様 現社長・今出川寛社長とご子息様が私たちを出迎えてくれました♪

そしてお部屋へ通していただくと、まず目に飛び込んできたのがながぁ~い一本のハンマー!!!

ピアノについているハンマーが一本一本に分かれる前の状態だそうです。
そしてハンマーの白いフェルト(トップフェルト)がハンマーウッドと合わさる前の状態のフェルトも見せていただきました!

今出川ハンマーさんでは、フェルトそれぞれの硬さを実際に確かめたうえで、それに合わせた厚みの調整や硬度調整の加工を施しているそうです…!
中には小割した後のキーによってもフェルトの硬さが異なることもあるそうで、そういった細かい部分にまで気を使っているそうですよ!!

またハンマーでよく聞く『内硬外柔(ないこうがいじゅう)』という言葉の本質についても教えてくださりました!

最近よく取り入られているハンマーが、この写真のようにハンマーウッドとトップフェルト(白いフェルト)の間にアンダーフェルト(赤いフェルト)を、最低音から最高音まで挟んだ『オールアンダーフェルト』 というものです。
これがアンダーフェルト(赤いフェルト)と、トップフェルト(白いフェルト)でフェルトの密度が異なり、フェルトの硬さも変わってくるためピアニッシモで弾いた際には外側の柔らかいトップフェルトが作用しより繊細な表現が、フォルティシモで弾いた際には内側のアンダーフェルトが作用しより力強い演奏ができるという風によく聞きますが、今出川寛社長がおっしゃるには本質はそこではないとのことなんです。

調律師の整音作業の際、トップフェルトに細かい針を刺し、フェルトを柔らかくすることで音色を柔らかくしますが、その際打弦点よりも上下の部分に針を刺すと、針を刺した部分の繊維がほぐれて圧力がかかっていた部分が弱まり、打弦点近くにフェルトが開いてくることで打弦点近くのフェルト圧力が強くなります。
これにより、打弦点を内とみて内が硬い『内硬』そして針を刺した打弦点よりも上下の部分はフェルトがほぐれて柔らかくなるため、打弦点よりも外とみて『外柔』。あわせて『内硬外柔』という仕組みになるそうです。

そしてここにアンダーフェルトが加わることで、単純なフェルトの量による打弦点近くの圧力の向上や、フェルト全体の厚みが出ることでの音色の柔らかさを引き出すことができるそうです。
また調律師さんによっては、高音はもともと硬い音にしたいのだから、高音のみアンダーフェルトがない『セミアンダーフェルト』を推している方もいらっしゃるようですが、アンダーフェルトの有無の境目で音質が変わりやすく、調整をする簡単さからも現代はオールアンダーフェルトが選ばれているのかもしれませんね♪

その他にも、ハンマーウッドの木材による材質の違いや、丸太から一枚の木へ加工されたものなど、ハンマーに関する様々なものを見せていただきました!

そしていよいよ工場の中を見せていただけることに…!

工場内に入ると、まず見せていただいたのがこのトップフェルトの裁断前の状態!!

なかなか原反で見ることはないので、とてもインパクトのある光景でした!

これを手作業で裁断していくそうで、今出川寛社長が目の前で裁断作業を行っていきます。

そしてなんと今回このフェルト裁断作業を体験させていただけることに…!!

男性調律師だけでなく、女性調律師も体験させていただきましたが、低音と高音でフェルトの厚みが異なるため、まっすぐ切るのはなかなか難しかったです💦
今出川寛社長の作業の早さと正確さには、ただただ感嘆するばかりでした。

そしてこの裁断作業を行うにあたり、たくさんの刃を取り揃えていました…!!

新しい刃は、繊維を断ち切りやすくするために少し刃をこぼして扱いやすく加工するのだとか♪

そして工程内をさらに見ていくと、このフェルトがウッドに締められた状態のものをハンマー一本一本の状態に裁断していく工程が!!

なんとこの工程も体験させていただきました!!😲

さきほどのフェルト裁断から、大きな力が必要かと警戒して臨みましたが、思ったよりもサクッと軽く裁断出来てビックリしましたね♪

ここではまだまだ話足りないほど多くのお話と、貴重な体験をさせていただき、伺った調律師、営業メンバー全員の顔がイキイキと輝いていました!
今出川様、本当にありがとうございます😊♪

そして最後に木材保管室を見せていただきました!

ここでは様々な原産地から木材を仕入れてきて、貯蔵しているそうです。
木材は国内外から仕入れてくるため、世界情勢や円高円安の影響を受けやすく、仕入れることができるときにしっかりとストックを作っておいているとのこと。
先を見ながらきちんと保管していくのは大変そうですね💦

フェルト・木材、どちらもこのようなきちんとした管理と素材を細かい工程でしっかりと活かしきることで、今出川ハンマーが誇る品質の高さを誇っているのですね!

最後に、イギリス・ロイヤルジョージ社での製法・技術を引き継ぎ、国産化された安心の『ロイヤルジョージフェルトを使用したカワイピアノ』と、お部屋にあった『最後の大橋ピアノ』を試弾させていただきました♪
『ロイヤルジョージフェルトを使用したカワイピアノ』は、やはり通常の同機種とまた音色が異なり、圧倒感がありつつも上品な響きがとても美しいこだわり感じる一台に仕上がっていて感動しましたね♪

『最後の大橋ピアノ』は、大橋ピアノがこれまで今出川ハンマーを使用してきたという信頼から、最後の一台を今出川ハンマー製作所様に納品したという思い入れのつまった一台で、弾きごたえがありつつももつれるような感触はなく、柔らかく上品に響き渡る音色が魅力的なピアノだと感じました。

1937年に創業してから今に至るまで、ピアノハンマーに深い愛情を注いで守られてきた品質を、今回の訪問でとても強く感じました。

これまでも、そしてこれからも、それぞれのピアノメーカーとともに協力して成長し続ける、今出川ハンマー製作所様とともにグランドギャラリーもピアノを楽しまれるお客様の想いに寄り添っていきたいと思う一日でした♪

ピアノのことで気になることなどございましたら、是非!お気軽にグランドギャラリーへご相談くださいませ🎹✨

18世紀前期にイギリスの女王として在任していたアン女王時代の様式をモチーフとしたクイーン・アン様式のグランドピアノです。

シンプルで控えめな装飾と古典的なデザインの中に、優美さを兼ね備えた非常に美しい1台。

音色と共に見た目の美しさも求める方に是非お勧めしたいピアノです。

STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ) Model.L Queen Ann 1931年製



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より本格的なピアノをお求めの方にオススメな輸入ピアノについてピックアップしました!

ピアノの発祥

ピアノの発祥はどちらかご存じでしょうか?
そう!1709年にバルトロメオ・クリストフォリがイギリスで発明したのが最初といわれていますね♪

その後もピアノは宮廷のものだけでなく市民にまでヨーロッパで広がり、今ではピアノの王者といわれる『スタインウェイ』はアメリカで1853年に創業しました。
『世界三大ブランド』といわれる世界でもっとも有名なピアノメーカーたちはこぞってヨーロッパに集中していますね♪

実はピアノが発明されてから日本にピアノが誕生したのは100年後、1897年にYAMAHAの創業者、山葉寅楠が初めてピアノを完成させます。
日本はピアノの文化こそ遅れましたが、その技術力を生かし、世界シェアにおいてはYAMAHAが1位を獲得しています♪

ピアノの本場・ヨーロッパで作られているピアノは日本のピアノとはまた違った魅力があるので、是非一度お試しください🎹

ではお次に主流な輸入ピアノメーカーについて簡単にご紹介します!

スタインウェイ (STEINWAY&SONS)

1853年にアメリカで創業し、今では『ピアノの王者』といわれるほど世界で愛されているブランド。
粒立ちがよく、明るく伸び行くような響きが魅力的なピアノです。
セカンドブランドとして河合楽器で製造している『ボストン』、有名家具デザイナーを外装デザインとして起用し、韓国・中国で生産行っている『エセックス』があります。

ベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)

1853年にドイツで創業した、世界三大ブランドの一つのピアノメーカーです。
透き通ったような洗練された美しい音色が特徴で、響板こそが音の響く部分だといったピアノづくりにおけるこだわりが、設計にも垣間見えます。
演奏者に合わせて選べるように『アカデミーシリーズ』『コンサートシリーズ』とシリーズを分けており、さらにチェコで生産を行うことによって価格を抑えたセカンドブランド・『ホフマン』の中でも、『プロフェッショナル』『トラディショナル』『ビジョン』とシリーズ分けを行うことで、幅広い層をターゲットにしています。

ベーゼンドルファー(BOSENDORFER)

1828年にオーストリア・ウィーンで創業し、こちらも世界三大ブランドの一つのピアノメーカーです。
第二次世界大戦後にアメリカに経営がうつったりなどしましたが、2007年にヤマハの子会社となりました。
重厚感・深みを感じる音色が特徴的で、強い音に対する要求が高まった、ピアノが大ホール向きに作られていった時代も『至福のピアニッシモ』にこだわりを見せたメーカーでもあります。

プレイエル(PLEYEL)

1815年にフランスで創業し、『ショパンの愛したピアノ』としても有名なピアノメーカーです。
ショパンがパリで最初に演奏会を行った『サル・プレイエル』の経営も行っており、またショパンもプレイエルに向けた曲を作曲し、作曲をするならプレイエルが必要だという言葉も残しています。
響きよりも音色にこだわっているブランドで、波紋のように広がる可憐で美しい音色が特徴的です。
現在は生産は行っておらず、修理のみを行っています。

シンメル(SCHIMMEL)

1885年にドイツで創業したドイツ屈指のピアノメーカーです。
アップライトピアノの小型化に貢献したメーカーでもあり、120年以上の歴史・技術を持ちながらも比較的お手頃価格で品質のいいピアノを作りだしています。
明るくはっきりと響いてくるような音色が特徴的で、近代的なデザインのピアノも多く、見た目にこだわっている方にもお勧めできるブランドです。

ザウター(SAUTER)

1819年にドイツで創業し、現存するピアノメーカーの中で最も古いピアノメーカーとしても有名です。
また創業者のヨハン・グリムがウィーンでベートーヴェンにピアノを提供していたシュトライヒャーの工房で修行してから創業しており、ベートーヴェンとも馴染みのあることでも有名です。
音色は重厚感があるずっしりとした音色で、特に低音の深みが特徴的です。

グロトリアン・シュタインヴェーク(GROTRIAN STEINWEG)

1835年にドイツで創業し、創業当時からその品質の高さで、多くのヨーロッパ王朝から宮廷御用達と定められました。
音の伸びが非常によいことが特徴で、低音の深みと明るく透き通って伸びるような高音のバランスに定評があります。
特にアップライトピアノは国内の調律師からも評価がとても高いですが、国内流通が少なく、入荷も非常に珍しいピアノでもあります。

シュタイングレーバー(Steingraeber & Söhne)

1852年にドイツ・バイロイトにて創業し、色々なメーカーを渡り歩いたフランツ・リストが最後に選んだピアノメーカーとしても有名です。
昔からの製法・手作りにこだわったピアノメーカーで、国際的な賞も多数受賞しています。
暖かく温もりがあり、ドイツらしい太さのある音色が特徴的で、実際のサイズよりも感じるパワーが特徴的です。

気になったピアノメーカーはありましたか??
まだまだ世界にはたくさんのピアノメーカーがあります!
是非あなたもお気に入りを見つけてみてくださいね♪

お客様の声

                   

我が家に新しい響きをもたらしてくれました。

留学時代の恩師も、来日の際に弾きにいらして下さり、お墨付きを頂きました。グランドギャラリーでの出会いを大切にしていきたいです。

                       

東京都 スタインウェイ B211

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専任スペシャリストがサポートします。リモート相談、ライブでピアノの音色と映像を確認できます。

グランドギャラリーの専任スペシャリストがピアノに関するお悩み事の解決をサポート。カテゴリー別でピアノ選びもカンタン。ご自宅に居ながら、ビデオ通話や動画を通じて、ピアノの状態や音色をご確認頂けます。

その他、技術、物流、税務など各部門のスぺシャリストがサポートします。

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