ピアノの情報ブログの使命は、あらゆるピアノの情報を共有し、皆様の素晴らしいピアノライフを応援することです。

【グランドギャラリー東京開催】
第3回テクニカルアカデミー 開催レポート

力学と構造から紐解く「打点を揃える」真の調律技術!
ピアノ調整・ベッティング・ダンパーペダル機構・整音の徹底解説

📍 会場
グランドギャラリー東京

🎹 今回のテーマ
ピアノ調整と整音技術の徹底解説
~アクション機構・ベッティング・ダンパーペダル・整音の実践~

▲ グランドギャラリー東京で開催された第3回テクニカルアカデミーの様子

今回のセミナーポイント

① 「慣れ」による疑問の喪失を克服し、プロ同士で学び合う参加型の勉強会

② ハンマーアクション調整における「2点一致」の力学とスポ抜け(空振り)防止策

③ スタインウェイ独自のキーベッド構造と、ペダルを活用したベッティング調整

④ ダンパーペダルがかかり始める「半分の半分」の必然性とハーフダンパーの構造的仕組み

⑤ ハンマー内部の密度構造から逆算する整音技術と「打点・タイミング・エネルギー」の統一

第3回テクニカルアカデミーを開催しました

 

先日、グランドギャラリー東京にて、

「第3回 テクニカルアカデミー」

を開催いたしました。

今回のテーマは、

「ピアノ調整と整音技術の徹底解説」

~力学構造に基づくアクション調整・ベッティング・ダンパーペダル・整音の実践~

ピアノは物理的に製造された精密な「ハードウェア」である一方、音楽は目に見えず消えていく「ソフトウェア」です。日々の調律業務を重ねるなかで、演奏者から見たピアノと調律師から見たピアノの間に無意識の距離が生まれてしまうことがあります。

今回のセミナーでは、「なぜその数値に合わせるのか」「その調整を行う目的は何なのか」という根本的な疑問を改めて問い直しました。寸法通りの作業にとどまらず、テコの原理や力学的構造を理解した上で、演奏者が求める「打点」をいかに揃えるかを徹底的に探求しました。


講師・ナビゲーター紹介

 

▲ 実機のアクションや内部構造を前に解説と検証を行う様子

今回のセミナーでは、案内役として武内 順一 調律師をお迎えしました。

「一方的に教わる講義ではなく、プロの調律師同士が一緒に考え、疑問をぶつけ合う場にしたい」という運営方針のもと、長年の実務経験の中で当たり前になっていた手順を疑い、物理的根拠と実践的な感覚の両面からアプローチを行いました。

セミナーの主な内容と実務のポイント

1. ハンマーアクションと「2点一致」の力学

ドロップ調整において語られる「2点一致(約2.1mm)」について、レギュレーションレバーがドロップスクリューに当たる点と、ジャックがローラーを押し上げ始める点がなぜ一致しなければならないのかを力学的に検証しました。
この2点がずれてしまうと打点が曖昧になり、演奏者がタッチを探しづらくなるだけでなく、連打性能にも悪影響を及ぼします。また、ジャックとローラーの位置合わせでは、空振り(スポ抜け)を防ぎつつ連打のロスをなくすための安全マージン(中心線の1mm前)の重要性と、調整後の全鍵テストの徹底が解説されました。

2. スタインウェイ独自のキーベッドとベッティング調整

他メーカーとは異なるスタインウェイのキーベッド構造(約8mmのえぐり加工)の特徴を確認しました。この構造により、強く張っても手前が浮き上がらない利点があります。
実演では、端からではなく適切な位置から浮きと張りの状態を見極めて調整を進める手順や、最終的にペダルを踏んで張りの変化を確認し、打弦音が適切に出るかを静かに確かめる実践的な手法が共有されました。

3. ダンパー機構とペダル調整の必然性

ダンパーペダルが全行程の「半分の半分(4分の1)」の位置で効き始める理由について、スタッカートの良好な音切れと、テヌートやトレモロ等の演奏効果という、相反する2つの演奏上の要求を同時に満足させるために導き出された設定であることが紐解かれました。
さらに、スタインウェイにおけるペダル踏み込み時の支点移動がもたらすハーフダンパーの音響効果や、ペダルの重さ・遊び量の適切な設定基準について活発な議論が交わされました。

4. ハンマーの密度構造を活かした整音技術

ハンマーフェルトは製造工程上、内部の密度が高く硬く、表面は柔らかい構造を持っています。弾き込まれて硬くなったピアノに対し、安易に先端のファイリングや肩への針刺しを繰り返すのではなく、ピアニッシモからフォルテに向かって硬化しているポイントをピンポイントで特定する針刺しの手法が紹介されました。市場にあるピアノの過去の整音履歴を逆算し、本来のダイナミクスレンジを取り戻すアプローチが示されました。


まとめ:打点・タイミング・エネルギーを揃える

ピアノの演奏は「打点とタイミングとエネルギー」によって成り立っています。

私たち調律師の真の使命は、単に数値をマニュアル通りに合わせることではなく、演奏者が迷いなく音を紡ぎ出せるように「打点を揃える」ことにあります。

グランドギャラリーでは、今後も技術者が互いに研鑽を重ね、楽器が持つ本来の表現力とピアニストの感性をダイレクトにつなぐハイレベルな技術の追求を続けてまいります。

STEINWAY&SONS ハンブルグ製 O180 1979年製のご紹介です。

STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ)O180 1979年・ハンブルグ製が入荷しました。

1900年代初頭に誕生し、現代でもプロの演奏家や音大生を始め、ご家庭はもちろん幅広いシチュエーションで演奏される人気のサイズです。

O型ならではの低音から高音までの広いダイナミクス、スタインウェイならではの繊細かつダイナミックな“イニミタブル・トーン(比類なき響き)”も存分にご堪能いただけます。

STEINWAY&SONS ハンブルグ製 O180 1979年製

🎉 第3回 ピアノテクニカルアカデミー開催決定!

~ 現代GPの実践的調整について ~

📅 2026年10月20日(火)13:00~17:00
グランドギャラリー東京にて開催

 

第3回 ピアノテクニカルアカデミー開催!

第1回、第2回と開催してきた
「グランドギャラリー ピアノテクニカルアカデミー」。

第3回となる今回は、
「現代GPの実践的調整について」をテーマに、
主要メーカーの鍵盤アクション調整や整音へのアプローチを取り上げます。

名器が揃うグランドギャラリー東京だからこそ実現できる、
実機を用いた比較・実務セミナーです。

案内役:武内 順一 調律師

案内役 武内順一調律師

長年にわたり第一線で活躍し、
数多くのコンサートや演奏家を支えてきた武内調律師。

これまでピアノに対する基礎知識及び保全管理等の啓蒙のための
レクチャーやセミナー、研修会の講師として、
全国の技術者・調律師を対象とした技術指導にも携わってきました。

今回も実際のピアノを用いながら、
メーカーごとの特徴や調整の考え方、
演奏者の要求に応えるための技術について、
分かりやすく解説していただきます。

今回のテーマ

現代GPの実践的調整について

~主要メーカーの鍵盤アクション調整と整音アプローチ~

現代のグランドピアノに求められる、
実践的な調整技術をテーマに、
主要メーカーのピアノを実際に比較しながら学びます。

メーカーごとに異なる構造や特性を踏まえ、
鍵盤アクション、ペダル、整音など、
演奏者の要求に応えるための調整について、
実機を使って具体的に解説していきます。

実務に直結する整音技術

時間が許す限り、調整に続く
「整音(ボイシング)」へのアプローチまで踏み込み、
実演指導を行います。

各ブランドの持つ音のポテンシャルを最大限に引き出し、
演奏者の要求に応えるためのテクニックを、
実際のピアノを用いて学んでいただきます。

調整と整音を別々に考えるのではなく、
「どのようにピアノの持つ可能性を引き出すのか」
という実践的な視点から技術を学べる内容です。


◆ 実機を比較しながら学ぶ、実践的な技術セミナー

今回のセミナーでは、

  • ✓ 鍵盤打弦機構と止音機構
  • ✓ ペダルの調整
  • ✓ 鍵盤アクションの調整
  • ✓ メーカーごとの特性を踏まえた調整
  • ✓ 整音(ボイシング)へのアプローチ

など、日々の実務に直結する内容を、
実際のピアノを用いて確認していきます。

ベーゼンドルファー、スタインウェイ、ベヒシュタイン、
ヤマハ、カワイなど、
主要メーカーのピアノが揃うグランドギャラリー東京だからこそ、
メーカーごとの違いを実機で比較しながら学ぶことができます。

実機だからこそ分かる「違い」

ピアノの調整は、単に決められた数値に合わせるだけではありません。

メーカーやモデルごとの構造・特性を理解したうえで、
そのピアノが持つ音色やタッチの魅力を引き出し、
演奏者の求める表現につなげていくことが重要です。

実際のピアノを見て、触れて、比較することで、
普段の調律・調整にも活かせる新たな気付きが得られる内容となっています。


◆ 開催概要

開催日
2026年10月20日(火)

 

時間
13:00~17:00

 

会場
株式会社グランドギャラリー東京
東京都中央区日本橋茅場町2丁目17-7
第3大倉ビル

 

電話番号
03-6206-2212

 

案内役
武内 順一 調律師

 

参加費
2,000円

 

定員
15名

※応募多数の場合は抽選にて決定いたします。


参加申込み受付中

参加をご希望の方は、
公式LINEよりお申し込みください。

こんな方におすすめです

✓ 現代グランドピアノの調整技術を深く学びたい方
✓ 鍵盤アクションの調整について理解を深めたい方
✓ ペダルや止音機構などの調整技術を学びたい方
✓ 整音・ボイシングの実践的な技術を学びたい方
✓ メーカーごとのピアノの特性を比較しながら学びたい方
✓ 日々の調律・調整業務に活かせる技術を身につけたい方

技術者の皆様へ

グランドギャラリーでは、
ピアノ技術に携わる皆様が、
実機を通して知識や技術を深めていただける機会として、
ピアノテクニカルアカデミーを開催しています。

今回の第3回では、
「現代GPの実践的調整」をテーマに、
調整から整音まで、より実務に踏み込んだ内容を予定しています。

ぜひこの機会に、
実際のピアノを比較しながら技術を学んでみませんか?


※内容は一部変更となる場合がございます。
※応募多数の場合は抽選にて参加者を決定いたします。
最新情報はグランドギャラリー公式LINEにてご案内いたします。

C.BECHSTEIN ConcertC8 1985年製のご紹介です。

160年以上にわたるベヒシュタインの伝統と技術が惜しみなく注ぎ込まれた逸品。

クラシックにとどまらず、サイモン&ガーファンクルやビートルズも愛用していた名器です。

グランドピアノに馴れた要求の高い音楽家すら驚嘆する音響、ボリューム、音色の豊かさ、精緻なアクションを備えた Concert 8は、ル・モンド・ド・ラ・ミュジックで一位を受賞しました。

C.BECHSTEIN ConcertC8 1985年製

世界三大ピアノを、弾き比べる。アップライト特集 グランドギャラリー東京 日本橋

東京・日本橋茅場町のグランドギャラリー東京に、世界三大ピアノと呼ばれるスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインのアップライトピアノが三台そろいました。

三大ブランドのアップライトが同じ部屋に並ぶのは、専門店でもめったにないことです。しかも三台は、いずれも高さ131〜132cmの大型モデル。大きさがほとんど同じだからこそ、弾き比べると、ブランドごとの“声”の違いがはっきりと感じられます。

今回そろった三台

三台それぞれの詳しい紹介や価格、比較表、弾き比べのポイントは、特集ページにまとめています。いずれも一点ものの中古ピアノですので、三台がそろっているうちに、ぜひご覧ください。

The Big Three Upright

世界三大ピアノを、
その手で弾き比べる。

特集ページを見る

すぐにご予約の方は WEB予約フォーム または
0120-25-9939(通話無料・10:00〜18:00/火水定休)まで

【調律師・技術者向け】
なぜピアノは響くのか?「音」と「響板」の秘密|武内順一氏のピアノトーク

「音はどうやって伝わるのか?」
「なぜピアノはあれほど大きく響くのか?」
音の仕組みを実験で体感し、響板の役割を技術者の視点から学びます。

武内順一氏

武内順一氏について

長年にわたりピアノ技術の第一線で活躍し、
国内外の著名演奏家やコンサートを支えてきた
日本を代表するピアノ技術者の一人です。

「ピアノトーク」シリーズでは、
ピアノの構造や音づくり、整調・整音など、
日々の技術業務にもつながるテーマを
技術者の視点からわかりやすく解説されています。

① 「音は振動」――音を目で見て、骨で聴く「ピアノトーク9」

私たちが普段何気なく「聴いている音」。
しかし、音そのものは目で見ることができません。

調律師・技術者としては、
音の仕組みを理解しているのはもちろんですが、
「音とは何なのか」をお客様やお子様に分かりやすく伝える
ことも、ピアノへの興味を持っていただくうえで大切なポイントです。

武内氏の「ピアノトーク9」では、
そんな目に見えない「音」を、
実験を通して感覚的に理解できる方法が紹介されています。

音を「目で見る」――振動を目で確認する

音は空気の振動です。
普段は目に見えない空気の振動ですが、
実験を使うことで、その存在を視覚的に確認することができます。

例えば、スピーカーの振動板に砂などを置き、
音を鳴らすことで、振動によって砂が動き、
特徴的な模様が現れる様子を観察できます。

「音が鳴っている」というだけではなく、
「音によって実際に物が動いている」
ことを目で確認できるため、
特にお子様にとっては非常に印象に残る体験になります。

また、水面に音の振動を伝えることで、
細かな波紋や水面の変化を観察する方法もあります。

こうした実験は、
ピアノの音を説明する際にも応用できる
「音を体験してもらう」ための方法のひとつです。

「骨で聴く」――音は耳だけから入ってくるわけではない

もうひとつ興味深いのが、
骨伝導を利用した音の体験です。

音は空気の振動として耳に届くだけではありません。
振動そのものが骨を通じて伝わることで、
私たちは音を感じることができます。

音叉などを使って実際に体験してみると、
耳を塞いでいる状態でも音が聴こえるという
不思議な感覚を体験できます。

普段は意識することのない
「音の伝わり方」を身体で体験できるため、
音の仕組みを説明する際の
非常に分かりやすいデモンストレーション
になります。

技術者の知識を「体験」に変える

こうした音の実験は、
調律師・技術者がお客様へ技術的な内容を説明する際にも
参考になるのではないでしょうか。

特にお子様向けのピアノイベントや、
ショールームでの体験会、
調律・ピアノ教室などでの説明では、
「言葉で説明する」だけでなく「実際に体験してもらう」
ことで、音への興味をより深めてもらうことができます。

▲ 武内順一氏「ピアノトーク9」


② 「響板」はピアノの巨大なスピーカー――オルゴールで分かる響板の力「ピアノトーク10」

ピアノの音を語るうえで欠かすことのできない
「響板(サウンドボード)」。

しかし、一般のお客様にとっては、
「響板が重要なのは分かるけれど、実際に何をしているの?」
という疑問を持たれることも少なくありません。

そんな響板の役割を、
非常に分かりやすく体験できるのが
武内氏の「ピアノトーク10」です。

オルゴールを響板に載せると、音が大きくなる?

実験では、オルゴールを使って
響板の持つ「音を広げる力」を確認します。

オルゴール単体では、
耳を近づけなければ聞き取りにくいほどの小さな音。

ところが、そのオルゴールを
ピアノの響板に載せてみると、
音が大きくなり、より豊かに響く
ことが分かります。

これは、響板が振動を広い面積へ伝え、
その振動によって周囲の空気を効率よく動かすためです。

響板は「弦の振動を音に変える」重要な役割を持つ

ピアノでは、弦をハンマーで叩くことで弦が振動します。

しかし、弦そのものだけでは、
部屋全体に十分な音を響かせることはできません。

そこで重要な役割を担うのが響板です。

弦の振動を駒を通じて響板へ伝え、
響板全体を振動させることで、
より広い範囲の空気を動かし、
私たちが「ピアノの音」として感じる大きな響きを生み出します。

つまり響板は、
弦の小さな振動を、空気へ効率よく伝えるための重要な装置
と言えるでしょう。

「響板の状態」がピアノの響きに関係する

こうした響板の役割を理解すると、
なぜピアノの状態を維持することが大切なのかも見えてきます。

響板は木材でできているため、
温度や湿度などの環境の影響を受けます。

また、長い年月の中では、
響板の割れや状態の変化などが起こることもあります。

そのため、ピアノの音を確認する際には、
弦やハンマーだけを見るのではなく、
「響板がどのような状態なのか」
という視点も重要です。

響板の役割を知っているからこそ、
お客様に対しても、
「なぜこのピアノはこのように響くのか」
「なぜ環境管理が大切なのか」
を、より具体的に説明することができます。

技術者の説明に「実験」を取り入れる

響板の重要性を言葉だけで説明するのは、
なかなか難しいものです。

しかし、実際にオルゴールを響板に載せ、
音の変化を体験してもらえば、
「響板が音を広げている」
ということを直感的に理解していただけます。

調律やメンテナンスの説明だけではなく、
ピアノの構造そのものに興味を持っていただくきっかけとしても、
こうした実験は非常に有効ではないでしょうか。

▲ 武内順一氏「ピアノトーク10」

学んだことを、実際のピアノで確認してみませんか?

音の伝わり方や響板の役割は、
実際のグランドピアノを見て、弾いて、聴いてみることで、
より深く理解することができます。

グランドギャラリー岡崎では、
アップライトピアノ・グランドピアノ合わせて
150台以上のピアノを展示しております。

メーカーやモデルによる音色の違いはもちろん、
響板の構造や状態、タッチ、整調・整音による違いなど、
さまざまなピアノを実機で比較していただけます。

調律師・技術者の皆様の視察・技術研究・情報交換を目的としたご来店も歓迎しております。

【調律師・技術者向け】
情報交換・学びのコミュニティ

✔ 調律・整調・整音について学びたい
✔ 技術者同士で情報交換したい
✔ セミナーや勉強会の情報を知りたい
✔ お客様への技術的な提案力を高めたい
✔ ピアノ購入を検討されているお客様がいる

調律師・技術者の皆様に向けて、
技術情報やピアノに関する情報、
勉強会・セミナーなどの情報を配信しています。

技術者同士のつながりを広げたい方、
日々の技術をさらに深めたい方は、
ぜひご参加ください。

※動画は武内順一氏による「ピアノトーク」シリーズをもとにご紹介しています。

【調律師・技術者向け】
武内順一氏に学ぶ「大屋根」の役割と安全な開閉技術

グランドピアノの響きを左右する大屋根。
その音響的な役割から、開閉時の身体の使い方、
支え棒の扱いまで、技術者の視点から学びます。

武内順一氏

武内順一氏について

長年にわたりピアノ技術の第一線で活躍し、
国内外の著名演奏家やコンサートを支えてきた
日本を代表するピアノ技術者の一人です。

「ピアノトーク」シリーズでは、
ピアノの構造や音づくり、整調・整音など、
日々の技術業務にもつながるテーマを
技術者の視点からわかりやすく解説されています。

① 大屋根は「音量」だけではない――響きを左右する開閉の意味

グランドピアノの大屋根は、単にピアノ内部を保護するための蓋ではありません。
演奏時には、弦から放たれた音をどのように客席・室内へ導くかという、
音響上重要な役割を担っています。

武内氏の「ピアノトーク7」では、
グランドピアノの大屋根を開けることによって得られる
響きの違いについて解説されています。

大屋根を開けることで、ピアノ本来の響きを引き出す

グランドピアノは、大屋根を開けた状態で
豊かな響きが得られるように設計されています。

特に注目したいのが倍音の聴こえ方です。
ピアノの音は基音だけで構成されているわけではなく、
さまざまな倍音が重なり合うことで、
明るさや輝き、奥行きのある音色として感じられます。

大屋根を閉じた状態では、
こうした高次の響きが十分に室内へ放射されず、
結果として音の広がりや華やかさが失われることがあります。

技術者としてお客様のピアノを確認する際には、
「どのような状態で演奏されているのか」
という視点も重要です。

調律・整調・整音を適切に行っていても、
普段から大屋根を閉めたまま演奏していれば、
演奏者が本来の響きを十分に感じられていない可能性があります。

「音が大きいから閉める」だけではない、環境との関係

大屋根を閉める理由として、
「近所への音漏れが気になる」というケースがあります。

しかし、屋根の開閉だけで室外への音の問題を
すべて解決できるわけではありません。
建物の構造や窓、ドアなど、
部屋そのものの遮音性能も大きく関係します。

技術者としては、ピアノそのものだけを見るのではなく、
「どのような部屋で、どのような状態でピアノが使われているのか」
まで確認することが、お客様への適切なアドバイスにつながります。

▲ 武内順一氏「ピアノトーク7」


② 大屋根を「どう開けるか」――技術者自身が知っておきたい安全な操作

大屋根の開閉は、お客様だけでなく、
調律・整備の現場でも日常的に行う作業です。

しかし、大型のグランドピアノでは大屋根そのものに重量があり、
持ち方や身体の位置を間違えると、
手指や腰、関節などへの負担につながります。

武内氏の「ピアノトーク8」では、
腕力だけに頼らず、身体全体を使って
大屋根を安全かつスムーズに操作する方法が紹介されています。

ポイント① 「腕」ではなく「下半身」を使う

大屋根を持ち上げる際、
腕の力だけで引き上げようとすると、
必要以上に力がかかります。

膝を使い、身体全体を上下させるようにして
大屋根を持ち上げることで、
より少ない力で操作することができます。

特に最初の段階では、
いきなり全開まで持っていくのではなく、
まず半開程度まで安定させることがポイントです。

ポイント② 大屋根との距離を近づける

重量物を身体から離した状態で持つほど、
大きな力が必要になります。

大屋根のカーブに身体を近づけ、
両手を広げて支えることで、
より安定した状態で持ち上げることができます。

これは調律師が日常の作業で
身体への負担を減らすという意味でも、
参考になるポイントではないでしょうか。

ポイント③ 前屋根は中央から操作する

前屋根を開ける際には、
端を持って無理に持ち上げるのではなく、
中央の開閉部分を持って操作することが重要です。

端から持ち上げることで屋根に余計な力が加わり、
蝶番や固定部分などに負担をかける可能性があります。

日常的に扱う部分だからこそ、
「正しい持ち方・動かし方」を意識することが
ピアノを長く良い状態に保つことにもつながります。

ポイント④ 支え棒は、屋根を安定させてから操作する

大屋根を持ち上げながら、
同時に支え棒を操作するのは危険です。

まず大屋根を所定の位置まで持ち上げ、
安定した状態を作ってから支え棒を操作します。

支え棒を受け皿に入れる際には、
屋根との位置関係を確認しながら、
無理な姿勢にならないよう注意します。

ポイント⑤ 支え棒と大屋根の角度を確認する

支え棒を使用する際には、
大屋根と支え棒ができるだけ直角に近い状態になるよう、
受け皿の位置を確認することが重要です。

大屋根を安全に支えるためには、
単に「棒を入れればよい」のではなく、
屋根と支え棒の位置関係まで確認することが必要です。

▲ 武内順一氏「ピアノトーク8」

技術者だからこそ、実機で確認したい「大屋根」の違い

大屋根の開閉による響きの変化は、
実際のグランドピアノで聴き比べてみることで、
より明確に感じることができます。

グランドギャラリー岡崎では、
アップライトピアノ・グランドピアノ合わせて
150台以上のピアノを展示しております。

メーカーやモデルによる音色の違いはもちろん、
大屋根の開閉による響きの変化や、
タッチ・整調状態による違いなど、
実機を比較しながらご確認いただけます。

調律師・技術者の皆様の
視察・技術研究・情報交換を目的としたご来店も歓迎しております。

【調律師・技術者向け】
情報交換・学びのコミュニティ

✔ 調律・整調・整音について学びたい
✔ 技術者同士で情報交換したい
✔ セミナーや勉強会の情報を知りたい
✔ お客様への技術的な提案力を高めたい
✔ ピアノ購入を検討されているお客様がいる

調律師・技術者の皆様に向けて、
技術情報やピアノに関する情報、
勉強会・セミナーなどの情報を配信しています。

技術者同士のつながりを広げたい方、
日々の技術をさらに深めたい方は、
ぜひご参加ください。

※動画は武内順一氏による「ピアノトーク」シリーズをもとにご紹介しています。

【調律師・技術者向け】
武内順一氏のピアノトークを一挙紹介

ピアノのお手入れ方法から温湿度管理まで。
お客様への提案に役立つ知識を動画とともにご紹介します。

武内順一氏

武内順一氏について

長年にわたりピアノ技術の第一線で活躍し、
国内外の著名演奏家やコンサートを支えてきた
日本を代表するピアノ技術者の一人です。

今回ご紹介する「ピアノトーク」シリーズでは、
技術者の視点からピアノの仕組みや音づくり、
整調・整音の考え方などをわかりやすく解説されています。

① 間違ったお手入れを防ぐ!鍵盤とボディの清掃指導

お客様ご自身で行う日常的なお手入れについて、
的確なアドバイスを行うことも調律師の重要な役割です。

特にアクリル製やプラスチック製の鍵盤にアルコールを使用すると、
ひび割れの原因となる場合があります。

鍵盤は固く絞った柔らかい布で拭くこと、
またボディは一度に広範囲を拭かず、
少しずつ作業することが美しく仕上げるコツです。

ペダル周辺やチューニングピン周辺のお手入れ方法についても紹介されています。


② 日本の気候からピアノを守る!温湿度管理の伝え方

ピアノは木材やフェルトなどの天然素材で作られているため、
温度や湿度の変化によって状態が大きく左右されます。

理想的な環境は温度20℃、湿度50%前後ですが、
実際には温度20~28℃、湿度40~60%程度を目安に管理すると安心です。

冬場の乾燥や夏場の高湿度がピアノへ与える影響についても、
わかりやすく解説されています。

「人が快適に感じる環境は、ピアノにとっても快適な環境である」
という考え方は、お客様にも伝えやすい内容です。

動画で学んだ内容を実機で確認してみませんか?

グランドギャラリー岡崎では、
アップライトピアノ・グランドピアノ合わせて150台以上を展示しております。

温湿度管理による音色の変化や、
整調状態によるタッチの違いなども実際に比較していただけます。

技術者の方の視察や勉強目的でのご来店も歓迎しております。

【調律師・技術者向け】
情報交換・学びのコミュニティ

✔ 調律・整調・整音について学びたい
✔ 技術者同士で情報交換したい
✔ セミナーや勉強会の情報を知りたい
✔ お客様への提案の幅を広げたい

調律師・技術者の皆様に向けた情報発信や、
勉強会・セミナー情報などを配信しています。

同業者とのつながりを広げたい方、
技術をさらに深めたい方はぜひご参加ください。

※動画は武内順一氏による「ピアノトーク」シリーズをもとにご紹介しています。

STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ) K132 1966年・ハンブルグ製のご紹介です。

スタインウェイ・アップライトピアノのフラッグシップモデル「K-132」。

大きな響板から放たれるスタインウェイならではの、豊かな音色・音量、バランスの良いタッチは上級演奏者、プロの演奏家にも満足いただける最高峰のアップライトピアノ。

グランドピアノを設置するスペースが無くても、スタインウェイの「イミニタブルトーン“比類なき響き”」を堪能できる、まさに理想的なピアノです。

STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ) ハンブルグ K132 1966年製

調律師さんのひとこと

スタインウェイのフルサイズアップライトピアノです。サウンドのボリューム感はこの大きさのピアノならではのものでしょう。タッチ感に手ごたえがあり、弾き込みによる鳴りの変化が楽しみな一台です。

楽譜の位置で姿勢が崩れる?グランドとアップライトの意外な違い

「なんだか前かがみになってしまう…」
「長時間弾くと肩が疲れる…」

実はそれ、譜面台の位置が関係しているかもしれません。

ピアノは“鍵盤”ばかり注目されがちですが、実は楽譜を見る角度によって、
姿勢・腕の動き・音の出し方まで変わる繊細な楽器です。

■ なぜグランドピアノは弾きやすいのか?

グランドピアノの譜面台は、鍵盤から少し奥に配置されています。

そのため視線が自然に前へ向き、背筋を起こしたまま演奏しやすい構造になっています。

グランドピアノ

✔ 視線が自然
✔ 肩・首への負担が少なく、良い姿勢を保ちやすい

アップライトピアノ

✔ 譜面位置が近いモデルも多い
✔ 長時間の演奏で前傾姿勢になりやすい場合も

■ 実は“譜面台”で演奏フォームが変わる

アップライトピアノは構造上、譜面台が鍵盤に近くなりやすいため、知らず知らずのうちに顔が下がり、猫背や肩が丸くなるケースがあります。

特に成長期のお子様や、長時間練習する方は姿勢のクセがそのまま演奏フォームに影響することも。

「良い姿勢」が、結果的に“弾きやすさ”や“疲れにくさ”へ繋がっていきます。

■ グランドピアノのような譜面台を持つ人気モデル3選

最近はアップライトでも、グランドピアノに近い“立体的な譜面台設計”を採用したモデルが増えています😊

スペースの都合でグランドピアノの設置が難しいお部屋でも、グランドピアノに近い感覚で練習ができます✨

商品画像
KAWAI

K400

スタイリッシュなデザインの中にも大型譜面材を採用し、使いやすさに優れた一台。

商品画像
YAMAHA

UX30Wn

美しいウォルナット仕上げのデザインに高級感を感じられるハイグレードモデルです。

商品画像
APOLLO

U2000

細部まで施された装飾が所有する喜びを感じさせます。
正面の花柄は象嵌装飾によって映し出された手の込んだ一台。

■ まとめ

ピアノ選びというと、
「音」や「メーカー」に目が行きがちですが、実際には譜面台の位置も非常に重要です。

特に毎日練習する方ほど、譜面台の位置による“使いやすさ”の差は大きく現れます。

実際に座ってみると、視線や姿勢の違いは想像以上です。

ぜひショールームで、“弾きやすい譜面台”の違いも体感してみてください🎹

LINE 相談はこちら


国内最大級のピアノショールーム

国内最大級のピアノショールーム「グランドギャラリー岡崎」では、合計150台以上のピアノを展示しています。

・アップライトピアノ約80台
・グランドピアノ約60台

ヤマハ・カワイなどの国産ピアノをはじめ、輸入ブランドまで幅広く取り揃え、あなたのお好みのピアノをご紹介いたします。

当社は20年以上、累計150,000台以上の販売実績。年間10,000台以上の買取・販売(国内外)を行っています。

圧巻のショールームで、
ぜひ「あなただけの1台」をお選びください。

お客様の声

                   

我が家に新しい響きをもたらしてくれました。

留学時代の恩師も、来日の際に弾きにいらして下さり、お墨付きを頂きました。グランドギャラリーでの出会いを大切にしていきたいです。

                       

東京都 スタインウェイ B211

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専任スペシャリストがサポートします。リモート相談、ライブでピアノの音色と映像を確認できます。

グランドギャラリーの専任スペシャリストがピアノに関するお悩み事の解決をサポート。カテゴリー別でピアノ選びもカンタン。ご自宅に居ながら、ビデオ通話や動画を通じて、ピアノの状態や音色をご確認頂けます。

その他、技術、物流、税務など各部門のスぺシャリストがサポートします。

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