ピアノの情報ブログの使命は、あらゆるピアノの情報を共有し、皆様の素晴らしいピアノライフを応援することです。

 

はじめに

本記事の目的

本記事では、ヤマハピアノの製造番号から製造年や主要モデル、現在の市場価値、その特徴を詳しく解説します。所有しているヤマハピアノがいつ製造されたものかや、どのようなモデルなのかを知りたい方、また将来的に売却や購入を検討している方に役立つ情報を提供します。特に、100,000番台以降の製造番号に焦点を当て、その年代ごとの価値の傾向について丁寧にご紹介します。

ヤマハピアノに特化した理由

ヤマハは日本国内に限らず、世界中で高い評価を受ける総合楽器メーカーです。そのピアノは品質の高さと耐久性で知られ、多くの音楽愛好家に長く愛されています。日本の住宅事情に適したコンパクトなモデルから、コンサートホール用のグランドピアノまで多様なラインナップを展開、中古市場でも高い人気を誇ります。そのため、ヤマハピアノに特化することで、具体的で詳細な情報を提供し、読者の疑問解消を目指します。

ヤマハピアノのブランドと特徴

ヤマハピアノの歴史と評価

ヤマハのピアノ製造の歴史は、1887年に創業者・山葉寅楠が小学校で壊れたオルガンを修理したことから始まります。その後、国産オルガンの製造に成功し、1900年にはアップライトピアノ、1902年にはグランドピアノの製造を開始しました。1920年代にはベヒシュタイン社から技師を招き、技術を習得するなど、常に品質向上に努めてきました。

戦後、高度経済成長期を背景に「一家に一台」の時代が到来し、ピアノが急速に普及しました。1965年にはヤマハが世界一のピアノ生産量を記録し、現在もその地位を維持しています。ヤマハピアノは「明るい」や「キラキラ」とも形容される音色、そして信頼感のあるタッチ感が特徴です。これらの高い品質と安定した生産体制、徹底した品質管理が、世界中で長く愛されるブランド評価を確立しています。

アップライトピアノとグランドピアノの違い

ピアノは大きく2つに分類できます:アップライトピアノとグランドピアノです。

  • アップライトピアノ: 縦型のコンパクトな設計で、家庭での使用に最適です。弦は垂直に張られ、省スペースで設置可能な点が特徴です。音の表現力ではグランドピアノに及ばないものの、家庭での練習には十分な高品質を提供します。

  • グランドピアノ: 弦が水平に張られた横型タイプ。音の強弱の幅が広く、繊細な表現にも対応できます。コンサートホールやスタジオで用いられる本格的な楽器で、豊かな響きと音の伸びが特長です。

モデルごとの特徴

ヤマハピアノには幅広いモデルがあります。各モデルは、独自の特性を備えています。

  • Uシリーズ・UXシリーズ(アップライトピアノ)
    Uシリーズはヤマハのアップライトピアノを代表する主力シリーズで、1950年代に製造開始され、長い歴史を誇ります。一方、UXシリーズはX字型の支柱を背面に配置し、安定性とグランドピアノに匹敵する豊かな音色を実現。中古市場でも高い人気があり、特にUXは高額取引されることがよくあります。
  • YUシリーズ・YUSシリーズ(アップライトピアノ)
    Uシリーズの後継として開発された新しいシリーズです。アップライトピアノとして最高クラスとして位置付けられ、厳選された素材を使用しています。コンパクトかつ高音質を兼ね備えており、比較的新しい製造年のモデルが多いため、中古市場でも高額査定が期待されます。
  • Wシリーズ(アップライトピアノ) 
    一般的にピアノは黒色塗装が主流ですが、Wシリーズは木目調の仕上げを採用しています。その温かみのあるデザインはインテリアとしても高い人気を集めており、中古市場でも根強い需要があります。
  • Cシリーズ・Zシリーズ(グランドピアノ) 
    Cシリーズは、家庭やピアノ教室、スタジオなど、幅広い用途に対応するヤマハの定番グランドピアノです。澄んだ音色が特徴で、特に製造年代が新しいモデルほど高額取引される傾向があります。一方、Zシリーズは6畳間にも設置可能なコンパクトサイズのグランドピアノで、日本の住環境に合わせた設計が魅力です。
  • Gシリーズ(グランドピアノ) 
    C・Zシリーズが登場する以前に活躍していたグランドピアノで、その柔らかな音色が特徴です。自宅でのレッスン用として広く使用されましたが、買取価格はC・Zシリーズよりも低くなる場合があります。

製造番号の確認方法

ピアノの製造年やモデル、価値を正確に把握するには、製造番号の確認が欠かせません。ヤマハピアノの製造番号は通常、5桁から7桁の数字で構成されています。

アップライトピアノでの確認ポイント

アップライトピアノで製造番号を確認する場合、以下の箇所をチェックしましょう。

  • 天屋根(一番上の蓋)を開けた内側に刻印されています。この番号は、金色のフレームの右側または中央付近に記載されていることが一般的です。
  • 調律カードがピアノ内部にある状差しに残っている場合、そのカードに品番や製造番号が記載されていることがあります。

グランドピアノでの確認ポイント

グランドピアノの場合、以下の箇所に製造番号が記載されています。

  • 大屋根(鍵盤側の手前にある大きな蓋)を開けた内側で確認できます。本体内部のフレーム右上付近(高音部あたり)に刻まれている場合が多いです。
  • 同様に、調律カードが残っている場合、そのカードに品番や製造番号が記載されていることもあります。

製造番号と機種名の調べ方

  • 品番(機種名/モデル名): アルファベットと数字の組み合わせで構成されており(例:U1、C3、G2など)、シリーズを特定する上での重要な手がかりとなります。
  • 製造番号: 5桁から7桁の数字で構成されており、この番号を確認することで、そのピアノの製造年を特定できる重要な情報になります。中でもヤマハピアノは、通常7桁の番号が基準となります。

ヤマハピアノ製造番号一覧と対応年式

ヤマハピアノの製造番号と対応する製造年を知ることは、ピアノの価値を判断する上で不可欠です。ここでは、10万番台以降の製造番号と製造年代、そして各年代の主要モデルとその特徴についてご紹介します。

10万番台以降の製造年代一覧表

ヤマハピアノの製造番号は、そのピアノがいつ製造されたかを示す重要な情報です。10万番台以降の製造番号と対応する製造年の一覧は以下の通りです。(若干の誤差はご容赦下さい)

  • 100,000~200,000番台:昭和33年~昭和37年(1958年~1962年)頃
  • 300,000~400,000番台:昭和39年~昭和40年(1964年~1965年)頃
  • 500,000~600,000番台:昭和41年~昭和43年(1966年~1968年)頃
  • 700,000~800,000番台:昭和43年~昭和45年(1968~1970年)頃
  • 900,000~1,000,000番台:昭和45年~昭和46年(1970~1971年)頃
  • 1,500,000番台:昭和47年(1972年)頃
  • 2,000,000番台:昭和50年(1975年)頃
  • 2,500,000番台:昭和52年(1977年)頃
  • 3,000,000番台:昭和54年12月(1979年)頃
  • 3,500,000番台:昭和57年6月(1982年)頃
  • 4,000,000番台:昭和59年12月(1984年)頃
  • 4,500,000番台:昭和62年6月(1987年)頃
  • 5,000,000番台:平成4年6月(1990年)頃
  • 5,500,000番台:平成8年12月(1995年)頃
  • 6,000,000番台:平成15年6月(2003年)頃
  • 1990年代(平成1年~平成11年):バブル崩壊後の経済状況にもかかわらず、ヤマハはピアノ製造の技術革新を続けました。この時期には、YUSシリーズのような高品質なアップライトピアノや、Cシリーズに代表されるグランドピアノが市場で支持を得ています。
  • 2000年代以降(平成12年~):電子ピアノの普及に伴い、アコースティックピアノの国内需要は減少しましたが、それでもヤマハは高品質なピアノ製造を維持しています。サイレント機能付きモデルや先端技術を取り入れた新モデルが登場し、多種多様なニーズに応える製品展開が続いています。

製造番号から分かること(製造年・モデル情報)

製造番号は、そのピアノの製造年を特定するための最も信頼性の高い情報源です。製造年が判明すると、その年代に作られた主要モデルや、ヤマハピアノの技術的特徴、音色の傾向を理解できます。例えば、特定の製造番号帯を通じて、Uシリーズのどの型番に該当するか、またはCシリーズのどの年代のグランドピアノであるかを具体的に知ることが可能です。

さらに、製造年やモデルの情報が分かることで、そのピアノに使用された木材の種類やアクション構造など、詳細な仕様を推測する手がかりとなります。これらの情報は、ピアノのメンテナンスや修理時に適切な部品を選ぶ際や、将来的な売却時に精確な価値判断を行う上で大きな役割を果たします。

製造年代別・ヤマハピアノの価値

ヤマハピアノの価値は、製造年代だけでなく、モデルの種類やメンテナンス状態によって大きく変動します。

年代ごとの市場価値傾向

  • 1,500,000番台以降のピアノ:比較的新しいモデルが多く、状態が良ければ高価買取が期待できます。特にYU・YUSシリーズのアップライトピアノや、C・Zシリーズのグランドピアノは高額査定が狙いやすいです。
  • 100,000〜1,000,000番台のピアノ:中古市場で需要があり、状態次第では買取もあり得るかもしれません。

ピアノの売却や購入時の活用法

製造番号の情報は、ピアノを売却または購入する際に非常に役立つ要素です。

売却査定での製造番号の重要性

ピアノを売却する際、製造番号は査定額を決める上で欠かせない重要な情報です。製造番号から製造年を正しく把握することで、そのピアノの市場での価値や需要を適切に評価してもらえます。

  • 正確な情報提供: 買取業者に正しい製造番号や機種名を伝えることで、円滑で的確な査定が受けられます。不正確な情報が伝わると、査定額が下がる、もしくは再査定が必要になる場合があります。
  • 価値の引き出し: 古いピアノでも、人気モデルやその年代特有の音色が評価されることがあります。製造番号を活用することでピアノの潜在的な価値を明らかにし、高価買取につながる可能性を広げられます。

ピアノの所有歴・維持管理にも役立つ情報

製造番号は、ピアノを長期的に維持管理するためにも重要な情報を提供します。

  • 適切なメンテナンス: 製造年やモデルによって適したメンテナンス方法があります。例えば、古いモデルでは特定の部品が劣化している可能性があるため、その点検を怠らないようにします。
  • 専門家とのコミュニケーション 調律師や修理業者とやり取りする際には、製造番号やモデル名を正確に伝えることで、より的確なアドバイスやサービスを受けやすくなります。
  • 愛着と理解 ピアノの製造年や歴史を知ることは、楽器への愛着を深めるきっかけになるだけでなく、その特性をより深く理解することにつながります。その結果、さらに満足度の高い演奏体験が得られるでしょう。

まとめ

製造番号確認と価値把握のすすめ

ヤマハピアノの製造番号は、そのピアノの「身分証明書」に例えられる重要な情報です。製造番号を調べることで、製造年やその時代に製造された主なモデルの特徴、現在の市場価値まで把握できます。特に、長年愛用してきたピアノの売却を検討している場合や、中古ピアノの購入を考えている場合、この情報は適切な取引を行う上で大きな助けとなります。

製造番号は、アップライトピアノの場合は天屋根の内側、グランドピアノの場合は大屋根の内側のフレーム部分に刻印されています。本記事で取り上げた年代別一覧表やモデル別の特徴を参照し、自分が所有するヤマハピアノの独自の価値を見出しましょう。

ヤマハピアノを長く大切に使うために

ヤマハピアノは、適切なメンテナンスや手入れを行うことで、何十年もの間、最高の音色を維持できる楽器です。製造番号を確認することは、製造年や特徴を知るだけでなく、ピアノの「個性」を理解する第一歩です。この情報を活用して、ピアノの保有や活用の幅を広げ、豊かな演奏体験を得てください。本記事が、ヤマハピアノへの愛着と価値の再発見につながることを願っています。

【最新解説】サイレントピアノは本当におすすめ?メリット・デメリット徹底比較

はじめに

サイレントピアノとは何か


サイレントピアノとは、アコースティックピアノに消音機能を搭載したハイブリッドなピアノです。通常のピアノと同じように演奏できるだけでなく、ヘッドホンを使用することで周囲に音を出すことなく練習ができます。特にマンションなどの集合住宅にお住まいの方や、夜間に練習したい方にとって、魅力的な選択肢となるはず!

サイレントピアノの基本と仕組み

音が消えるメカニズム

アコースティックピアノは、鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き、その振動が響板に伝わって音が出ます。サイレントピアノの消音モードでは、ハンマーが弦を叩く直前に「消音バー」が作動し、ハンマーの動きを止めます。これにより、ピアノ本体からは音が出なくなります。ハンマーが弦を叩かないため、エアーピアノのような状態になります。

ヘッドフォンから響く音の正体

消音モードにすると、鍵盤の下に取り付けられたセンサーが鍵盤の動き(どの鍵盤が、どの強さで、どのくらいの長さ押されたか)を感知します。この情報が電子音源に送られ、あらかじめ録音(サンプリング)された別のピアノの音がヘッドホンから出力されます。つまり、ヘッドホンから聞こえる音は、演奏しているアコースティックピアノ自体の音ではなく、内蔵された電子ピアノの音なのです。

アコースティックピアノ・電子ピアノとの違い

サイレントピアノは、アコースティックピアノと電子ピアノの機能を兼ね備えています。アコースティックピアノには弦とハンマーがあり、その物理的な動きによって音が生まれますが、電子ピアノはデジタル音源を再生します。サイレントピアノは、通常時はアコースティックピアノとして生音での演奏が可能ですが、消音モードに切り替えることで、電子ピアノのようにヘッドホン演奏ができます。タッチ感はアコースティックピアノに近く、電子ピアノよりもリアルな演奏感が期待できる点が大きな違いです。

メリット:サイレントピアノの魅力

防音・消音性能と練習環境の自由度

サイレントピアノの最大の魅力は、その防音・消音性能です。消音モードを使用すれば、ヘッドホンを通じてのみ音が聞こえるため、夜間や早朝など、時間帯を気にせずに練習することができます。マンションやアパートにお住まいの方にとって、近隣への音漏れの心配を軽減し、練習環境の自由度を大幅に高めることができます。家族がテレビを見ていたり、受験勉強をしていたりする場合でも、音を気にせず練習に集中できるのは大きなメリットです。

アコースティックのタッチと表現力を維持

サイレントピアノは、アコースティックピアノの鍵盤やアクション機構をそのまま利用するため、電子ピアノに比べてアコースティックピアノ本来のタッチ感に近い演奏が可能です。

生音・消音の切り替えでメリハリ練習

サイレントピアノは、スイッチ一つで生音演奏と消音演奏を切り替えられるため、練習にメリハリをつけることができます。日中はアコースティックピアノとして生音で練習し、夜間は消音モードに切り替えてヘッドホンで練習するといった使い分けが可能です。これにより、アコースティックピアノならではの豊かな響きや表現力を体感しつつ、時間帯を問わない練習環境も確保できます。

新品ユニット後付けの寿命メリット

サイレントユニットは電子部品であるため、その寿命はアコースティックピアノ本体よりも短い傾向にあります(約10〜15年)。既にサイレントユニットが搭載されている中古ピアノの場合、ユニットの寿命が残り少ない可能性があります。しかし、新品のサイレントユニットを後付けで取り付ける場合、ユニットの寿命を最大限に活用できるというメリットがあります。後付けユニットの費用は本体価格と別途で約20万円台からですが、これにより、ピアノ本体を長く使い続けながら、最新の消音機能を利用することが可能になります。

デメリットと注意点

打鍵音や異音、演奏感の変化

サイレントピアノは演奏音を消せますが、鍵盤を叩く「打鍵音」は残ります。消音モードではハンマーが弦ではなく消音バーに当たるため、「カタカタ」という音がすることがあります。特にマンションなどの集合住宅では、この打鍵音が下の階に響き、苦情の原因になる可能性もあります。対策としては、ゴム製の『防振インシュレーター』を使用することで、階下へ伝わる振動を軽減することができます。また、サイレントユニットの取り付けにより、ピアノ内部に多くの部品が追加されるため、共鳴による異音が発生するリスクも指摘されています。さらに、ユニットの取り付けに伴う調整によって、アコースティックピアノとしてのタッチや音色にわずかな変化が生じる場合があります。レットオフ(ハンマーが弦に当たる直前に力が抜けるポイント)の調整を広げる必要があるため、特に弱い音の表現に影響が出ることがあります。

電子部品の寿命や故障リスク

サイレントユニットは電子部品で構成されており、その寿命はアコースティックピアノ本体(30年~100年)と比べて短く、約10~15年と言われています。電子部品であるため、故障のリスクも伴います。突然大きな音が出たり、音が途切れたりするバグや不具合が発生する可能性もゼロではありません。故障した場合、修理期間がかかったり、部品が生産終了している場合は修理が困難になることもあります。

グランドギャラリーで取り付けを行っているサイレントユニットは、寿命を迎えた際や故障した際、取り外して新たなサイレントユニットを取り付けることも可能な為、ご安心いただけるポイントになっております♪

メンテナンス性・追加費用

サイレントユニットの取り付けによって、ピアノの内部に多くの部品が加わるため、調律や修理などのメンテナンス作業がしにくくなることがあります。これにより、メンテナンスに手間や時間がかかり、費用が高くなる可能性も考えられます。また、電子部品であるサイレントユニット自体の保証期間が過ぎた場合、故障時の修理費や交換費用が別途発生します。

中古サイレントユニットの注意点

中古のサイレントピアノを購入する際は、特に注意が必要です。ピアノ本体は丁寧にメンテナンスされていれば長く使えますが、サイレントユニットの寿命は電子部品のため短いです。すでにサイレントユニットが取り付けられている中古ピアノは、ユニットの寿命が迫っている可能性が高く、購入後すぐに故障するリスクがあります。サイレント機能に不具合がある場合でも、その分販売価格が安くなっていることがありますが、結局修理や交換に費用がかかることも考慮すべきです。

サイレントピアノの選び方と導入の流れ

サイレントユニットの種類・機能

グランドギャラリーで後付けを行っているサイレントユニットはアサヒピアノ社から販売されている『Essence V2』『Frontier』のおふたつから選んで取り付けをすることができます。

サイレント機能のみのシンプルな機能をお求めの方は『Essence V2』の方がよりお手軽にお楽しみいただけます♪

作曲活動やデジタル連携を前提にした機能をお求めの方は、スマホ・タブレットに連携させて録音や記録ができる『Frontier』をお選びいただくとより多彩な機能をお楽しみいただけます♪

詳しくは、下記ボタンから詳細をご覧ください!

後付けユニットの費用とメリット

アコースティックピアノにサイレントユニットを後付けすることも可能です。後付けユニットの費用は、ユニット本体価格と取り付け費用を含め、約20万円台からが相場です。後付けの最大のメリットは、現在お持ちのアコースティックピアノをサイレント化できるため、新たにピアノを購入するよりも費用を抑えられ、慣れたピアノで引き続き練習できる点です。また、ユニットが新品であるため、寿命を最大限に活用できる安心感があります。

購入・設置・メンテナンスのポイント

サイレントピアノの購入・設置にあたっては、いくつかのポイントがあります。

  • 試弾と機能確認: 実際に店舗でサイレントモードを試弾し、タッチ感、ヘッドホンから聞こえる音質、打鍵音の響き方などを確認しましょう。
  • 設置スペース: アコースティックピアノを置くスペースに加え、消音ユニットの操作ボックスやヘッドホン、スピーカーなどの周辺機器を設置するスペースも考慮する必要があります。
  • 調律師の選定: サイレントユニットの取り付けや調整には専門的な技術が必要です。信頼できる調律師や技術者がいる販売店を選ぶことが重要です。特に、後付けユニットの場合、ピアノ本来のタッチ感を損なわないように精密な調整ができる技術力があるかを確認しましょう。
  • 定期的なメンテナンス: 電子部品の寿命や故障リスクを考慮し、定期的な点検やメンテナンスを行うことが、長く使い続ける上で大切です。

サイレントピアノが向いている人・向かない人

ピアノ購入者のニーズ別おすすめ度

  • 向いている人
    • マンションやアパートにお住まいで、周囲への音漏れを気にせず練習したい方。
    • 夜間や早朝など、時間帯を気にせずにピアノを弾きたい方。
    • アコースティックピアノのタッチ感を重視しつつ、消音機能も欲しい方。
    • ピアノの鍵盤をMIDIキーボードとして他の機器と連携させたい方(モデルによる)。
  • 向かない人
    • ピアノの100%の音とタッチ、繊細な表現力を常に追求したい方。
    • 打鍵音などのわずかな異音も気になる方。

実際の利用者の声・体験談


実際にサイレントピアノを利用している方からは、「時間を気にせず練習できるようになった」「アコースティックピアノのタッチで練習できるのが良い」といった肯定的な意見が多く聞かれます。特に、部活動などで練習時間が遅くなる中学生の家庭や、電子ピアノでは強弱の表現に限界を感じていた方にとって、有効な選択肢となっています。一方で、「打鍵音が意外と響く」「電子音の音質が物足りない」「電子部品の故障が心配」といったデメリットを指摘する声もあります。

よくある質問・トラブルと対策

サイレントピアノの故障・修理・寿命

サイレントユニットは電子部品であるため、寿命は約10~15年とアコースティックピアノ本体よりも短いです。故障の症状としては、電源が入らない、音が出ない・途切れる、鍵盤から異音がする、ペダルが反応しないなどがあります。簡単なトラブルは自分で対処できる場合もありますが、基本的にはメーカーや専門業者に修理を依頼することになります。修理費用は症状によって異なりますが、数万円程度かかることが一般的です。メーカー取り付けのサイレントユニットの場合、ユニットが製造終了した際は部品の発注が困難であったり交換が困難なこともありますが、グランドギャラリーで取り付けをしているサイレントユニットは、サイレントユニットが製造終了している場合でも、同社の最新モデルを新たに取り付けることが可能ですので、長く安心してお使いいただけることもメリットの一つです。

買取価格・リセール時の注意点

サイレントユニット付きのピアノは、電子部品の寿命が短いため、買取価格に影響を与える可能性があります。特に、ユニットが故障している場合や、取り付け時にピアノ本体に加工が施されている場合は、査定額が下がる傾向にあります。売却を検討する際は、アダプターなどの付属品をすべて揃えておくことが重要です。

おすすめヘッドフォンやスピーカー

サイレントピアノで使用するヘッドホンは、音質や装着感の良さが重要です。長時間の練習を考慮し、耳への負担が少ない開放型や密閉型の高品質なものがおすすめです。例えば、オーディオテクニカの開放型やYAMAHAの密閉型などがあります。スピーカーを接続して音を出すことも可能ですが、ピアノ本体の上に設置すると音の出方が不自然になる場合があります。小さいお子様には、ヘッドホンよりもスピーカーの方が耳に優しいとされています。

まとめ

サイレントピアノの総合評価

サイレントピアノは、アコースティックピアノのタッチ感を維持しつつ、消音機能によって練習環境の制約を大幅に緩和できる、現代の住宅事情に合った画期的な製品です。特にマンション住まいの方や夜間の練習を希望するピアノ学習者にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。しかし、打鍵音の問題や電子部品の寿命、メンテナンス性、タッチへの影響といったデメリットも存在します。導入を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自身のライフスタイルやニーズに照らし合わせて慎重に判断することが重要です。

タイプ別ベストな選択ポイント

  • 生音での演奏機会が多い方: 日中は生音、夜間は消音モードで練習したい場合は、サイレントピアノが最適です。
  • 基本的にサイレントモードしか使わない方: 高機能な電子ピアノの方が、コストパフォーマンスや維持費の面でメリットが大きい場合があります。

導入前に確認したいこと

サイレントピアノの導入を検討する際は、まず実際に試弾をして、タッチ感やヘッドホンから聞こえる音質、打鍵音の響き方などを自分の耳で確認することが大切です。また、信頼できる調律師や販売店に相談し、ユニットの種類や費用、取り付け後のメンテナンス、保証内容などを詳しく確認しましょう。特に、後付けユニットを検討している場合は、ピアノ本体のモデルが対応しているか、取り付け技術が確かな業者であるかを確認することが重要です。


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マンションでピアノを楽しみたい人のために

マンションなどの集合住宅でピアノを演奏したいと考えている方にとって、音の問題は避けて通れない課題です。趣味でピアノを弾きたい大人の方や、本格的な練習に打ち込みたい方が、周囲に気を遣うことなく快適なピアノライフを送るためには、適切な防音対策が不可欠です。

しかし、ピアノの防音対策は多岐にわたり、どこまで対策すれば良いのか、どのような方法があるのか、費用はどれくらいかかるのかといった疑問を抱えている方も多いでしょう。本記事では、そのような疑問にお答えし、マンションでのピアノ演奏を叶えるための具体的な防音対策について詳しく解説します。

マンションでのピアノ演奏の現実

管理規約や物件種別による演奏可否

マンションでピアノを演奏する際には、まずその物件の管理規約を確認することが重要です。管理規約には楽器演奏の可否が記載されており、「楽器演奏禁止の物件」「楽器演奏が許可されている物件(演奏できる楽器や時間が制限されている場合あり)」「24時間いつでも演奏しても良い物件」の3種類があります。

もし楽器演奏が禁止されているマンションに住んでいる場合、どんなに小さな音で演奏してもトラブルになる可能性があるため、演奏が許可されている物件への引っ越しを検討する必要があるでしょう。楽器演奏が許可されているマンションであっても、演奏時間帯の制限が設けられていることが一般的です。例えば、早朝や深夜の演奏は不可とされていることが多いです。

ピアノの音はどこから漏れる?響板と伝播音を理解

ピアノの音は、演奏者が考えている以上に広範囲に伝わり、近隣住民にとって騒音となる可能性があります。効果的な防音対策を行うためには、まず音がどのように発生し、伝わるのかを理解することが重要です。

アップライトピアノとグランドピアノの構造の違い

ピアノは弦楽器と打楽器の要素を併せ持つ鍵盤楽器です。鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き、その振動が「響板」に伝わって増幅され、音として私たちの耳に届きます。この「響板」の位置が、アップライトピアノとグランドピアノで大きく異なります。

アップライトピアノアップライトピアノは縦型の構造で、響板がピアノの背面(弾き手から奥側)に位置しています。そのため、音の多くは背面方向に出ます。壁にぴったりと設置した場合、音が壁を伝って隣室や上下階に漏れやすくなります。

グランドピアノグランドピアノは弦が水平に張られており、響板がピアノの底面全体に広がっています。この構造のため、音は上下方向(特に床方向)に大きく響きやすく、音量もアップライトピアノの1.2~1.5倍程度になると言われています。屋根を開けることでさらに音が広がるため、より広範囲への防音対策が必要になります。

空気伝播音・固体伝播音とは

ピアノから出る音は、「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類に分類されます。

空気伝播音(空気音)空気が振動して伝わる音です。ピアノの「音色」そのものがこれに該当します。壁や窓、ドアなどを介して隣室や屋外に漏れ出します。壁や窓の密度が低かったり、隙間があったりすると、音が通り抜けやすくなります。

固体伝播音(固体音)床や壁、天井などの建物の構造自体が振動することで伝わる音です。ピアノの打鍵音やペダル操作による振動、椅子の移動音などがこれにあたります。固体伝播音は、糸電話のように建物の構造体を伝わり、隣室や上下階だけでなく、斜め下の部屋など広範囲に伝わる特性があります。マンションにおけるピアノの騒音トラブルは、この固体伝播音によるものがほとんどだと言われています。

ピアノの防音対策では、この空気伝播音と固体伝播音の両方に対して対策を講じることが重要です。どちらか一方の対策だけでは、十分な効果は期待できません。

生活音とピアノ音量の比較(デシベルと体感の目安)

ピアノの音量は非常に大きく、日常生活における他の音と比較すると、その対策の必要性がより明確になります。音の大きさは「デシベル(dB)」という単位で表されます。

騒音とデシベルの目安

40dB:図書館の中、家庭用エアコンの音(静かだと感じるレベル)

60dB:普通の会話(日常的に聞こえるレベル)

70dB:大きめの声、テレビの音(少しうるさいと感じ始めるレベル)

80dB:電車の車内、救急車のサイレン(うるさいと感じるレベル)

90dB:ピアノ(趣味の練習)、騒々しい工場内(かなりうるさいと感じるレベル)

100dB:ピアノ(プロの演奏)、地下鉄の構内、電車が通るガード下(極めてうるさいと感じるレベル)

一般的に、人が「うるさい」と感じ始めるのは50dB以上と言われています。住宅地の騒音基準は昼間で55dB以下、夜間で45dB以下とされており、ピアノの音量(90~110dB)はこれを大幅に上回ります。

壁越しに聞こえるピアノの音は50~65dB程度になることがありますが、これは家庭用エアコンの室外機や走行中の自動車内と同じくらいの音量です。たとえこのレベルまで音量が下がっても、演奏される時間帯や音質(周波数特性)によっては、不快に感じられる可能性があります。音の大きさだけでなく、音色や音の伝わり方、そして受け手の感じ方によって「騒音」となるため、事前の対策が非常に重要です。

防音グッズ&対策アイデア集

マンションでピアノを楽しむためには、様々な防音グッズや対策アイデアを組み合わせることが効果的です。ここでは、定番のアイテムから本格的な設備、低コストで実践できる工夫までをご紹介します。

定番!防音マット・パネル・カーテン

手軽に導入できる防音グッズとして、以下の3点が挙げられます。

防音マット床への固体伝播音対策に最も効果的です。ピアノの打鍵音やペダルの操作音、椅子の移動音など、床を介して階下や隣室に伝わる振動音を軽減します。ゴム製や特殊な多層構造を持つものが多く、厚さ5~10mm程度が目安です。

効果: 約10~15dBの軽減が期待できます。日常会話の音量(60dB)が、エアコンの室外機の音量(50dB)程度になる感覚です。

費用感: 1~3万円程度。

具体例: ピアリビングの「静床ライト」や「P防振マット」、イトマサの「防音じゅうたん」など。

防音パネル・吸音パネル空気伝播音対策として、壁に設置することで音の反響を抑え、外部への音漏れを防ぎます。

効果: 約10~20dBの軽減が期待できます。怒鳴り声(90dB)が普通の会話(60dB)程度まで下がる感覚です。

費用感: 1枚4,000円~5,000円程度から、数万円するものまで様々。

具体例: ピアリビングの「ワンタッチ防音壁」や「ポリリーフ」、東京防音の「防音ECOパネル」「ホワイトキューオン」など。アップライトピアノの背面に特化したパネルもあります。

防音カーテン窓は壁よりも薄く、音漏れしやすい箇所です。厚手で密度の高い生地、または多重構造の防音カーテンを設置することで、窓からの空気伝播音を防ぎます。

効果: 約5~10dBの軽減が期待できます。

費用感: 3,000円程度から、高機能なものだと数万円。

ポイント: 窓枠よりも大きいサイズを選び、隙間なく取り付けることが重要です。

サイレントユニット・防音室など本格的な設備

より本格的な防音対策としては、以下の設備が考えられます。

サイレントユニット(消音ユニット)アコースティックピアノに後付けで取り付けることで、生のピアノの音を消し、ヘッドホンで演奏できる機能です。日中は生音で、夜間はヘッドホンで練習するなど、時間帯によって切り替えが可能です。

効果: ピアノ本体からの音をほぼ完全に消音し、ヘッドホンでの演奏が可能になります。固体伝播音(打鍵音やペダル音)は残るため、床対策は別途必要です。

費用感: アップライトピアノ用で約20万円~、グランドピアノ用で約30万円~(本体価格+取り付け費用)。

注意点: ピアノのタッチや音色にわずかな変化が生じる場合があります。

簡易防音室(ユニット型防音室)部屋の中に組み立て式の防音室を設置する方法です。工事期間が短く、分解して移動できるため賃貸物件でも導入しやすいメリットがあります(ただし管理会社の許可が必要)。

効果: 高い防音効果が期待でき、思い切り演奏できる環境が整います。Dr-40~Dr-50程度の遮音性能が目安です。これにより、ピアノの音(90~100dB)がひそひそ声(30dB)やほとんど聞こえないレベル(20dB)まで減衰する可能性があります。

費用感: 2~3畳程度で20万円~200万円程度。広さや遮音性能によって大きく変動します。

注意点: 部屋の中に部屋を作るため、室内のスペースが狭くなります。重量制限にも注意が必要です。

低コストで効果的なアイテム例と実践術

大きな費用をかけずにできる防音対策もいくつかあります。

ピアノの設置場所の工夫

壁からの距離を確保: アップライトピアノの場合、背面から音が出るため、壁から5~10cm程度離して設置することで、壁への音の伝わりを軽減できます。

隣室と接していない壁を選ぶ: ピアノを置く部屋の、隣室と接していない壁側に設置することで、音漏れのリスクを減らせます。

家具の配置: ピアノのある部屋の隣室と接する壁面に、本棚やタンスなどの背の高い家具を配置することで、簡易的な防音壁としての効果が期待できます。特に衣類が収納されたタンスは吸音効果も持ちます。

ピアノ本体の工夫

蓋を閉めて演奏: グランドピアノの場合、蓋を閉めることで音量を下げられます。

マフラーペダルの使用: アップライトピアノの真ん中のペダル(マフラーペダル)を踏むことで、ハンマーと弦の間にフェルトが入り、音量を約1/3程度に抑えることができます。

防音インシュレーター: ピアノの脚の下に防振ゴム製インシュレーターを設置することで、床への振動伝達を軽減します。約2万円程度で購入可能です。

その他の低コスト対策

段ボールの活用: 緊急の応急処置として、段ボールを壁や窓に貼り付けると吸音効果が期待できます。ただし見た目は良くありません。

防音テープ: 窓やドアの隙間を塞ぐ防音テープを貼ることで、隙間からの音漏れを防げます。数百円~1,000円程度で購入可能です。

これらの対策は、組み合わせて行うことでより高い効果を発揮します。まずは手軽にできるものから試し、効果を見ながらステップアップしていくのがおすすめです。

ピアノの種類別・防音対策チュートリアル

ピアノの種類によって音の出る方向や響き方が異なるため、それぞれに合わせた防音対策を行うことが重要です。ここでは、アップライトピアノ、グランドピアノ、電子ピアノの3種類について、重点的に行うべき対策を解説します。

【アップライトピアノ】壁・床・背面からの音漏れ対策

アップライトピアノは、その構造上、音の多くがピアノの背面から出ます。そのため、背面が接する壁や、床への振動対策が特に重要になります。

背面に遮音材・吸音材を貼るアップライトピアノの背面には共鳴板があるため、背面から出る空気伝播音が壁を通して隣室に伝わりやすいです。

対策: ピアノの背面に「防音ECOパネル」や「ナンバーチューン」などの遮音材や吸音材を貼ります。これにより、背面からの音漏れを約16~22dB程度軽減できるとされています。これは、騒がしい工場内(90dB)が、電車が通るガード下(80dB)程度になる感覚です。

費用感: 2万円~8万円程度。

壁全体への対策ピアノを置く部屋の壁全体に防音壁を設置することも、隣室への空気伝播音対策として非常に有効です。

対策: ピアリビングの「ワンタッチ防音壁」や「ポリリーフ」、または「ホワイトキューオン厚み50mm」などを壁一面に設置します。

費用感: 防音壁の種類や範囲によりますが、1枚4,000円~5,000円程度から、部屋全体で数万円~数十万円。

床に防振材・遮音材を敷くアップライトピアノの打鍵音やペダル音は、固体伝播音として床から階下や隣室に響きやすいです。

対策: ピアノの脚の下に「防振インシュレーター」を設置し、さらにその下に「P防振マット」や「防振ベース」「静床ライト」といった防音・防振マットを敷き詰めます。これらの組み合わせにより、階下への振動音を大幅に軽減できます。例えば「P防振マット」は約20%の衝撃音を小さくし、「防振ベース」は約30%の音を軽減すると言われています。これは、走行中の電車内(80dB)が、掃除機の音(70dB)程度になる感覚です。

費用感: 防振インシュレーター約2万円、防音マット約1万円~3万円程度。

【グランドピアノ】階下・床への振動&響きへの対策

グランドピアノは響板が底面にあり、音全体が広がりやすいため、アップライトピアノよりもさらに広範囲かつ本格的な防音対策が必要です。特に床への振動対策と、部屋全体の音響対策が重要になります。

床への徹底的な防振・遮音対策グランドピアノの響板は床に近いため、打鍵やペダルによる振動が直接床に伝わり、階下への固体伝播音として大きな問題となります。

対策: ピアノの脚の下に防振インシュレーターを設置するだけでなく、ピアノ全体を覆うように「防音・防振ステージ」や「P防振マット」「大建工業 防振ベース」などを敷き詰めます。可能であれば、床面とピアノの間に空気層を作る「ピアノ架台」も非常に有効です。これらの対策により、階下への固体伝播音を大幅に低減できます。例えば「防振ベース」は耳に聞こえる音の大きさを約30%軽減するとされています。

費用感: 防振インシュレーター約2万円、防音・防振マット約5万~10万円程度、ピアノ架台は約26万円。

防音ルームの導入グランドピアノの豊かな響きと音量を考慮すると、部分的な対策だけでは不十分な場合が多いです。最も効果的なのは、防音ルームを導入することです。

対策: ヤマハの「アビテックス」やカワイの「ナサール」のようなユニット型防音室、または専門業者による自由設計の防音室を設置します。グランドピアノが入るサイズ(3.5畳~4.3畳)の防音ルームで、Dr-35~Dr-50程度の遮音性能が期待できます。これにより、プロの演奏(110dB)が、ささやき声(30dB)やほとんど聞こえないレベルまで減衰する可能性があります。

費用感: ユニット型防音室で115万円~230万円。自由設計の場合はさらに高額になる傾向があります。

注意点: 防音室は高額な投資となるため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

簡易的な音量低減策

ピアノ屋根(蓋)を閉める: 最も手軽な方法ですが、防音効果は限定的です。

【サイレント付きピアノ】消音とリアルなタッチの両立方法

サイレント付きピアノは、音量調節が可能でヘッドホンを使えば音漏れの心配が少ないため、マンションでの利用に最も適していると言えます。しかし、打鍵音やペダル操作による「固体伝播音」は発生するため、床への対策は必要です。

床への防振材設置電子ピアノ本体の振動や、鍵盤を叩く衝撃、ペダルを踏む衝撃は直接床に伝わります。

対策: 「P防振マット」や「防振ベース」などの防振材を電子ピアノの下に敷くことが効果的です。これにより、階下への振動音を軽減できます。

費用感: 防音マット1万円~3万円程度。

消音機能の活用とヘッドホン演奏電子ピアノの最大のメリットは、音量を自由に調節できることと、ヘッドホンを使って演奏できることです。

対策: 普段の練習ではヘッドホンを積極的に活用し、外部への音漏れを完全に防ぎましょう。多くの電子ピアノには「ステレオフォニックオプティマイザー」のような機能が搭載されており、ヘッドホン着用時でも自然な音の広がりを感じられるよう工夫されています。

工事やリフォームによる本格的な防音対策

マンションで本格的なピアノ演奏を望む場合、工事やリフォームによる防音対策が最も効果的です。しかし、費用も高額になるため、事前の情報収集と計画が重要です。

防音室施工・リフォームの種類と費用感

防音工事には、大きく分けて「ユニット型防音室の設置」と「部屋全体を防音室にリフォームする自由設計タイプ」の2種類があります。

ユニット型防音室の設置ヤマハの「アビテックス」やカワイの「ナサール」など、メーカー製の組み立て式防音室を部屋の中に設置します。

メリット: 工期が短く(半日~1週間程度)、分解して移動できるため、転居の可能性がある場合にも対応しやすいです。

デメリット: 部屋の中に部屋を作るため、室内空間が狭くなります。また、サイズやデザインの自由度が低い場合があります。

費用感: 2~4畳程度の防音室で、本体価格と設置工賃を合わせて約100万円~230万円。

2.0畳のアップライトピアノ用で約50万円~。

3.5畳のグランドピアノC5サイズまで対応で約115万円~230万円。

自由設計の防音室リフォーム既存の部屋を解体し、壁・床・天井・窓・ドアなどを全て防音仕様に作り替える工事です。「ボックスインボックス構法」と呼ばれる、部屋の中に浮いた状態のもう一つの箱を作る工法が一般的です。

メリット: 非常に高い防音性能が期待でき、室内の音響設計やデザインの自由度が高いです。ピアノの種類や求める音響環境に合わせて、最適な空間を設計できます。

デメリット: 工期が長く(2週間~1ヶ月以上)、費用が高額になります。賃貸物件では基本的に難しいです。

費用感: 6畳の部屋を防音室にする場合、約200万円~800万円が目安。

ピアノレッスン室(5畳、グランドピアノ):180万円~210万円(D-70以上)

ピアノレッスン室(9畳、グランドピアノ):240万円~270万円(D-75)

フルバンドスタジオ(9畳、戸建て):350万円~380万円(D-70~D-75)

マンションでの工事の注意点・実例紹介

マンションで防音工事を行う際には、いくつかの注意点があります。

管理規約の確認: マンションの管理規約で、リフォームや楽器演奏に関する規定を必ず確認しましょう。工事の許可や演奏可能な時間帯、楽器の種類などが細かく定められている場合があります。無許可で工事を行うとトラブルに発展する可能性があります。

近隣住民への配慮: 工事中の騒音や、完成後のピアノ演奏について、事前に近隣住民へ説明し、理解を得ることが大切です。良好な人間関係を築くことで、万が一のトラブルを避けることができます。

建物の構造と重量制限: マンションの構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造など)によって、防音性能や工事の可否、重量制限が異なります。防音材は重量があるものが多いため、床の耐荷重を事前に確認する必要があります。

共用部分の扱い: 窓やサッシは共用部に当たるため、交換は基本的にできません。内窓の設置は可能ですが、事前に管理組合へ確認しましょう。

施工事例(費用目安)

マンションの和室をピアノ室にリノベーション(遮音・防振構造、ドア・窓の防音):費用記載なし

マンションの一室を防音室にリフォーム(断熱・遮音性向上、窓・扉の防音):270万円

遮音性能の見方と失敗しない選び方

防音室の遮音性能は「Dr値」または「D値」という単位で評価されます。数字が大きいほど遮音性能が高いことを示します。

Dr値(室間音圧レベル差等級)の目安

Dr-30:壁を隔ててピアノの音が「小声」くらいに聞こえる

Dr-40:壁を隔ててピアノの音が「ひそひそ声」くらいに聞こえる

Dr-50:壁を隔ててピアノの音がほぼ聞こえない

Dr-60:ほとんど聞こえない

Dr-65:通常では聞こえない(ピアノやステレオを楽しめるレベル)

【失敗しない選び方】

目的と予算の明確化: どのようなピアノを、どれくらいの頻度・時間帯で演奏したいのか、そしてどれくらいの予算をかけられるのかを明確にしましょう。

専門業者への相談: 防音工事は専門知識が必要なため、防音室の設計・施工実績が豊富な業者に相談することが重要です。音響設計にも力を入れている会社を選ぶと、音漏れ対策だけでなく、快適な音響空間も実現できます。

現地調査と見積もり: 電話やオンラインでの概算見積もりだけでなく、必ず現地調査を依頼し、建物の構造や周辺環境を考慮した正確な見積もりを取りましょう。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

防音体験: 可能であれば、実際に施工実績のある防音室を体験し、その防音性能や音響を自分の耳で確かめることが重要です。

遮音保証の確認: 施工後に約束通りの遮音性能が発揮されるか、保証内容を確認しましょう。

まとめ

ピアノライフを快適に楽しむために

マンションでピアノの演奏を楽しむためには、音の問題に真摯に向き合い、適切な防音対策を講じることが不可欠です。ピアノの音は「空気伝播音」と「固体伝播音」の2種類があり、それぞれの特性に合わせた対策が必要です。特にマンションでは、打鍵音やペダル音などの「固体伝播音」が階下や隣室に伝わりやすいため、床への防振対策が非常に重要になります。

また、ピアノの種類によって音の出る方向や響き方が異なるため、アップライトピアノ、グランドピアノ、電子ピアノそれぞれの構造を理解し、効果的な対策を選択することが求められます。

自分に合った防音対策の選び方

本記事で紹介したように、ピアノの防音対策には、手軽な防音グッズから本格的な防音室の設置まで、様々な方法があります。ご自身の演奏目的、予算、住んでいる物件の条件、そして近隣住民との関係性を総合的に考慮し、最適な対策を選びましょう。

手軽な対策から始める: まずは防音マット、防音パネル、防音カーテンなど、比較的低コストで導入できるグッズから試してみるのも良いでしょう。

ピアノ本体への対策: サイレントユニットの導入やマフラーペダルの活用など、ピアノ本体の機能を活かした対策も有効です。

本格的な対策: 趣味として、あるいはプロを目指す本格的な練習のために、思い切り演奏したい場合は、簡易防音室や自由設計の防音室リフォームを検討しましょう。費用は高額になりますが、その分高い防音効果と快適な演奏環境が手に入ります。

どんな対策を選ぶにしても、近隣住民への配慮は最も重要です。事前に演奏時間帯について相談し、良好なコミュニケーションを心がけることで、安心してピアノライフを楽しむことができるはずです♪


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中古ピアノ カワイ(KAWAI K400 AURES) 響板スピーカー ハイブリッドアップライトピアノ
【商品】 中古ピアノ
【品名】 KAWAI K400 AURES
【演奏動画】

響板スピーカー ハイブリッドアップライトピアノ

【品質保証】 1年
【サ イ ズ】 高さ122cm×幅149cm×奥行き61cm
【重  量】 230kg
【年  式】 2019年
【  色  】 黒/艶出し塗装仕上げ
【特  徴】
カワイアップライトピアノの現行モデル「K-400」をベースとしたピアノです。中古品となりますが、年式も新しい為、状態は非常に良好です。

シンプルでありながら現代の住宅空間に映えるモダンデザインに加え、複数枚の楽譜や、大きな楽譜も置ける94cmのワイド譜面台、鍵盤蓋がゆっくりと閉まる「ソフトフォールシステム」、指先に心地よいフィーリングをもたらす「ウルトラ・レスポンシブ・アクションII」を搭載。

またこちらに搭載されている「AURES」は、消音機能、そしてピアノの響板を活かした高性能なスピーカーです。

生のピアノとしてはもちろん、ヘッドフォンを装着して演奏をする消音機能、そしてヘッドフォンを使わずに音量を調整しながら演奏することも可能です。

「AURES」のサンプリング音源は、カワイのフルコンサートピアノである「SK-EX」から録音しており、消音時でも高品位な演奏をお楽しみいただけます。

鍵盤のタッチ感は、非接触型光センサーによって鍵盤の動きを捉えるため、消音時にもアコースティックピアノに限りなく近い感覚で演奏することができます。

周囲への音の配慮が必要な場合や、時間帯に合わせて演奏をお楽しみいただけます。

Bluetooth機能に対応しており、スマートフォン/タブレット専用のアプリ使用して、音楽の再生・音色やメトロノーム・録音機能を操作することも可能です。

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中古ピアノ カワイ(KAWAI K400 AURES) 響板スピーカー ハイブリッドアップライトピアノ ピアノの詳細はこちら
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中古ピアノ ヤマハ(YAMAHA C3-DKVPRO) 弾いて、聴いて、楽しめる木目の自動演奏機能付モデル
【商品】 中古ピアノ
【品名】 YAMAHA C3-DKVPRO

弾いて、聴いて、楽しめる木目の自動演奏機能付モデル

【品質保証】 1年
【サ イ ズ】 高さ101cm×幅149cm×奥行き186cm
【重  量】 349kg
【年  式】 2011年
【  色  】 アメリカンウォルナット/ナチュラル半艶仕上げ塗装
【特  徴】
ベースモデルはヤマハグランドピアノの中でも最も人気の高いモデル「C3」の木目の自動演奏付きモデルを入荷しました。

ピアノを演奏できる人も、できない方も楽しめるヤマハの自動演奏機能「ディスクラビアE3シリーズ」を搭載しています。

マンションのエントランスやホール、レストランやカフェ、イベント会場など多彩な場所でお使いいただけます。

440曲が入ったCDが付属付属している為、購入したその日からポップス、ジャズ、クラシックなど様々なジャンルの中からお好みの曲を楽しむことが可能。

また、アコースティック(生音)、自動演奏以外にも消音機能を搭載していますので、マンションなど音を気にする必要がある一般家庭でもお勧めな一台です。

木目グランドは滅多に入荷しませんので、ご検討される方はお早めにお問合せ下さい。

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中古ピアノ ヤマハ(YAMAHA C1X-TA2) コンパクトなトランスアコースティック™ピアノ
【商品】 中古ピアノ
【品名】 YAMAHA C1X-TA2

コンパクトなトランスアコースティック™ピアノ

【演奏動画】

【品質保証】 1年
【サ イ ズ】 高さ101cm×幅149cm×奥行き161cm
【重  量】 311kg
【年  式】 2020年
【  色  】 黒/艶出し塗装
【特  徴】
ヤマハのトランスアコースティック™ピアノ「TA2シリーズ」のグランドピアノです。

現行モデル「CXシリーズ」の中で最もサイズが小さい1型サイズ(奥行き161cm)のグランドピアノです。

製造年は2020年と新しく、設置スペースの問題で小型をグランドピアノをお探しの方、新品の同型モデルを検討されている方に是非お勧めしたい1台です。

トランスアコースティック™モードでは、響板からの響きはアコースティックピアノそのものの音から電子音に切り替わります。

また鍵盤は、非接触の光センサーにより、アコースティックピアノの弾き心地はそのままで、音量を調整する事が可能。

消音(サイレント)機能も搭載しており、ヤマハのフルコンサートグランドピアノ「CFX」、または世界3大ピアノブランドのひとつウィンナートーンで有名なベーゼンドルファー「インペリアル」のどちらかの音色をお楽しみいただけます。

トランスアコースティック™ピアノは、トランスデューサー(加振器)が電子音の情報を振動に変換して響板に伝える技術を搭載したピアノです。

ピアノの響板自体がスピーカーの役割となり、コンパクトピアノでも全体が共鳴するアコースティックならではの豊かな響きが生み出すことができます。

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新品ピアノ ヤマハ(YAMAHA  YUS3-SH3) 高さ131cmのアップライトピアノの正統派モデル
【商品】 新品ピアノ
【品名】 YAMAHA  YUS3-SH3

高さ131cmのアップライトピアノの正統派モデル

【サ イ ズ】 高さ131cm×幅152cm×奥行き65cm
【重  量】 251kg
【  色  】 黒/鏡面艶出し塗装
【特  徴】
アップライトピアノは、全体で約8000個に及ぶパーツから成り立っています。

中でも音質に関わるパーツの選択は、ピアノの音づくりに大きく影響します。

YUSシリーズでは、特にピアノの音の要となるハンマーフェルトとミュージックワイヤーに、世界が認めたヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノの「CFX」と同等の素材を用い、音の表情の幅をこれまで以上に豊かにし、色彩感を持った粒立ちの良い音色を追求。

さらに一台一台のピアノの個性に合わせてハンマーを整え音に命を吹き込んでいく整音を、ヤマハの熟練した技術者が時間をかけて行うことで、弾き手に深く呼応する高い音質を実現しています。

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    新品ピアノ ヤマハ(YAMAHA  YUS3MhC-SH3) 高さ131cmのアップライトピアノの正統派モデル
    【商品】 新品ピアノ
    【品名】 YAMAHA  YUS3MhC-SH3

    高さ131cmのアップライトピアノの正統派モデル

    【サ イ ズ】 高さ131cm×幅152cm×奥行き65cm
    【重  量】 251kg
    【  色  】 マホガニー/鏡面艶出し塗装
    【特  徴】
    アップライトピアノは、全体で約8000個に及ぶパーツから成り立っています。

    中でも音質に関わるパーツの選択は、ピアノの音づくりに大きく影響します。

    YUSシリーズでは、特にピアノの音の要となるハンマーフェルトとミュージックワイヤーに、世界が認めたヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノの「CFX」と同等の素材を用い、音の表情の幅をこれまで以上に豊かにし、色彩感を持った粒立ちの良い音色を追求。

    さらに一台一台のピアノの個性に合わせてハンマーを整え音に命を吹き込んでいく整音を、ヤマハの熟練した技術者が時間をかけて行うことで、弾き手に深く呼応する高い音質を実現しています。

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      【商品】 新品ピアノ
      【品名】 YAMAHA  YUS3Wn-SH3

      高さ131cmのアップライトピアノの正統派モデル

      【サ イ ズ】 高さ131cm×幅152cm×奥行き65cm
      【重  量】 251kg
      【  色  】 アメリカンウォルナット/ナチュラル半艶仕上げ塗装
      【特  徴】
      アップライトピアノは、全体で約8000個に及ぶパーツから成り立っています。

      中でも音質に関わるパーツの選択は、ピアノの音づくりに大きく影響します。

      YUSシリーズでは、特にピアノの音の要となるハンマーフェルトとミュージックワイヤーに、世界が認めたヤマハ最高峰のコンサートグランドピアノの「CFX」と同等の素材を用い、音の表情の幅をこれまで以上に豊かにし、色彩感を持った粒立ちの良い音色を追求。

      さらに一台一台のピアノの個性に合わせてハンマーを整え音に命を吹き込んでいく整音を、ヤマハの熟練した技術者が時間をかけて行うことで、弾き手に深く呼応する高い音質を実現しています。

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        我が家に新しい響きをもたらしてくれました。

        留学時代の恩師も、来日の際に弾きにいらして下さり、お墨付きを頂きました。グランドギャラリーでの出会いを大切にしていきたいです。

                               

        東京都 スタインウェイ B211

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        その他、技術、物流、税務など各部門のスぺシャリストがサポートします。

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