PIANO HAMMER
ピアノの「音色」を生み出す
ハンマーの秘密
「ハンマーって、どのピアノも同じじゃないの?」
実は、ピアノの音色・タッチ・表現力を語るうえで、ハンマーはとても重要な部品なんです。
ピアノの音色を決めるものというと、弦や響板、ボディなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、鍵盤を押したときに実際に弦を叩いて音を生み出しているのが「ハンマー」です。
そして、このハンマーはメーカーやモデル、年代によって、素材や構造、硬さなどが異なります。
🎹 ハンマーが変わると、音も変わる。
柔らかく繊細な音、明るく華やかな音、芯のある力強い音、深みのある音……。
こうしたピアノの個性には、ハンマーも大きく関わっています。
今回は、普段はなかなか見ることのできない「ピアノのハンマー」について、歴史・種類・製法まで詳しくご紹介します!
まず知っておきたい!「ハンマー」の役割
ピアノの鍵盤を押すと、その動きがアクションを通じてハンマーへ伝わります。
そしてハンマーが弦を叩くことで、ピアノの音が生まれます。
POINT
同じ弦を使っていても、
ハンマーの形状・硬さ・フェルトの状態などによって、
弦への当たり方が変わり、音色にも違いが生まれます。
ハンマーの歴史をたどってみよう
現在のピアノでは、ハンマーウッドと羊毛フェルトを組み合わせた構造が一般的ですが、最初から現在の形だったわけではありません。
01|クリストフォリの時代
ピアノを発明したバルトロメオ・クリストフォリが製作した初期のピアノでは、ハンマーの表面に鹿の皮が使用されていたとされています。
02|より大きな音へ
ピアノが普及し、より大きな音量と豊かな表現力が求められるようになると、弦やハンマーなど、ピアノの構造も大きく進化していきました。
03|羊毛フェルトへ
弦に鋼鉄製の弦が使われるようになると、それに対応するため、ハンマーにも改良が加えられました。
その中で現在まで広く使われているのが羊毛フェルトです。
🎼 フェルトの役割
フェルトの厚みや硬さ、密度などを調整することで、
弱く弾いたときの柔らかな音から、
強く弾いたときの芯のある力強い音まで、幅広い表現が可能になりました。
ショパンが愛した「プレイエル」
ピアノの歴史を語るうえで欠かせない作曲家の一人が、フレデリック・ショパンです。
PLEYEL
ショパンはフランスのピアノメーカー「プレイエル」を愛用したことで知られています。
ショパンが活躍した時代は、まさにピアノが大きく進化していた時期。
ハンマーをはじめとするアクション機構や弦、響板などの改良によって、より繊細な弱音から力強い音まで、幅広い表現が可能になっていきました。
現在私たちが当たり前のように楽しんでいる「ピアノの表現力」も、こうした長い歴史の積み重ねによって生まれてきたものなんですね♪
さらに進化した「オールアンダーフェルト」
さらに時代が進むと、ハンマーの内部と外側で硬さを変えるための「アンダーフェルト」を使用した構造も登場します。
アンダーフェルトとトップフェルトという性質の異なるフェルトを組み合わせることで、ハンマーの硬さや弾性を細かくコントロール。
これによって、ピアニッシモの繊細な表現からフォルテの力強い表現まで、より幅広い音色を引き出せるようになりました。
ハンマーの「内部」まで、音色を作るための工夫が詰まっています。
【シングルハンマー】

【オールアンダーフェルトハンマー】

ハンマーにも「いろいろな種類」があります
現在のピアノに使用されているハンマーにも、さまざまな種類があります。
🇯🇵 日本製
ヤマハ・カワイなど
自社製造のハンマーも
日本では、ピアノハンマーの製造を専門とする「今出川ハンマー」もあります。
また海外製では、ドイツの「レンナーハンマー」や「アベルハンマー」、イギリスの「ロイヤルジョージハンマー」などが知られています。
「どのハンマーを使っているか?」
そこからピアノの個性を探ってみるのも面白いですよ♪
【レンナーハンマー】

【アベルハンマー】

【ロイヤルジョージハンマー】

こんなに細かい!ハンマーの製法
では、普段はピアノの内部に隠れているハンマーは、どのように作られているのでしょうか?
1
ハンマーウッドとフェルトを準備
2
調湿・接着・成型
3
フェルトと木部を整える
4
88鍵それぞれに合わせて加工
5
アクションに取り付けて完成
ハンマーは、ハンマーウッドとハンマーフェルトを組み合わせ、接着剤や熱などを用いて成型されます。
さらにフェルトの状態を適切に保つための調湿など、細かな管理も行われています。
その後、88鍵それぞれに合わせて細かく加工され、最終的にはピアノのアクションへ取り付けられます。
実は「88個すべて」が同じではありません。
音域によってハンマーの大きさや形状も変わります。
1台のピアノの中に、たくさんの工夫が詰め込まれているんです。
まとめ|ハンマーを知ると、ピアノ選びがもっと面白くなる!
🎹 ハンマーのここに注目!
✓ ハンマーは弦を叩いて音を生み出す重要な部品
✓ 素材・構造・硬さなどによって音色が変わる
✓ 日本製からドイツ・イギリス製まで種類がある
✓ ハンマーは長いピアノの歴史の中で進化してきた
✓ ピアノはハンマーだけでなく、さまざまな部品の組み合わせで音色が決まる
ピアノの音色は、ハンマーだけで決まるものではありません。
響板、弦、アクション、キャビネット、整音や調律など、さまざまな要素が組み合わさって、1台のピアノの音色が作られています。
だからこそ、同じメーカー・同じモデルでも、実際に弾いてみると「このピアノの音が好き!」と感じる1台に出会うことがあります。
ピアノは「スペック」だけでは分からない。
ぜひ実際に弾いて、音を聴いて、触れてみてください。
そして、その音色を生み出している
「ハンマー」にも少し注目してみてください🎹
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